著者 : アン・アシュリー
幼さを脱ぎ捨て、 もう一度、初恋の男性に出逢う。 ベスは父の死を機にヨーロッパから帰郷し、 5年ぶりに初恋の相手フィリップと再会した。 彼はかつて、亡き従姉と婚約していた相手。 5年の間に痩せて美しいレディに変身したベスに驚いた様子で、 舞踏会では、ブラックウッド子爵との仲を冷やかしてきたが、 ベスはといえば、別の令嬢が彼に急接近し、気が気ではない。 その矢先、ベスはほかならぬ子爵とともに誘拐されてしまった! 幸い二人とも無事救出されたが、ベスの名誉を守ろうと求婚したのは、 子爵だけではなくーーなんとフィリップ! どうして? あなたとだけは、絶対に結婚できないのに。 忘れえぬ初恋の男性からの思いがけない求婚に、苦悩するベス。なぜなら従姉の身代わりになっても、彼に愛してもらえる日は永遠にこないから……。根強いファンを持つリージェンシーの名手アン・アシュリーが描く、珠玉の初恋&再会ロマンス!
私を鳥籠に閉じ込めた張本人に、 ふたたび心を奪われるなんて。 かつて憧れだった10歳年上のドラムが、伯爵となって帰ってくる。 レベッカはその知らせに動揺した。今や彼は誰より憎らしい相手。 7年前、出征を明日に控えたドラムが別れを告げに来たとき、 無断で彼の愛馬を駆ったレベッカはひどく叱られ、お仕置きされた。 そして彼の提案によって、牢獄のような寄宿学校へやられたのだった。 いよいよ再会の瞬間、昔とは違う熱いまなざしを向けられて戸惑うが、 あの時の仕打ちを忘れられず、レベッカはよそよそしくふるまった。 ところが後日、親代わりの祖父が旅で不在にすることになり、 ドラムの後見のもと、伯爵邸での同居を余儀なくされる! レベッカは震えた。大嫌いな彼にまた惹かれてしまうのが怖くて……。 子供の頃、兄と慕うドラムにお尻を叩かれたことを根に持っているレベッカ。大好きの裏返しで、ドラムなんて大嫌いと意地を張りますが、彼に魅了されるのも時間の問題でーー。元気いっぱいで天真爛漫なヒロイン像に定評のあるアン・アシュリーの名作です!
目の見えないあなたに、純潔を捧げた。 かつてあなたの許嫁でしたと言えぬまま。 エリザベスは夜会で魅力的なサー・リチャードに再会し、言葉を失った。 親に決められて、少女の頃から密かに憧れる彼の許嫁となったが、 16歳のとき、彼に愛されていないことを知って結婚を断ったのだ。 今、麗しい淑女に変身したエリザベスに、彼は目を奪われている。 けれど、彼女の心は喜びよりも、不安でいっぱいだった。 じつは1年前、軍人の看護をしていたとき、偶然彼と出会っていた。 傷ついて一時的に視力を失ったリチャードに素性を隠したまま尽くし、 救いを求める彼の腕を拒めず枕を交わしたのだったーー ああ、どうか今あなたの目の前にいる私が、 あの愚かな看護師“メアリー”だと、気づかないでください……。 引っ込み思案で冴えない少女だったエリザベスは、かつてリチャードが自分よりも美しい姉のほうに惹かれているのを知って傷つき、身を引いたのでした。それでも彼への愛は消えず、誰に知られることなく想いを遂げたはずが……まさか再会する運命だったとは!
私はまるで籠に閉じ込められた小鳥。 夫への愛を伝えることさえ許されず……。 9年ぶりにロンドンの自宅に戻ったジェニファーは決心していた。 夫であるロクサム侯爵と正式に離婚し、自分の道を歩むと。 あの日、彼のもとを去ったのは、あらぬ不貞を疑われたから。 面会を求めても、手紙を書いても、夫は頑なに彼女をはねつけた。 以後、遠い地へ逃げてから侯爵の子を身ごもっていることに気づき、 人の助けを借りて男児を産むと、貧しいが幸せな日々を得た。 一方、ロクサム侯爵は不信と感慨、そして嫉妬に駆られていた。 彼が酒にひたって放蕩の日々を過ごしているうちに、 幼かった妻は、美しく自信あふれるレディに変身して帰ってきた! 秘密めいたその瞳に、いったいどんな過去を隠しているんだ? かわいらしいながらも芯の強いヒロイン像が共感を呼ぶ、A・アシュリーの珠玉作! 無実の罪を疑われたことで関係がこじれ、もつれ、元に戻らなくなってしまった侯爵夫妻の再会物語。ロンドン社交界の好奇の目にさらされ、二人の運命はどこへ向かうのでしょうか?
人形を抱えた16歳の新妻には、 夫も知らない、壮絶な過去が……。 子爵のドミニクは亡き父が作った借金を清算するため、 裕福な商人の娘レイチェルを、ほぼ面識のないまま花嫁に迎えた。 結婚後は、不器量で幼い妻を田舎に置いて、彼は上京したが、 妻はそのあいだに忽然と姿を消してしまった。 6年たった今も、レイチェルの消息はいっこうにわからないが、 跡継ぎが欲しいドミニクは、妻の生死を確認し、 夫婦のよりを戻すなり、別の女性と結婚するなりしたいと思っていた。 そんな折、ドミニクは叔母の紹介で謎めいたレディと知り合い、 見目麗しく、知的な会話のできる彼女の魅力にとらわれていく。 まさか夢にも思わなかったーーそのレディこそが、失踪中の妻だとは! リージェンシーの旗手A・アシュリーの珠玉作をリバイバル! 行方知れずの妻の件に決着をつけるまでは、再婚することもできないドミニク。けれども、魅惑のレディに恋してしまった彼は、たまらず彼女に求愛することにしますが、けんもほろろに拒絶されて……。
幼くして父親を亡くし母と二人暮らしのエミリーは、年上の隣人、セバスチャンのことをずっと慕っていた。やがて、病に倒れ余命幾ばくもない母の願いで、エミリーは16歳のとき彼と婚約し、初恋を実らせたかに見えたーセバスチャンが別の女性を愛していると知るまでは。ほかの男性と結婚しようとするその人を彼が必死で止めるのを、偶然にも立ち聞きしてしまったのだった。ショックを受けつつも、彼のためを思うなら自分が譲るほかないと考え、彼女は断腸の思いで婚約解消を申し出た。それから5年。エミリーの前に、男爵となったセバスチャンが現れる。