小説むすび | 著者 : アン・ドヒョン

著者 : アン・ドヒョン

独り 気高く 寂しく独り 気高く 寂しく

韓国の文壇と読者から多くの人々に愛されてきた詩人、アン・ドヒョン。 4作目の詩集となった本作には、 世界的ヒットを記録したドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で朗読された、 「練炭一つ」を収録。 灰になった練炭をむやみに蹴るな 君は 誰かに一度でも熱い人であったことがあるのか ──「君に聞く」より 1980年の光州事件以降、文学より切実なことがあまりに多かった時代。
詩の力、言葉の力で、心を守り抜こうとした、
いまなお、読み継がれる詩集が待望の翻訳刊行! この詩集に載った「君に聞く」は「私」に厳しく問いかけ、 「私」に痛いほど鞭を打とうという詩である。 私でない他人に一度でも熱い人になること、 その思いで学校から追い出された自身の悲哀を自ら収めようとした。 そうして初めて、その険しい時代を耐えていけそうだと思えた
──「邦訳版 あとがき」より 1994年の初版刊行時から約30年を迎え、 著者による執筆当時を回想した、 邦訳版のための「著者あとがき」を特別収録。 時代のうねりのなかで、 何度も書いては消して、 自分へ、世の中へも屈することなく、 ペンを握り続けた詩人によって紡がれた、ことばの灯火。 自序 1 君に聞く/練炭一つ/半壊した練炭/太陽と月/機関車のために/芽項への道/ニンニク畑のほとりで/母岳山に登りながら /スミレ/土地 2 群山の沖合い/遠くの明かり/国防色のズボンについて/ポン菓子について/冬の夜に詩を書く/私の経済/あの家/服のせい/こんなに遅い懺悔を君は知っているか/この世に遠足に来て/私に送る歌/私をいらだたせるもの 3 木/白樺を探して/雪の止んだ野原/鮒/市内バスは行く/新築工事現場にて/葛藤/家について /古い自転車/井戸/ヒメジョオンの花/昔の風景画/洪水 4 この世に子どもたちがいなかったら/あのトネリコの幼い新芽も/学校へ行く道/その飯屋/群山の友 ── 李光雄先生/恋/新しい道/襲い掛かって来たら── アフリカ民謡を真似て/アメリカに関する研究/ソウルに住む友へ/草刈り 5 冬の葉書/法の通りに/教員労働者になって/マスの刺身を食べながら/妻の夢/ご飯/ミンソクの百日祝いが過ぎて外に抱いて出てみると/ステッカーを貼りながら/私の町のオリオン工場/懐かしい裡里中学校/希望事項 詩人の言葉 /解説 鍊鍛からの新しい道への風景/邦訳版あとがき/訳者あとがき

詩人 白石 (ペクソク)詩人 白石 (ペクソク)

《尹東柱に敬愛された詩人の決定版評伝。天才詩人の作品と生涯》 尹東柱(ユンドンジュ)などと並び、現代韓国で多くの支持を集め続ける詩人、白石(ペクソク)。 生涯にわたる詩・随筆とその作品世界の魅力を余すところなく伝え、波乱に満ちた生涯を緻密に再現した、韓国で最も定評あるロングセラー評伝。 1930年代、モダニズムの技法を取り入れつつも古語や方言を巧みに用い、植民地下にあっても人々の生活に息づく民族的伝統と心象の原風景を、美しい言葉遣いで詩文によみがえらせて一世を風靡した詩人、白石(ペクソク)。 南北分断後は北朝鮮の体制になじめず筆を折らざるをえなくなり、その消息は長らく不明のままとなった。 本書は、韓国を代表する抒情詩人である著者が、敬愛してやまない白石の生涯を丹念に追い、小説を読むように、また白石の作品世界を深く味わえるように再構成した、決定版といえる評伝である。詩のみならず、随筆や分断後の北朝鮮で書かれた作品を多く収録しているほか、同時代を生きた詩人・作家たちの足跡も辿ることができ、資料的価値も高い。 日本語版に寄せて まえがき:白石を書き写していた時間 ◎プロローグ 帰郷 ◎第一部 詩集『鹿』の誕生まで 平安北道定州郡葛山面益城洞/五山学校時代/素月と白石/青山学院に留学する/日本での文学修行/『朝鮮日報』との縁/光化門通りの三人組/詩人としての第一歩を踏み出す/百部限定の詩集『鹿』/『鹿』が文壇に投じた砲弾/統営、統営 ほか ◎第二部 咸興時代 咸興へ旅立つ/『鹿』に対する別の見方/白石の詩に影響を受けた詩人たち/咸興で出会った子夜/日中戦争の狭間で/僕とナターシャと白いロバ/崔貞煕と盧天命と毛允淑、そして鹿/優れた『女性』誌の編集者/画家の鄭玄雄 ほか ◎第三部 満州時代 満州へ旅立つ/倦怠と幻滅/測量も文書も嫌気が差し/白きかべがあって/鴨緑江が近い安東の税関で/雲隠れした詩人と詩 ほか ◎第四部 解放後 解放された平壌で/三十八度線を越えなかった理由/南新義州柳洞 朴時逢方/戦争と翻訳/童話詩の発見/児童文学論争の矢面に立たされる/生き残るために/赤い手紙をいただいて、館坪里の羊を育てる/平壌は何も変わっていなかった/南に送る手紙/こうして消えた名前/詩人の死 ほか 解説註 人名註 文献註 白石年譜 付録 白石詩抄 収録作品一覧 解説 評伝のかたちで再現した白石の生涯と文学……李東洵 訳者あとがき

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP