著者 : エミール・ゾラ
出版社
幻戯書房ジャンル
戦場、野戦病院、兵舎、総司令部などにおける「現実」を直視し、戦時下の軍人や女たちの生を鮮明に描き出すことによって、戦争美化の言説に抗議の声をあげるーーパリ郊外のメダンにあるゾラ宅に集った、モーパッサン、ユイスマンスら6人のフランス自然主義作家が普仏戦争(1870-71)を記録、諷刺した短編小説集。本邦初完訳。 序文 水車小屋の攻防 エミール・ゾラ 脂肪の塊 ギ・ド・モーパッサン 背囊を背負って ジョリス゠カルル・ユイスマンス 瀉血 アンリ・セアール 大七事件 レオン・エニック 戦闘のあと ポール・アレクシ 補遺一 (五十周年記念の再刊に寄せた)レオン・エニックによる序文 補遺二 メダンの夕べーどのようにしてこの書が作られたか 註 『メダンの夕べ』年譜 訳者解題
消費文化の光と影。ゾラが24年をかけて完成させた「ルーゴン=マッカール叢書」(全20巻)中の『ボヌール・デ・ダム百貨店』は、消費社会を“贅沢・労働・恋愛”の視座から描いて先駆的な作品!
完全に意識はあるが肉体が動かず、周囲に死んだと思われた男の視点から綴られる「オリヴィエ・ベカイユの死」。新進気鋭の画家とその不器量な妻との奇妙な共犯関係を描いた「スルディス夫人」など、稀代のストーリーテラーとしてのゾラの才能が凝縮された5篇を収録。
兄を頼って南仏からパリに上ったアリスティッド・サカールは、オスマン計画によるパリ大改造に乗じて不動産投機に着目、巨万の富を得ようと目論み激烈な戦いを開始する。修道院から出るまぎわに男と過ちを犯した美貌のルネを、サカールは金目当てで妻に迎えるが、やがてルネは先妻の子マクシムと官能的な不倫愛を深めてゆくのだった…。第二帝政期の華やかな建築・美術・風俗を背景にくり広げられる壮麗なドラマを、鮮烈に描き切ったゾラの傑作小説。