著者 : ギ・ド・モーパッサン
出版社
幻戯書房ジャンル
戦場、野戦病院、兵舎、総司令部などにおける「現実」を直視し、戦時下の軍人や女たちの生を鮮明に描き出すことによって、戦争美化の言説に抗議の声をあげるーーパリ郊外のメダンにあるゾラ宅に集った、モーパッサン、ユイスマンスら6人のフランス自然主義作家が普仏戦争(1870-71)を記録、諷刺した短編小説集。本邦初完訳。 序文 水車小屋の攻防 エミール・ゾラ 脂肪の塊 ギ・ド・モーパッサン 背囊を背負って ジョリス゠カルル・ユイスマンス 瀉血 アンリ・セアール 大七事件 レオン・エニック 戦闘のあと ポール・アレクシ 補遺一 (五十周年記念の再刊に寄せた)レオン・エニックによる序文 補遺二 メダンの夕べーどのようにしてこの書が作られたか 註 『メダンの夕べ』年譜 訳者解題
レジャーと治療、自然のスペクタクル、社交と娯楽、投機と事業、源泉所有権をめぐる資本所有者たちのたくらみと諍い、恋愛と姦通ーー温泉リゾート「モン゠オリオル」を舞台に種々様々な人間たちの「感情」が絡み合う、モーパッサンが描く一大〈人間喜劇〉。
19世紀フランス。男爵家のひとり娘のジャンヌは、20歳を機に修道院を出て両親とともに レ・プープル屋敷に住みはじめる。 そこで紹介された子爵の青年と結婚し、順風な暮らしが続くかに見えたが、 厳しい現実が次々と彼女につきつけられていく…。 現実を美化せずにありのままの状態を描きだす、自然主義文学の代表作を漫画化。
30歳のモーパッサンが彗星のように文壇に躍り出た記念すべき短篇小説。普仏戦争を背景に、ブルジョワや貴族や修道女や革命家といった連中と1人の娼婦とを対置し、人間のもつ醜いエゴイズムを痛烈に暴いた。人間社会の縮図を見事に描き切ったこの作品は、師フローベールからも絶賛され、その後の作家活動を決定づけた。新訳。
外国で殺した男の形見として持ち帰った1本の手に復讐される話(「手」)、雪深い山小屋に一冬閉じこめられ、遂に発狂してしまう男(「山の宿」)、眠っている間に無意識のうちにテーブルの上の水を飲んだりする一種の「人格遊離〈ドッペルゲンガー〉」をテーマにした「オルラ」など、11篇の怪奇短篇を厳選して新訳。