著者 : ク・ビョンモ
「この車に乗ったら最後、お前の身体は、一から十まで作り変えられる」。師に見出され殺しの道を歩みはじめた彼女は、死と隣り合わせの最終訓練に臨む。人を破壊する術を身につけることは、人として、女としての「普通」の一生を粉々にすること──。伝説の殺し屋誕生を濃密に描き出す、戦慄と陶酔ほとばしる『破果』外伝。 破 砕 作家のことば ク・ビョンモ インタビューーー「小説は文章の芸術です」 解説……………深緑野分
稼業ひとすじ45年。かつて名を馳せた腕利きの女殺し屋・爪角(チョガク)も老いからは逃れられず、ある日致命的なミスを犯してしまう。守るべきものはつくらない、を信条にハードな現場を生き抜いてきた彼女が心身の揺らぎを受け入れるとき、人生最後の死闘がはじまる。韓国文学史上最高の「キラー小説」、待望の日本上陸! 訳者あとがき
こぢんまりとこぎれいな新築の 共同住宅の薄い壁のあいだから、 内臓が露出するかのごとく暴かれる私生活。 ーーチョ・ナムジュ(小説家・『82年生まれ、キム・ジヨン』著者) 無理をして、我慢して、完璧を目指して、 結局悪い方に向かってしまう。 けれど密かに、静かに、マグマは猛ってる。 これは私たちの物語。 ーー深緑野分(小説家) 「ようこそ! 夢未来実験共同住宅へ」 都心にギリギリ通勤圏内。他のコミュニティから隔絶された山あいに国家が建設したのは、少子化対策の切り札となる集合住宅だった。「入居10年以内に子供を3人もうける」というミッションをクリアすべく入居したのは、4組の夫婦。やがて、お仕着せの“共同体”は少しずつ軋みはじめるーー。 奇抜な設定で、「共同保育」「家事労働」「労働格差」など韓国社会のホットで深刻な現実を描き出していると話題を呼んだ作品。2018年韓国日報文学賞候補作。