著者 : コルム・トビーン
現在最も注目されるアイルランド作家、トビーンによる長編歴史小説。トーマス・マンを主人公に、20世紀ドイツ文化の様相を包括的に描写した壮大な家族の物語。公の顔とプライバシー、愛国心と幻滅の間で揺れ動くマンの内奥世界を重厚に描き出す。 日本語版に寄せて 第一章 リューベック 一八九一年 第二章 リューベック 一八九二年 第三章 ミュンヘン 一八九三年 第四章 ミュンヘン 一九〇五年 第五章 ヴェニス 一九一一年 第六章 ミュンヘン 一九一四年 第七章 ミュンヘン 一九二二年 第八章 ルガーノ 一九三三年 第九章 キュスナハト 一九三四年 第十章 ニュージャージー 一九三八年 第十一章 スウェーデン 一九三九年 第十二章 プリンストン 一九四〇年 第十三章 パシフィック・パリセイド 一九四一年 第十四章 ワシントン 一九四二年 第十五章 ロスアンジェルス 一九四五年 第十六章 ロスアンジェルス 一九四八年 第十七章 ストックホルム 一九四九年 第十八章 ロスアンジェルス 一九五〇年 訳者あとがき
パリ、ローマ、ヴェネツィア、ロンドン…傑作が生み出されるまでの小説家の五年間を描く。ブッカー賞最終候補、国際IMPACダブリン文学賞、ロサンゼルス・タイムズ・ノベル・オブ・ザ・イヤー、フランス最優秀外国文学賞など数々の賞を受賞した名作が、ついに邦訳。 日本語版に寄せて(コルム・トビーン)/一章 一八九五年一月/二章 一八九五年二月/三章 一八九五年三月/四章 一八九五年四月/五章 一八九六年五月/六章 一八九七年二月/七章 一八九八年四月/八章 一八九八年六月/九章 一八九九年三月/十章/一八九九年五月/十一章 一八九九年十月/訳者あとがき
夫に先立たれた専業主婦の三年間。「平凡な人生」のおどろくべき輝きーー。夫を突然亡くしたアイルランドの専業主婦、ノーラ、四十六歳。子供たちを抱え、二十年ぶりに元の職場に再就職したノーラが、同僚の嫌がらせにもめげず、娘たち息子たちとぶつかりながらも、ゆっくりと自己を立て直し、生きる歓びを発見していくさまを丹念に描く。アイルランドを代表する作家が自身の母を投影した自伝的小説。
母マリアによるもう一つのイエス伝。カナの婚礼で、ゴルゴタの丘で、マリアは何を見たか。「聖母」ではなく人の子の「母」としてのマリアを描くブッカー賞候補となった美しく果敢な独白小説。