著者 : コルム・トビーン
マジシャンマジシャン
現在最も注目されるアイルランド作家、トビーンによる長編歴史小説。トーマス・マンを主人公に、第一次世界大戦から第二次世界大戦・冷戦まで、二十世紀ドイツ文化の様相を包括的に描写した壮大な家族の物語。公の顔とプライバシー、愛国心と幻滅の間でバランスをとりつつ揺れ動くマンの内奥世界を重厚に描き出す。
巨匠巨匠
パリ、ダブリン、ローマ、ロンドン…傑作が生み出されるまでの五年間。作家ヘンリー・ジェイムズが「巨匠」となってゆく重要な五年間を、現代アイルランドきっての作家トビーンが事実と想像を駆使して紡ぐ。ブッカー賞最終候補、国際IMPACダブリン文学賞、ロサンゼルス・タイムズ・ノベル・オブ・ザ・イヤー、フランス最優秀外国文学賞など数々の賞を受賞した名作が、ついに邦訳。
ノーラ・ウェブスターノーラ・ウェブスター
教師の夫を突然亡くしたアイルランドの専業主婦、ノーラ・ウェブスター、46歳。娘二人はすでに家を離れたが、息子二人はまだ手のかかる年頃だ。事務員として21年ぶりに復職したノーラは、かつての同僚の嫌がらせにもめげず、確かな仕事ぶりで足場を築いてゆく。娘たちには煙たがられ、息子たちともぶつかりがちだが、ひとが思うほど頑固で気難しいわけではない。髪を染め、組合活動に共鳴し、一大決心をしてステレオを買い、やがては歌の才能まで花開かせる。自分を立て直し、新たな生きる歓びを見出してゆくノーラの3年。丹念に描かれた日常生活の細部を辿るうち、思いがけない大きな感動が押し寄せる。アイルランドを代表する作家が母の姿を投影した自伝的長篇。
マリアが語り遺したことマリアが語り遺したこと
母マリアによるもう一つのイエス伝。カナの婚礼で、ゴルゴタの丘で、マリアは何を見たか。「聖母」ではなく人の子の「母」としてのマリアを描くブッカー賞候補となった美しく果敢な独白小説。
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