著者 : コートニー・ミラン
遥かなる夢をともに遥かなる夢をともに
巨額の遺産を相続したジェーンは、派手な装いと傍若無人な態度で社交界の噂の的になっている。彼女がそんな振る舞いをするのには、実は理由があった。病気の妹が成人するまではそばにいて、怪しげな治療を強要する後見人の叔父から守らなくてはという使命感から、結婚して家を離れることにならぬよう、わざと求婚者を遠ざけているのだ。ところがある晩餐会で、政治家を目指すオリヴァーと出逢ったジェーンは本当の自分を彼に見抜かれてしまう。クレアモント公爵の庶子である彼は、自らのつらい過去とジェーンを重ね合わせて気づいたのだ。孤独に押しつぶされそうだったジェーンは彼の存在によって救われていく。オリヴァーもまた、優しく見守るうちに彼女の素顔の魅力に心を奪われていった。そんな中、オリヴァーに悪意ある取引を持ちかける人物が現れて…。
気高き夢に抱かれて気高き夢に抱かれて
夜会の喧噪を避けて、図書室に身を潜めていた公爵ロバートは、偶然そこに飛び込んできたミニーと出逢う。彼女は口先ばかりの求婚者から逃れてきたのだった。奥ゆかしく謎めいたミニーに興味を覚えるロバート。かつてミニーはチェスの名手として名を馳せたのだが、今は身元を偽りひっそりと暮らしていた。そんな彼女に、あらぬ嫌疑がかかる。反体制的なビラを書いたというのだ。ロバートは、公爵である自分がミニーに求婚しているふりをすることで疑いの目をそらせるよう協力すると提案する。実は、ロバートこそがビラを書いた張本人だった。彼の秘密と信念を知り、その純粋さに心が揺れるミニー。ロバートもまた、自分を理解してくれる彼女に、生まれてはじめて心をゆるしていた。惹かれあう二人は、それぞれの過去と身分の差を乗り越えられるのか…?
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