著者 : ジョン・グリシャム
少年の名はマーク、11歳。その日彼は弟のリッキーをつれてタバコを吸うために森へ行き、一人の男の自殺に遭遇してしまう。自殺した男は上院議員殺害の嫌疑がかけられているマフィアの弁護士で、死のまぎわ恐るべき秘密情報をマークに打ち明けた。秘密をしゃべったら自分も殺される。たった1ドルで弁護を引き受けてくれた女弁護士レジーと共に、彼は巨大な権力に追われ始めた…。
上院議員殺害事件の真相を知ってしまったマークは、マフィアに命を狙われている。その上、事件を解決して名をあげようとする野心家の連邦検事とFBIが何とか証言させようと追及する。マークが頼れるのは、女弁護士レジーだけ。黙秘し続けることはできない。でも証人保護プログラムも当てにはならない。この窮地を脱するにはー。熱い緊迫感をもって展開する感動のサスペンス。
完璧な美貌に抜群のプロポーション、そのうえ成績はトップクラス。ニューオーリンズのテューレーン大学ロースクールで、ダービー・ショウは男子学生の憧れの的。だが、FBIさえ解決できない難事件の答えを、クールな頭脳で推理して文書にまとめたその時から、彼女の悪夢が始まったー彼女を巻き込んだ巨大な国家的陰謀とは。その「ペリカン文書」で言い当てられた衝撃の事実とは。
ニューヨーク、ワシントンDCと場所を変え、生命の危険にさらされ続けたダービーが協力を求めたのは、新聞記者のグランサム。事件の背後に潜む組織が「ペリカン文書」をもみ消そうと動くなか、証人を探しだし、情報の裏づけをとらなければ、陰謀を暴くことはできない。殺されるか、それとも巨大権力を突き崩すかーアメリカの現実をリアルに織り込んだノンストップ・サスペンス。
ハーヴァードを優秀な成績で卒業した苦学生ミッチは、メンフィスの小さな法律事務所から高額の年俸、BMWの新車つき一軒家という破格の待遇で迎えられた。この事務所、新人弁護士にも苛酷な仕事を要求するが、10年もすれば億万長者であとはバラ色の人生が待っている。彼は愛妻アビーの不平にも耳を貸さず、一日20時間働いた。だが、こんなうまい話、この世の中にあるわけない…。
ミッチが勤めるこの事務所、過去に五人の死者をだしている。一切が盗聴され、常に監視されているようだし、何者かの指令で事務所が動いているらしい。接触してきたFBIの捜査官に真相を聞かされたミッチは、事務所を操る巨悪の組織とFBIの双方の裏をかくとんでもない策を練る。タダじゃ正義に加担しない、しっかりと取るべきものはとる。
いまなお人種差別の色濃く残るアメリカ南部の街クラントン。ある日この街で、二人の白人青年が十歳の黒人少女を強姦するという事件が起きた。少女は一命をとりとめ、犯人の二人もすぐに逮補されたが、強いショックを受けた少女の父親カール・リーは、裁判所で犯人たちを射殺してしまう。若いけれど凄腕のジェイクが彼の弁護を引受けたのだが…。全米ベストセラー作家の処女長編。
カール・リーの弁護を務めるジェイクの周辺では、庭先に燃える十字架を立てられるなどのいやがらせや脅迫が相次ぐ。才気煥発な女子学生エレンと共に準備を進めるが、確信犯ともいえる犯罪で無罪を勝ち取るのは不可能に近い。公判が始まり、黒人と白人の対立が頂点に達するなか、ついに評決のときを迎えたがー。アメリカの裁判の雰囲気をリアルに伝える、第一級の法廷サスペンス。
わずか2時間の間に1人は銃弾で、1人は絞殺とその殺害方法こそちがえ2人の最高裁判事が殺された。そのあざやかな手口からプロの殺し屋の仕業にまちがいない。だれがなんのために2人を標的に選んだのか?ロースクールの美人女子大生が書いた事件の摘要書〈ペリカン文書〉が見えない敵の存在をあぶりだす。彼女に危機が迫る…。