小説むすび | 著者 : 白石朗

著者 : 白石朗

トーキョー・キルトーキョー・キル

アメリカ私立探偵作家クラブのシェイマス賞の最優秀長篇賞にノミネート。「フォーブス」誌のアジア諸国首脳の必読書に選定。「生命に危険を感じて怯えた三浦晃がわたしたちの事務所のドアを叩いた時点で、すでに死者は八人を数えていた」-サンフランシスコのジャパンタウンで起こった殺人事件を解決したジム・ブローディは、休暇を娘と過ごすために日本に戻っていた。東京のブローディ警備会社に96歳になる老人が現れ、命を狙われているので身辺警護をしてほしいという。男は旧日本陸軍の兵士で、すでに戦友二人が殺されており、その手口は中国の秘密結社のものと思われるという。一方ブローディは、高名な禅僧にして絵師である仙〓義凡の幻の逸品の行方を追っていた。捜査を進めていくうちに、一見異なるこの二つの出来事が、実は第二次世界大戦中の日中間の秘められた歴史とつながっていることが判明する…。横浜中華街、フロリダ、バルバドスと各地を縦横に駆け巡り、知られざる日中戦争の歴史の闇に迫っていく“私立探偵ジム・ブローディ”シリーズの第2弾。

アウトサイダー 上アウトサイダー 上

平穏な町フリントシティで少年の惨殺死体が発見された。だが刑事ラルフの目に、真相は明白だった。数々の目撃証言がハイスクールの教師であり少年野球のコーチであるテリーが犯人だと指し示していた。ラルフは彼が犯人と断定、野球の試合のさなか、衆人環視のもとで逮舗する。テリーは否認を続けるも、逮捕の一幕を目にした町の人々は殺人犯への怒りと憎しみを燃やし、テリーの妻と娘たちにも冷たい目が注がれはじめた。そのとき衝撃的な事実がもたらされる。事件があった夜、テリーは同僚の教師たちと遠い町での講演会に出席しており、それを裏づける動画も発見されたのだ。一人の人間が二つの場所に同時に存在した?そんなことはありえない。だが、テリーがあんな残虐な事件を起こすだろうか?とまどうラルフ刑事をよそに、町民はテリーを町の歴史はじまって以来の異常殺人犯とみなし、新たなる悲劇へのカウントダウンがー。恐るべき緊迫感がページを繰るたび高まってゆく。矛盾する証拠が心優しい教師テリーを追いこんでゆく。読む者の心を不安と恐怖で締めつける前半。この不可能犯罪の背後に何が隠れているのか?恐怖の帝王が容赦ないスピード感で物語を臨界点に向けて疾走させてゆく!

アウトサイダー 下アウトサイダー 下

裁判所の悲劇で惨殺事件は幕を閉じた。しかしラルフの気持ちは晴れない。あの日にテリーが遠い町にいたことは証拠が示していた。ならば犯行当夜にテリーを見たという証言は何だったのか。血まみれの服で目撃者と言葉を交わしたのはテリーではなかったというのか?ラルフは別の署の刑事ユネルと探偵のホリーの手を借りて、密かに再調査を開始する。新たな証拠、新たな証言が、新たな不可解をつぎつぎにラルフに突きつける。そしてついに、彼らは同じような事件が過去に複数起きていたことを突き止める。同様の惨殺事件。無数の証拠が指し示す「犯人」。しかし逮捕された容疑者は犯行を否認する…。テリーだけではなかったのか。テリーの幼い娘の前にあらわれた「目の代わりに藁がついている男」は現実のものなのか?ユネルが言う、メキシコの伝承に「エル・クーコ」というのがいる、それは黒い袋を持った黒い男、子供を犠牲にする悪鬼ーついに恐怖があふれだす。アウトサイダー。エル・クーコ。そいつはまた子供を殺すだろう。その正体を知るのはラルフたちしかいない。読む者の心を苛む恐怖と、それに戦いを挑む勇気。『呪われた町』『IT』などの初期に回帰したかのごとく巨匠がフルスロットルで描き出すノンストップ・モダン・ホラーの登場。

ジャパンタウンジャパンタウン

サンフランシスコで古美術商と私立探偵を営むジム・ブローディのもとに、市警の友人から一本の電話が入る。ジャパンタウンというショッピングモールで日本人一家五人が惨殺される事件が起き、日本で生まれ育ち、日本の事情に詳しいブローディに助言を求めたのだ。現場には、謎の漢字一文字が記された血まみれの紙片が残されていた。その漢字は、四年前妻が住宅火災で亡くなった現場にあったものと同じだった。今回の事件は妻の死と関係があるのだろうか?漢字の謎を追っていくうちに、娘が事件に巻き込まれてしまう。愛する娘を救うべく、ブローディは強大な日本の秘密組織に立ち向かっていくが、そこには驚愕の真相がー。全米大絶賛のハードボイルド・シリーズ第一弾!バリー賞(ミステリを対象とするアメリカの権威ある賞)最優秀新人賞受賞。2013年度最優秀デビュー作品のひとつに選出(サスペンスマガジン誌)。2013年度最優秀デビュー作(アメリカのミステリ評論家オライン・コグディルによる)

任務の終わり 上任務の終わり 上

相棒のホリーとともに探偵社を営むホッジズのもとに現役時代にコンビを組んでいたハントリー刑事から現場にきてほしいと連絡が入った。事件は無理心中。6年前に起きた暴走車による大量殺傷事件で重篤な後遺症を負った娘を、母親が殺害後に自殺したものとみられた。だがホッジズとホリーは現場に違和感を感じ、少し前にも6年前の事件の生存者が心中していたことを突き止める。これは単なる偶然なのか?一方、6年前の事件の犯人、ブレイディは脳神経科クリニックに入院していた。大規模な爆破事件を起こそうとして直前で阻止されたブレイディは、その際に脳に重傷を負い、後遺症で意思疎通も困難な状態にあった。だが、その周囲で怪事が頻々と発生する。看護師、師長、主治医…彼らに何が起きているのか?エドガー賞受賞の傑作『ミスター・メルセデス』でホッジズと死闘を演じた“メルセデス・キラー”が静かに動き出す。恐怖の帝王がミステリーに挑んだ三部作完結編、得体の知れぬ悪意が不気味な胎動をはじめる前半戦がここに開始される!

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