著者 : スティーヴン・クーンツ
提督はぴたりと足を止め、まじまじとジェイクを見つめた。口元にゆっくりと笑みが刻まれた。「わたしが思っていたとおりだ。きみはこの仕事に、まさにうってつけの人物だよ」米ソの軍拡競争を一挙に無意味にする新型ステルス=A-12開発にのびる、見えざる敵の触手に大佐グラフトンは敢然と立向かった。
Gが増加するにつれ、ふたたび両翼が揺れはじめた。トードは警告を発しようとしたが、すでに手遅れだった。右翼がぐいと沈み、機がふたたび180度横転する。「スピンだ」彼は声をしぼりだしたー。『デビル500応答せず』の著者が贈る航空小説の傑作長編。謎の組織ミノタウロスの正体とはー何か。
最新鋭の米原子力空母ユナイテッド・ステーツの巡航は、もう100日を越え、航空団司令グラフトン大佐は乗員の士気を保とうと心を砕いていた。しかし搭載機の原因不明の墜落事故が続き、自身も視力低下のため、この航海での搭乗が最後になるかもしれなかった。艦に接近した小型船を偵察していたグラフトンは、突然対空砲火を浴びた。-元艦載機パイロットが書いた迫真の航空冒険小説。
狂信者エル・ハキムはアラブ統一を夢見ていた。そのための、米空母を乗っ取る大胆不敵な計画は、周到なクァズィ大佐の手で着々と進められた。ナポリ入港中のユナイテッド・ステーツは、目的も正体も明かさず忍び寄る侵入者たちの前に、全く無防備だった。そして突然、格納庫の側で火の手が上がったー。吹き荒れる暴風雨の下、航空団司令グラフトン大佐は最後の出撃に飛び立った。
右舷艦首でカタパルトが噴射し、A-6Aイントルーダー攻撃機は飛行甲板を加速しはじめた。耳を聾する轟音が空母を揺さぶり、夜の海にこだまする。翼が夜気を打ち、機体は漆黒の闇めがけて飛び出していった。-第7艦隊現役パイロットだった著者がベトナム戦争の真実を赤裸々に綴り、闘うことをやめない男たちに捧げる感動の叙事詩。
軍隊は選ばれた政府の役人である民間人に従ってきた。そうした民間人は必ずしも賢くも正しくもなく、時には必要な力量さえ備えていなかった。しかしその命令に従わねばならないのだ…パイロット・ジェイクは口をとざしたまま、ふたたび死が待ちうける敵地上空に飛び立つ。-闘う男の魂を描いて全米を揺るがした話題作、堂々の初訳。