著者 : ステファニー・ハワード
半年だけ花嫁半年だけ花嫁
オリビアの亡き父が創業した会社が、大企業に買収された。父が何より大切にし、将来は弟が継ぐはずだったのに…。オリビアはいてもたってもいられず、先方の社長に会いに行く。マシューは背が高く、はしばみ色の瞳が魅力的な男性だった。「喜んで会社を君に返そうーただし」彼は条件を出した。半年だけ彼の妻になってくれるなら、というのだ。結婚すれば会社は夫婦のものになるから、と。弟を思い、彼女は承諾した。ただし、とこちらも条件をつけて。「結婚しても、決してあなたとベッドはともにしないわ」
胸に秘めた愛胸に秘めた愛
シオーナは不安げな面持ちで、義兄ジェイクの前に座った。16歳のときに母が再婚してから、憧れ続けた義兄だったが、その蜜月は、もう一人の義兄の死で終わってしまった。弟を誘惑し、シオーナが破滅へ導いたと信じ込んだジェイクに、誤解と嘘でねじ曲げられた真実は、決して届かないー蔑みに歪んだ瞳で、苦々しげにジェイクは切り出した。「誘惑する小悪魔め。だが、それも終わりだ。僕は結婚する」とりつく島もない突然の縁談に、シオーナは一瞬息をのみ…捨てきれないジェイクへの想いが砕け散るのをただ感じていた。
あなたに言えたらあなたに言えたら
ローラにはつらい恋の過去があった。婚約者ファルコとの仲を彼の父親の策略によって裂かれたのだ。多額の慰謝料をローラに渡したように見せかけた父親の嘘ーファルコはそれを見抜けず、誤解したまま彼女と別れてしまった。その後、ローラはお腹に宿ったファルコの娘ベルを育てながら彼を忘れようと仕事に打ち込んできた。だが、別荘の改装を依頼され、イタリアのアルバ島を訪れたとき、ローラの3年間にわたる平穏な日々は終わりを告げた。依頼主がファルコだとわかっていたら、ここへは来なかった。なぜ私をここへ呼び寄せたの?まさかベルのことを知って…。
PREV1NEXT