著者 : ダニロ・キシュ
ボリス・ダヴィドヴィチのための墓ボリス・ダヴィドヴィチのための墓
ユーゴスラヴィアの作家ダニロ・キシュの代表作。 ボルヘスの『汚辱の世界史』への「対本」としてーーオマージュとして、かつアンチテーゼとしてーー構想された7つの連作短編集。 スターリン時代の粛清に取材しながら、全体主義社会での個人の苦闘を描く。 ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 紫檀柄のナイフ 仔をむさぼり食らう雌豚 機械仕掛けのライオン めぐる魔術のカード ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 犬と書物 A・A・ダルモラトフ小伝(一八九二ー一九六八) 訳者あとがき
死者の百科事典死者の百科事典
無名の市井人の生涯だけを集めた書「死者の百科事典」の物語、ボルヘスの影響を感じさせる「魔術師シモン」、港町で死んだ娼婦のために船員たちが町じゅうの花を略奪し、その墓を埋め尽くす話「死後の栄誉」、エーコの『プラハの墓地』で描かれた史上最悪の偽書「シオン賢者の議定書」成立の過程を綴った「王と愚者の書」など、文学的で知的で詩的な短篇集。
若き日の哀しみ若き日の哀しみ
第二次世界大戦中に少年時代を送った旧ユーゴスラビアの作家ダニロ・キシュ。ユダヤ人であった父親は強制収容所に送られ、帰らぬ人となった。この限りなく美しい自伝的連作短編集は、悲劇をアイロニーと叙情の力で優しく包み込む。犬とこの上なく悲しい別れをする少年アンディはあなた自身でもあるのです。
庭、灰/見えない都市庭、灰/見えない都市
『庭、灰』-少年に多くの謎を残し、アウシュヴィッツで消息を絶った父。甘やかな幼年時代が戦争によってもぎとられ、逃避行を余儀なくされる一家の悲劇を、抒情とアイロニーに満ちた筆致で描く自伝的長篇。初邦訳。『見えない都市』-ヴェネツィア生まれのマルコ・ポーロが皇帝フビライ汗に報告する諸都市の情景。女性の名を有する55の都市を、記憶、欲望、精緻、眼差というテーマで分類し、見えない秩序を探る驚異の物語。
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