著者 : ダニロ・キシュ
死者の百科事典死者の百科事典
旅先で訪れた図書館で、世界中の無名の死者の生涯だけを記録した書物に出会い、父親の項を読みふけるという表題作をはじめ、音楽的手法、絵画的手法、映画的手法と、自在に変化するスタイルで描かれた死と愛をテーマとする、幻想的で美しい、しかも皮肉な味わいをもそなえた九つの物語。アンドリッチ賞受賞作。
若き日の哀しみ若き日の哀しみ
第二次世界大戦中に少年時代を送った旧ユーゴスラビアの作家ダニロ・キシュ。ユダヤ人であった父親は強制収容所に送られ、帰らぬ人となった。この限りなく美しい自伝的連作短編集は、悲劇をアイロニーと叙情の力で優しく包み込む。犬とこの上なく悲しい別れをする少年アンディはあなた自身でもあるのです。
庭、灰/見えない都市庭、灰/見えない都市
『庭、灰』-少年に多くの謎を残し、アウシュヴィッツで消息を絶った父。甘やかな幼年時代が戦争によってもぎとられ、逃避行を余儀なくされる一家の悲劇を、抒情とアイロニーに満ちた筆致で描く自伝的長篇。初邦訳。『見えない都市』-ヴェネツィア生まれのマルコ・ポーロが皇帝フビライ汗に報告する諸都市の情景。女性の名を有する55の都市を、記憶、欲望、精緻、眼差というテーマで分類し、見えない秩序を探る驚異の物語。
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