小説むすび | 著者 : デボラ・シモンズ

著者 : デボラ・シモンズ

尼僧院から来た花嫁尼僧院から来た花嫁

黒い僧衣に白いベールを纏った乙女。 これが、我が妻となる娘か! 孤児のジリアンは無慈悲な伯父によって尼僧院に入れられた。 なじめないながらも、そこでの暮らしに慣れた頃、 彼女のもとを、ニコラス・ド・レーシと名乗る美男が訪ねてきた。 ド・レーシ家といえば、国じゅうに聞こえた大金持ちだけれど、 そんな人が、尼僧見習いの私にどんな用が? 「私たちは結婚するのだ。そなたに選択の余地はない」 聞けば、ジリアンの伯父が死に、国王の命により、 伯父の領地と隣のニコラスの領地を一つにするため結婚せよというのだ。 美しいけれど冷酷無情な彼の瞳には、なぜか蔑みの炎が揺れていた。 日が暮れ、ジリアンはそっと逃げ出そうと窓から飛び降りるがーー その姿を上階から見ていたのは、なんと……ニコラスだった! かつて深手を負ったニコラスはジリアンの伯父に見殺しにされた恨みがあり、もうこの世にいないその宿敵の血を引く彼女を妻にして、酷い扱いをしてやろうと考えます。そして夫婦の契りも結ばず、奥方としての役割も禁じますが、それで弱るジリアンではなく……。

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