著者 : ニコール・クラウス
フォレスト・ダークフォレスト・ダーク
見失った自分と向き合い 変容を遂げる再生の物語 ニューヨークで暮らす作家のニコールは、仕事も家庭生活もスランプに陥っている。閉塞感のなか、現実だと思っているいまの暮らしは夢なのではないかと思いつめ、かつて現実と非現実が交錯する経験をしたテルアビブのホテルに飛ぶ。ひょんなことから”イスラエルでのカフカの第二の人生”にまつわる仕事を依頼され、夢と現実が交錯する体験をすることに。一方、同じくニューヨークで弁護士として成功してきたエプスティーンは、高齢の両親を相次いで亡くしたことから、盤石なはずの人生にふと疑問を感じるようになる。仕事にも趣味にも精力を注ぎ人生を謳歌するうちに、なにか大事なものを見落としてきたのではないか? 彼はすべてを捨て、生まれ故郷テルアビブへと旅立つ。 自分探しなど、若者の専売特許と言うなかれ。長く生きてきた大人だからこそ、人生の分かれ道で選択を重ねていくうちに、自分自身を見失ってしまうこともある。本書後半、それぞれの自身と向き合う荘厳な砂漠の場面は、何かが昇華されるような爽快感がある。喪失と変容をめぐる瞑想を、深い洞察と挑戦的構成で描く大人の自分探し。柴田元幸氏推薦!
ヒストリー・オブ・ラヴヒストリー・オブ・ラヴ
ナチスに蹂躙されたポーランドを離れ、ニューヨークでひっそりと暮らすレオは80歳。だが、彼が60年前に書いた小説も人知れず海を渡って生き延び、幾多の人生を塗り替えていた。その小説の登場人物に因んで名づけられたアルマは14歳。夢見がちな彼女は、母に宛てられた手紙を覗き、小説に登場するアルマはいまなお存在すると信じ込む。自分の名の由来を突き止め、母や弟を救うための冒険は、彼女をどこに導くのかー。
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