著者 : ノーラ・ロバーツ
才能あふれる写真家ジョーの元へ、彼女の目をアップにした写真が次々に送り付けられる。差出人は不明。さらに若い女性のヌード写真が届くと、それは20年前に失踪した彼女の母親の死体を写したものだった。恐怖に震えるジョーは、不気味な相手から逃れるため、そして真実を探るために、故郷のロスト・ディザイア島へ向かう。美しいその島でジョーの家族はリゾート・インを経営していた。だが、母が去ってから互いに心を閉ざしたままの父や兄妹は、彼女を温かく迎えてはくれなかった…。ノンストップのラヴ・サスペンス!
同じ頃、ニューヨークからネイサンという建築家がロスト・ディザイアにやってきた。子供の頃にここで休暇を過ごしたことのある彼は、ジョーたち兄妹と20年ぶりの再会を果たす。やがてジョーとネイサンは愛し合うようになるが、彼の抱える過去の亡霊がそれを阻んでいた。一方、島に住む女性が行方不明になり、コテージの宿泊客が殺されるという事件が相次いで起こる。ジョーの身にも危険が迫りつつあった…。アメリカ南部、ジョージア州沿岸の楽園の小島を舞台に、ロマンスとミステリーを巧みに織り合わせた会心作!
イオナはこれまでの人生を全て整理して、生地アメリカから自らのルーツを求めアイルランド西部へ向かった。目指すは彼女の一族が昔から暮らす大きな森が間近に控える地。到着するとすぐさま彼女は親戚が森の中で営む“ダーク・ウィッチ”を訪ねる。出迎えた親戚二人は彼女を歓待したうえに就職先まで面倒をみてくれた。乗馬クラブで仕事を始めたイオナはそこでオーナーのボイルの姿を目にして激しく心をときめかせる…。緑豊かな大自然を舞台に繰り広げられる恋と魔術の三部作が幕を開ける。
メリーランド州の田舎町で、宅地開発中に新石器時代の人骨と集落の跡が見つかった。この貴重な発見の発掘プロジェクト・リーダーとして、考古学者のコーリーが呼び寄せられる。彼女は張り切って仕事に取りかかるものの、共同リーダーとして人類学者のジェイクも参加すると聞いて眉をひそめた。彼は元夫で、気まずく別れたばかりだ。一方、発掘のニュースをテレビで観て仰天する女性がいた。画面に映るコーリーこそ、赤ん坊のときに誘拐された自分の娘に違いない。それは揺るぎない母親の確信だった。
見知らぬ女性から、あなたは誘拐されたわたしの娘だと言われたコーリーは、自分が実は養子だったことを知る。かつては夫婦であり、いままた男と女として向き合うコーリーとジェイクは、協力してこの件の調査を始めるが、どうやら養子斡旋にからんで子供が闇取引されていた可能性が出てきた。そして時を同じくして、二人の周囲には不穏な事態が相次いで発生、ついには殺人事件すら起こる。発掘への嫌がらせなのか、それとも…。ロマンス、サスペンスそして家族の情愛を鮮やかに描いた長編。
ニューヨークで商業デザイナーとして活躍するシャノンは、死の床にある母から衝撃の事実を告げられたー彼女の本当の父親は妻子あるアイルランド人だったと。混乱した気持ちのまま母の葬儀を終えたシャノンのもとに、ブリアンナというアイルランドの“姉妹”から、家に招待したいという手紙が届く。休暇を取って訪れた異国は故郷のように彼女を迎えてくれた。またマーフィーという若き農場主との出会いが、シャノンの人生を変えることに…。運命に導かれた三姉妹の物語、感動の完結編。
燃えるような赤い髪と意志の強さを持ったマギーは、アイルランドのクレア県に工房を構えるガラス工芸家。ひたすら情熱の赴くままに制作を続ける彼女の家を、ある日ダブリンに本拠を置く国際的な画廊のオーナーであるローガンが訪ねてくる。彼はマギーの作品の独占販売権を申し出た。強引なやり方に最初彼女は反発するが、ローガンの提示した条件に心動かされ、これまで無縁だった華やかな世界に足を踏み入れてゆく…。個性の異なる姉妹の波瀾に満ちた生き方と愛憎を描いた三部作の幕開き。
運命の糸をつむぎ、測り、断ち切るー。ギリシャ神話の運命の三女神をかたどった像のひとつ、女神クロトの像は、ながらくアイルランドの海辺の町コーヴにあるサリヴァン家の家宝だったが、サリヴァン家の長男マラキはその像を悪徳美術商アニタに騙し取られてしまう。その奪還とあわせて、残るふたつの女神像の行方を探るべく、サリヴァン家のマラキ、ギデオンの兄弟はヘルシンキ、プラハ、そしてニューヨークへと赴くが…。巨匠ノーラ・ロバーツの華麗なるロマンティックサスペンス最新作。
運命の三女神クロト、ラケシス、アトロポスをかたどった三体の像の追跡劇のなかで、奇怪な事件が続発する。ヘルシンキでマラキと会った百年前のクロト像の持ち主の子孫ティアの部屋が荒らされる。残る女神像の一つラケシスを所有するクレアは、サリヴァン家のギデオンとともに、ニューヨークで二人を狙ったと思われる殺人事件に遭遇。事件の黒幕は三女神像の独占を狙うアニタなのか?三つの像の行方は、そしてその像に導かれたかのように展開するサリヴァン家三兄妹のロマンスの結末は。
古城で待つ赤い髪の女の夢に招き寄せられるように、カメラマンのケイランはアイルランドを訪れ、ブライナと名乗る若い女と出会う。ケイランを長いあいだ待っていたという彼女は、不思議な魔力を操ってみせる。ブライナは魔女の末裔で、かつて邪悪な魔法使いに破れて愛する戦士ケイランを死なせてしまい、再び彼と結ばれるまで千年の時が必要だったと語る。だが、生まれ変わった恋人との愛を成就させたいと願うブライナの前にかつての敵が…。愛と魔法の三部作「リトルマジック」第三弾。
観光でアイルランドを訪れたケイリーンはドライブ中に森に迷いこみ、誰かの呼びかける声を聞いたと思った直後、車を木に激突させた。嵐のなか、とある館にたどりついた彼女は、フリンと名乗る男と出会う。彼は魔法使いで、五百年の眠りについていたころからケイリーンを「運命の女」として夢に見ていたと語る。実際的な性格で、ロマンティックな恋愛とは無縁だと思っていた彼女も思わず心をときめかすが…。ノーラ・ロバーツが、神秘の国アイルランドを舞台に描くリトルマジック第二弾。
アイルランドの海岸通りにたたずむ小さな店で、アリーナは「世界に一つしかない」と勧められ、古いペンダントを買った。だがその間に彼女は助手を務めるツアーの船に置いていかれてしまう。嵐の中、ボートを雇って追いかけた彼女は見知らぬ島にたどり着く。島にある古代遺跡で行き倒れたアリーナは、貴族的な風貌の男性コナルに助けられたが…。アリーナとコナルは、二人の出会いを予言するような伝説に激しく動揺する。われらがノーラが、愛の神秘を描く「リトルマジック」シリーズ第一弾。
メイン州の名家ジョーンズ家の娘ミランダは、一族の運営する美術史研究所で鑑定作業に従事している。彼女の元に、フィレンツェでやはり美術品鑑定の事業を手がけている母親のエリザベスから至急の呼び出しがかかった。ミランダを待っていたのは最近発見されたブロンズ像で、ロレンツォ・デ・メディチの愛人として“黒婦人ーダークレディ”と称されたその女性の像を、ミランダはミケランジェロの未発見の作品と鑑定する。だが国立研究所が像は贋作と発表したため、彼女は面目を失ってしまう。
フィレンツェから戻って傷心の日々を送るミランダに、今度は美術史研究所所蔵のダヴィデ像が盗まれたという知らせが追い討ちをかけた。ダヴィンチの弟子の作とされるそのブロンズ像を盗んだのは、表向きは画廊のオーナーだが、実は美術品を専門とする泥棒で、野性的な魅力を持つイタリア人のライアンだった。ところがそのダヴィデ像も贋作であることがわかり、結局ミランダとライアンは、複雑な感情を胸に協力して二つの贋作事件に当たることになるが…。待望のロマンティックミステリー。
ヨーロッパに渡って画家として成功したセスは、数年ぶりに懐かしいセントクリストファーの町に帰ってきた。帰ってくるについては深刻な理由があったが、それは愛する家族にも言えないものだった。彼は町にできた花屋で店主のドルーと知り合い、その魅力に惹かれる。彼女はワシントンの上流社会に育ったが、婚約者の裏切りに遭って傷ついた女性だった。セスは彼女の絵を描きたいと思い、男性に警戒心をいだくドルーに積極的な誘いをかける…。成長したセスの物語、読者の要望に応えて刊行。
鋼の意志と実力で、67歳の現在までハリウッドの女王の座に君臨してきた女優、イヴ。デビューから50年の時を経て、彼女は自らの半生を綴る自伝の出版を決めた。これまで私生活について堅く口を閉ざしてきたイヴのすべてが明かされることもあり、自伝の出版には世界中から大きな期待が寄せられるが、一部の業界人たちは「恥ずべき過去の秘密」が暴露されることをおそれ、怒りと苛立ちをつのらせていた。たび重なる陰湿な脅迫行為をものともせず、イヴはその驚くべき半生を語りつづけるが…。
ハリウッドの伝説的女優、イヴ・ベネディクトの公式版自伝の執筆者に選ばれた作家、ジュリア。シングルマザーとして独力で一人息子を育てる彼女は、女優として、女として誇り高く生きてきたイヴに魅せられてゆく。また、日増しにエスカレートする脅迫行為に怯える彼女を支えるイヴの義理の息子、ポールにも惹かれていた。イヴとの友情、ポールとの愛情をはぐくみながら、ジュリアは着実に原稿を書き進めるーまもなくイヴから告げられる衝撃の事実に、激しく動揺することになるとも知らずに。
伝説の魔女ファイヤーの血を引くミアは、かつて恋人のサムを深く愛していた。しかしサムはある日突然、一方的にミアを捨てて島を出ていった。心に深い傷を負いながらも、強く生きる道を選んだミア。そんな彼女のもとに、長い年月を経て、サムが舞い戻ってくる。今も胸に熱い思いを秘めているミアは、ふたたび彼の愛を受け入れるべきか、あるいは彼を拒むべきか、選択を迫られる。その選択によって、この島の運命も決まる。伝説の謎がいよいよ解き明かされる“魔女の島トリロジー”完結編。