著者 : パヴェーゼ
月と篝火月と篝火
イタリアの寒村に育った私生児のぼくは、人生の紆余曲折を経て、故郷の丘へ帰ってきたー。戦争の惨禍、ファシズムとレジスタンス、死んでいった人々、生き残った貧しい者たち。そこに繰り広げられる惨劇と痛ましくも美しい現実を描く、パヴェーゼの最高傑作。
祭の夜祭の夜
裏切りと復讐、自殺と自由、不条理な争い、暴力、弾圧ー。均斉のとれた構造のうちに複雑な内容が秘められた、パヴェーゼ文学の原質をなす“詩物語”全10篇。当時エイナウディ社で働いていたカルヴィーノが遺稿から編み上げた生前未発表の短篇集で、いずれの作品も詩的想像力に満ち溢れ、完成度がきわめて高い。1953年刊。
流刑流刑
反ファシズム活動の理由で逮捕されたパヴェーゼ(一九〇八ー五〇)が南イタリアの僻村に流刑されたときの体験を色濃く映した自伝的小説。背後は峨々たる山々、眼前は渺々たるイオニア海。村人たちとの穏やかな交流の日々を背景に、流刑囚の孤独な暗い心の裡を描き出す。
PREV1NEXT