小説むすび | 著者 : フィオナ・マッカーサー

著者 : フィオナ・マッカーサー

イタリア富豪と恋の忘れ物イタリア富豪と恋の忘れ物

身を固めるからと、彼は私を捨てた。 小さな命が宿っているとも知らず。 「ぼくはイタリアに帰って、別の女性と結婚する」 ライモンドの通告に、フェイスは立ち直れないほどのショックを受けた。 彼女はまだ世間知らずの若き助産師、彼は経験豊富な大人の医師だった。 ほんの短いあいだの恋だったけれど、身も心も捧げたのに。 6年後、フェイスのもとに、なんの予告もなくライモンドが姿を現した。 妊娠を、そして出産を手紙で知らせても梨のつぶてだったのに、なぜ? 彼の変わらぬ美貌に胸をときめかせる一方、フェイスは恐怖を覚えた。 まさか、今になって娘の親権を要求しに来たとか……。 するとライモンドが言った。「きみに子供がいると聞いたんだ」 フェイスは凍りついた。“聞いた”って、いったいどういうこと? 2度も送ったはずの大事な手紙が、ライモンドのもとに届いていなかったことがわかり、動揺を隠せないフェイス。たとえ手紙が届いていたとしても、ライモンドが別の誰かと結婚してしまったことに変わりはないと思い直しますが、実は彼はすでに離婚していて……。

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