著者 : フィリップ・マカッチャン
ドイツの誇る無敵戦艦が二隻の巡洋艦を従えて出撃したーこの情報は英国海軍を震撼させた。折りしもカナダからは、大船団が英国を目指している。また、米兵二個師団を乗せた二隻の豪華客船も洋上にあった。出撃がこのいずれかを狙ったものであることは明白。強敵を捕捉すべく、英国海軍は全艦船に出動を命令。やがてキャメロン指揮する駆逐艦のレーダーに三つの影が浮かび上がった。巨艦との死闘を描くシリーズの白眉。
精強な独Uボート群が跳梁する大西洋を進む英国輸送船団。その司令官を務めるケンプ准将は極秘電を受領した。折しもチャーチル首相がローズベルト大統領との会談のため近くを航行中。それを察知した独海軍が強力な水上部隊を投入したというのだ。英国海軍は敵を阻止すべく船団の護衛艦隊を急派、ケンプらは無防備なままUボート群のただ中に。英国を救った「大西洋の戦い」における語られざる英雄たちの姿を描く海洋小説。
女王陛下の勅書送達吏スタンレーがスペインで危機に陥った。好ましからざる人物として警察から手配されたのだ。救出の命を受けたハーフハイドは現地に潜入。だがスタンレーとの接触には成功したものの、謎の一味に捕らえられてしまった。しかもスタンレーの口から明かされたのはビクトリア女王の暗殺計画。はたしてハーフハイドはこの情報を本国に伝え、陰謀を阻止できるのか。行く手にはスペイン艦隊が立ち塞がる…。
老朽駆逐艦パラタインを指揮するキャメロンに与えられた任務は、無謀とも思えるものだった。同型艦二隻とともにドイツ占領下のブレスト港に突入し、建設中のUボート基地を破壊せよというのだ。基地が完成の暁には、連合軍の海上補給路は常時その脅威にさらされる。海兵隊の奇襲部隊を分乗させた三隻は、夜陰に乗じて港内に突入を敢行。だが敵の反撃は熾烈をきわめ、先任指揮官は戦死、作戦の成否はキャメロンの双肩に。
中立国スペインのカディス港に停泊するドイツ商船カイザーホフ。その正体は、50隻の小型潜水艇を収容する潜水母艦だった。もしこれが出撃すれば連合軍にとって大きな脅威。キャメロン少佐は海軍情報部より同船奪取の命を受けてスペインに潜入する。だがそこで待ち受けているのは、敵味方さえ定かならぬ諜報戦。しかも折悪しくカディス沖には米海軍機動部隊が接近中だった。はたしてキャメロンの奪取作戦は間に合うか?
英国地中海艦隊の本拠地マルタ島へ赴いたハーフハイドを、またもや過酷な任務が待ち受けていた。初の指揮艦を操り、ロシア海軍によって黒海へ連れさられた英国商船を奪回せよというのだ。ハーフハイドは黒海への入口を守るトルコ軍要塞からの激しい砲撃にさらされながらも侵入に成功する。だが、そこには彼に積年の恨みを抱くゴルジンスキー大公と彼の率いる強大なロシア艦隊が待ち構えていた。海洋冒険シリーズ第4巻。
上陸部隊を従えた日本の巡洋艦戦隊が、南大西洋の英領フォークランド諸島に向かった。同島を占領し、英国の補給線を脅かすのが目的だ。英国海軍は南米南端のビーグル海峡で日本艦隊を迎え撃つべく、キャメロン少佐指揮するコルベット艦ブライアを派遣する。初の指揮艦を得たキャメロンだが、たかだか千トンの小艦に対して日本艦隊はあまりに強大。海峡の狭隘部を爆破して敵を阻止せんとする捨て身の攻撃は成功するのか?
砂漠の戦争に終止符を打つべく、連合軍は北アフリカで上陸作戦を開始した。激戦が続くなか、キャメロン大尉の乗るコルベット艦オレアンダーは、密命を帯びてアルジェリア北部のさびれた港町へ向かう。そこではドイツ軍が細菌兵器を用いた反撃の準備を進めていた。連合軍将兵を大量殺戮から救うには、これを破壊しなければならない。キャメロンはわずかな部下を率いて、敵基地への夜襲を決行するが…。シリーズ第7巻。
海底火山の爆発によって誕生した新島を、英国の領土にせよー海軍省の密命を受けたハーフハイド大尉は、帆船時代の遺物ともいえる老朽艦ヴァイスロイ号の副長として、フィリピン近海へと赴く。だが島は、すでにロシア海軍の誇る新鋭巡洋艦の戦隊に占領されていた。しかも戦隊司令官は、彼に敵意を抱くゴルジンスキー大公。ハーフハイドは大公の狡猾な罠に落ちて捕えられ、絞首刑を宣告された。海洋冒険シリーズ第2巻。
地中海最大の激戦地マルタ島。独伊軍の猛爆撃の前に全滅寸前となった英国海軍の同島守備隊を救うべく、英国政府は輸送船団を派遣した。その護送部隊の一翼を担って、キャメロンの乗る駆逐艦も出撃する。だが、行く手には独空軍の誇る急降下爆撃機隊の執拗な攻撃と、狂暴なEボート戦隊、さらには恐怖の機雷原が待ち受けていた。絶望的な状況下で、キャメロンは被雷した油槽船の指揮を命じられるが…。シリーズ第6弾。
軍需物資を満載してソ連に向かう輸送船団の護衛作戦ーそれは北極圏の想像を絶する寒さと暴風雨にさらされる、英国海軍最悪の任務だった。しかもキャメロン大尉の乗るフリゲート艦スプリンターには、さらに困難な任務が課せられていた。独ソ戦の勝敗を左右する重要人物2名を、ムルマンスクへ極秘裡に護送せよというのだ。だがバレンツ海では、強力なドイツ艦隊が満身創痍の輸送船団を待ち受けていた。シリーズ第5巻。
開戦から二年、ドイツの通商破壊作戦はイギリスに深刻な物資の欠乏をもたらしていた。ここ南大西洋でも二隻の武装商船が猛威をふるい、貴重な積荷を載せて英国本国へ向かう輸送船がつぎつぎと海の藻屑にされていた。この兇暴な敵を捕捉・撃沈すべく、全速で南下する巡洋艦船ノヘサンバーランド。その艦上には大尉に昇進したキャメロンの姿もあった。だが同艦の行動を探知したドイツ海軍は、はるかに強力な新鋭重巡洋艦を投入して追跡作戦を開始する……。祖国の命運と自己の誇りを賭けて、いま海の男たちが激突する。海洋冒険シリーズ第4巻。
1891年2月、英国海軍大尉セントビンセント・ハーフハイドは海軍省に呼び出され、極秘任務を命じられた。西アフリカのベニン湾沿岸にロシア海軍が要塞を築き、英国の交易路を脅かしているとの情報が入った。そこで現地へ潜入し、情勢を探れというのだ。かつて艦長と諍いを起こし、休職の身となった彼としては、この危険な任務を引き受けざるをえなかった。巡洋艦に乗りハーフハイドはベニン湾へ向かう。だが行く手に待つのは、因縁浅からぬロシアの提督と彼の強力な戦隊だった。激動の時代を奔放に生きる海の男の活躍を描く新海洋冒険シリーズ。
白波を蹴立て、キャメロン中尉の乗る外洋臨検船キャッスル・ベイ号は、ノルウェーの北部に向かっていた。フィヨルドの奥深くに造られたドイツ軍の秘密基地ーそれを破壊する奇襲部隊を運び、秘かに上陸させることが与えられた任務だった。それは困難な命がけの任務といえた。フィヨルドは狭く曲がりくねり、断崖に囲まれて密易には進入できない。基地には厳重な警戒網が張りめぐらされている。しかも、キャメロンらを狙って、ドイツの巨艦が迫ってきたのだ!苛酷な戦場で、海の男の意地が、闘志が燃え上がる!迫力溢れるシリーズ第3巻。
1941年、ドイツ軍の猛攻に抗しきれず、連合軍はギリシアから撤退し、クレタ島へ渡った。だが、ドイツ軍の攻撃は執拗に続き、同島は戦乱の炎に包まれる。折りしも、中尉に昇進したキャメロンは、英国駆逐艦フォーフデール号に乗り、クレタ島へ向かっていた。やがて彼は、パルチザンの大物を島から救い出す任務を受ける。その男は、戦争の行方を左右する情報を持っているという。重大な使命を達成すべく、キャメロンは数名の部下を引き連れ、決死の覚悟で島へ潜入するが…。第二次大戦を舞台に、海の男の勇壮な戦いを描く好調シリーズ第2巻。