著者 : ヘルマン・ヘッセ
荒野のおおかみ荒野のおおかみ
物質の過剰に陶酔している現代社会で、それと同調して市民的に生きることのできない放浪者ハリー・ハラーを“荒野のおおかみ”に擬し、自己の内部と、自己と世界との間の二重の分裂に苦悩するアウトサイダーの魂の苦しみを描く。本書は、同時に機械文明の発達に幻惑されて無反省に惰性的に生きている同時代に対する痛烈な文明批判を試みた、詩人五十歳の記念的作品である。
漂泊の魂漂泊の魂
珠玉のようなという言葉はまさにこの小説のためにあるのであろう。初恋に破れて生涯を漂泊の旅にさすらい、いまクヌルプは病み衰えた身を故郷へ運んできた。孤独の自由を守り、ついに白雪の野に倒れながらも神との問答を重ねるクヌルプに、やがて運命との大いなる和解の時が訪れる。詩人ヘッセの孤高な魂の結晶。
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