小説むすび | 著者 : ヘレン・ディクソン

著者 : ヘレン・ディクソン

放蕩富豪と醜いあひるの子放蕩富豪と醜いあひるの子

稀代の放蕩富豪が求婚したのは、 父にさえ愛されない醜いあひるの子。 母を亡くし、父から“返品されたもの”のように扱われるアデリーン。 きっと、私には母のような美しさが欠けているからだわ……。 そんな彼女には、父に決められた20歳も年上の婚約者がいた。 さるレディの屋敷で催されるハウスパーティーへ招待されたとき、 アデリーンは婚約者とそのレディが密通していることを知り、 彼を愛していないとはいえ屈辱に耐えなければならなかった。 翌日の晩、さらに驚くべきことがーーアデリーンの眠る部屋に 目が覚めるほど容姿端麗な男性が現れ、彼女の純潔を奪ったのだ! 相手は、彼が歩いた後には恋に破れた女のハートが積み重なると言われる 社交界随一の人気者、放蕩富豪グラント・レイトン。いったい、なぜ? アデリーンの部屋にグラントがやってきたのは、婚約者の浮気相手のレディが仕組んだ罠でした。期せずしてとはいえ、アデリーンと夜をともにしたグラントは、責任を取って彼女に求婚する羽目に。けれど傲慢な男性にあれこれ指図されたくないと、彼女は断り……。

さらわれた手違いの花嫁さらわれた手違いの花嫁

夫の生還、よみがえる片想い。 妻は愛と嫉妬に懊悩する……。 ローラはある夜、婚約者と馬車で移動中に何者かにさらわれた。 洗練された身のこなしに、魅惑的な瞳を持つその男が 顔を覆い隠していたハンカチを外した瞬間、ローラは目を疑ったーー 2年前に海で死んだはずの夫、ルーカス! 最愛の夫が生きていた! 「きみの婚約も今日までだ。きみはぼくと結婚しているんだぞ」 ルーカスをいまだ愛するローラの心はしかし、複雑に揺れた。 そもそも二人の結婚は、ルーカスの手違いによるものだったから。 そう、私は手違いの花嫁……愛されぬ花嫁だった。 ローラのそんな切ない思いを裏づけるかのように、 ルーカスはかつて彼が結婚を望んだ別の女性を屋敷で匿うと言いだし……。 追いはぎに襲われたとき、ローラは何を奪われてもネックレスだけは渡せないと頑張ります。それは、亡き夫ルーカスから贈られた大切な形見だったから。ところがその“追いはぎ”がまさかルーカス本人だったとは! リージェンシーの名手H・ディクソンの名作!

灰かぶりは伯爵の愛し子を抱く灰かぶりは伯爵の愛し子を抱く

娘を見るたび、まぶたに浮かぶ彼の姿。 ある日、本当に彼を目にするとはーー! 乗馬中にぶつかった男性が顔を上げた瞬間、メリッサは息をのんだ。 シルバーグレーの瞳。傲慢そうな顎。間違いない。ローレンスだわ。 この20カ月、かたときも頭を離れなかった男性ーー ファーストネームしか知らなかった娘の父親が、目の前にいる。 「メリッサじゃないか! その子はいったい──」 「ローレンス……」腕のなかの娘を強く抱きしめ、一歩後ずさる。 都会に憧れる世間知らずの男爵令嬢が、使用人の姿で訪れたロンドンで 素性の知れない男と恋におち、身ごもった。家名に泥を塗ったと 激怒する両親の反対を押し切って、メリッサは娘を産み育ててきたーー。 「とても美しい子だね。君の夫は幸せ者だ」 「夫はいないわ」その言葉に“ウィンチカム伯爵”は顔色を変えた。 メリッサが自分の子を産み育ててきたことに責任を感じてローレンスは、彼女に求婚。彼が裕福な伯爵と知って大喜びする両親をよそに、メリッサは哀しみに沈みます。彼が欲しいのは私ではなく娘だけだから……。リージェンシーの切ないシークレットベビー物語!

銀の匙を落とした幼姫銀の匙を落とした幼姫

氏素性も知れない私は、 わずらわしいお荷物……。 生後すぐに母を亡くした幼い姫君は、貴族として生まれながら、 父方の血筋を忌む祖母の命により、人知れず遠くの森に捨てられた。 身元不詳の赤ん坊を拾った少年、名門家の次男マーカスは、 彼女をロウェナと名づけ、面倒見のよい家令夫妻に育てさせた。 月日は流れ、育ての親と死に別れた19歳のロウェナは、 マーカスの異母兄の屋敷でキッチンメイドとして雇われる。 だが、主人から下心たっぷりの誘惑を執拗に受けて困り果てていると、 ある男性が颯爽と現れ、彼女を救ったーーああ、マーカスさま! 長く英国を離れていた彼がようやく帰ってきた。まさに夢のようだわ。 大好きな彼の懐かしい姿に、涙をにじませるロウェナだったが……。 幼いときから密かに一途な想いを寄せてきたマーカスとの再会は、ロウェナにとっては無上の喜びでした。それなのに、ほどなくして彼女は、信じていたマーカスが自分を追い払うつもりだと語っているのを漏れ聞いてしまい、失意のどん底に突き落とされて……。

罪なき誘惑罪なき誘惑

無垢な娘の罪なき誘惑は、 不幸せな結婚への序章……。 二十歳のルイーザは決意を胸にロンドンのとある屋敷へやってきた。 両親亡きあと、家督を継ぐはずの兄ジェームズは放蕩の限りを尽くし、 故郷にも戻らず、毎夜賭事をしては大金をすっている。 今すぐあの悪習を断たなければ、唯一残った館も人手に渡ってしまう。 だが時すでに遅く、兄は一世一代の大勝負に出ていた。 相手はカードの名手で社交界の重要人物、アリステア・ダンスタン卿。 案の定、勝負を制したアリステアはしかし、その後に大きな過ちを犯す。 ルイーザをジェームズの愛人と思いこみ、露骨に言い寄ったのだ。 無垢な彼女は館を守りたい一心で、捨て身の作戦に出た。 「4000ギニーいただけるなら、ひと晩、お相手を務めます」 頽廃の香り漂う18世紀ロンドン社交界。男は思ったーー誰の愛人だろうとかまわない、彼女が欲しい。女は思ったーー愛してもいない人に惹かれるって、こういうものなの? それぞれの思惑は外れ、事態は予期せぬ方向へ……。誤解と偏見が生む、愛の煩悶の物語。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP