著者 : ボストン・テラン
父が殺された。父は詐欺師だった。奴隷解放運動の資金の名目で大金を巻き上げ、それを狙う悪党に殺された。12歳の少年チャーリーは金を約束どおり届けようと決意する。時は19世紀。父の贖罪のため、少年は遙か南へと旅立つ。だがそのあとを父を殺した男たちが追う…。『音もなく少女は』『その犬の歩むところ』の名匠の新たなる感動作。
ギヴ。それがその犬の名だ。彼は檻を食い破り、傷だらけで、たったひとり山道を歩いていた。彼はどこから来たのか。何を見てきたのか…。この世界の罪と悲しみに立ち向かった男たち女たちと、そこに静かに寄り添っていた気高い犬の物語。『音もなく少女は』『神は銃弾』の名匠が犬への愛をこめて描く唯一無二の長編小説。
貧困家庭に生まれた耳の聴こえない娘イヴ。暴君のような父親のもとでの生活から彼女を救ったのは孤高の女フラン。だが運命は非情で…。いや、本書の美点はあらすじでは伝わらない。ここにあるのは悲しみと不運に甘んじることをよしとせぬ女たちの凛々しい姿だ。静かに、熱く、大いなる感動をもたらす傑作。
映画化原作ーー世界のノワール・ファンを震撼させた名作がニック・カサヴェテス監督で映画化。 「このミステリーがすごい!」第1位! イギリス推理作家協会・最優秀新人賞受賞! 「ゼロ年代ベスト・ミステリ」第3位!(早川書房「ミステリが読みたい!2011年版」) 時代を超えて衝撃を与えつづける〈暴力の詩人〉ボストン・テランの不朽の名作。 憤怒。それを糧にボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を誘拐したカルト集団を。復讐の旅の道連れはケイスーー奴らに捕らわれ、その地獄から生還した女。敵の棲む砂漠の彼方、文明の果ての荒野へと、ふたりは憎悪と銃弾を手に踏み込んでゆく。 鮮烈にして苛烈な文体が銃撃と復讐の宴を描き出す。異形の言葉たちが高熱のとぐろを巻いて唯一無二のグルーヴをうねらせる。発表とともに国内外の作家・評論家の絶賛を受け、刊行から20年を経てもなお熱っぽく語り継がれる、ゼロ年代最高のノワール。