著者 : ボストン・テラン
『音もなく少女は』『その犬の歩むところ』で書店員はじめ 多くの読者の感動を呼んだ名匠ボストン・テラン、最新感動作! 父の罪を贖うため、少年はひとり地平線の彼方をめざす。 とても危うく、でもとても強い、その姿を見よ。 12歳の少年チャーリーの父が二人組の男に殺された。時は19世紀末、ニューヨーク。詐欺師である父は奴隷解放運動のための資金だと偽って、教会から大金を巻き上げたところだった…… チャーリーは決意する。父の悪行をつぐなうため、このカネを奴隷解放組織のもとに届けようと。少年はひとり旅に出た。旅路の先々で出会うのは、詩人ホイットマン、子供を亡くした優しい夫人、謎の葬儀屋、破天荒な奴隷解放運動家たち。奴隷商人に囚われて競売にかけられても、命の危険にさらされる困難に遭遇しても、少年は持ち前の機転と知恵で切り抜けていく。 だが少年の父を殺した男たちは、この大金を狙って着々とチャーリーに迫っていたのだ。 『神は銃弾』『音もなく少女は』『その犬の歩むところ』……本屋大賞翻訳小説部門、「このミステリーがすごい!」などで絶賛を浴び続ける巨匠が、ふたたび苛烈な世界の中で生きるものの尊厳を静かに謳う。 荒々しくも繊細な詩情をたたえて贈る感動のロード・ノヴェル。
『神は銃弾』で「このミステリーがすごい!」第1位。 『音もなく少女は』で「このミステリーがすごい!」第2位。 名匠ボストン・テランが帰ってきた。 犬を愛するすべての人に贈る感涙の傑作。 傷ついた人々のそばに、いつもその犬がいた。 GIV--ギヴ。それがその犬の名だ。その孤独な犬の首輪に刻まれていた三文字だ。傷だらけで、たったひとり、山道を歩んでいた犬の名だ。彼はどこから来たのか。どこで、なぜ、こんなにも傷だらけになったのか。彼は何を見てきたのか。どこを歩んできたのか。 犯罪が、天災が、戦争が、裏切りがあった。世界が理不尽に投げてよこす悲嘆があり、それと戦い、敗れる者たちを見守ってきた一匹の犬がいた。 この世界の不条理と悲しみに立ち向かった人たちに静かに寄り添っていた気高い犬。 『神は銃弾』でみせた荘厳な世界観、『音もなく少女は』でみせた崇高な人間の強さ、そしてボストン・テランにしか生み出せない乾いた詩情をたたえる文体。傷ついたひとたちの悲劇と救済を描く感動の最新作。
貧困家庭に生まれた耳の聴こえない娘イヴ。暴君のような父親のもとでの生活から彼女を救ったのは孤高の女フラン。だが運命は非情で…。いや、本書の美点はあらすじでは伝わらない。ここにあるのは悲しみと不運に甘んじることをよしとせぬ女たちの凛々しい姿だ。静かに、熱く、大いなる感動をもたらす傑作。
映画化原作ーー世界のノワール・ファンを震撼させた名作がニック・カサヴェテス監督で映画化。 「このミステリーがすごい!」第1位! イギリス推理作家協会・最優秀新人賞受賞! 「ゼロ年代ベスト・ミステリ」第3位!(早川書房「ミステリが読みたい!2011年版」) 時代を超えて衝撃を与えつづける〈暴力の詩人〉ボストン・テランの不朽の名作。 憤怒。それを糧にボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を誘拐したカルト集団を。復讐の旅の道連れはケイスーー奴らに捕らわれ、その地獄から生還した女。敵の棲む砂漠の彼方、文明の果ての荒野へと、ふたりは憎悪と銃弾を手に踏み込んでゆく。 鮮烈にして苛烈な文体が銃撃と復讐の宴を描き出す。異形の言葉たちが高熱のとぐろを巻いて唯一無二のグルーヴをうねらせる。発表とともに国内外の作家・評論家の絶賛を受け、刊行から20年を経てもなお熱っぽく語り継がれる、ゼロ年代最高のノワール。