著者 : マーセデス・ラッキー
「ついに本物の任務だ!」英雄スカンドゥラノンの息子にして、〈銀鷲獅子団〉のタドリスは歓声をあげた。初めての監視なしの任務。ホワイトグリフォンから遠く離れた歩哨地で、三ヶ月の任務だ。タドリスと人間の相棒〈銀の刃〉は、心配する両親を尻目に大喜びで出発した。ちょっとした冒険行のはずだった。〈銀の刃〉と荷物を入れた籠を掴んで跳んでいたタドリスが、コントロールを失い墜落するまでは……。〈魔法戦争〉三部作完結。
〈銀鷲獅子団〉司令部は大騒ぎになっていた。予定を過ぎているのに、タドリスと〈銀の刃〉が任務地に着いていないのだ。遠話装置での連絡もない。すぐにスカンドゥラノン率いる捜索隊が二人の消えた地点に向かう。一方森に墜落したタドリスと〈銀の刃〉は、大怪我を負いながら見えない追跡者から逃げていた。誰が何の目的でつけ狙うのか。鷲獅子と人間、体力と知力の全てを使い、姿なき敵と戦う。〈ヴァルデマール年代記〉外伝完結。
すさまじい魔法嵐を逃れたアーゾウの民は、新たな街ホワイトグリフォンを造ったが、街の統率者に祭り上げられた鷲獅子スカンドゥラノンは、数え切れない雑事にうんざりしていた。そんなある日、ハイリィ帝国の船がホワイトグリフォンの港に入ってきた。彼らの街がハイリィ帝国の領土の聖域権を犯しているというのだ。ヴァルデマール伝説の時代を描く“魔法戦争”三部作第二弾。
ホワイトグリフォンの民を代表し、外交使節の一員としてハイリィ帝国を訪れたスカンドゥラノンは、知性をもつ動物の存在に慣れていないハイリィの人々を驚愕させる。そんななか、宮廷で残忍な殺人事件が起きる。しかも一見すると鷲獅子の仕業らしい。なんとか疑いをはらしたものの、スカンドゥラノンは、監視をうけることになってしまった。犯人の狙いは何か?同盟の行方は?
邪悪な魔法使いが創り出した殺し屋たちの狡猾な攻撃に、“沈黙の魔法使い”アーゾウの軍は苦戦を強いられていた。アーゾウの創造物たちのなかでも、とりわけ優れた能力をもつ黒鷲獅子スカンドゥラノンは、新兵器を調べようと密かに敵の陣地に潜入するが…。はるか昔、伝説の“大魔法使い”アーゾウと宿敵マ=アルの戦いの物語が、そのヴェールを脱ぐ。“魔法戦争”三部作第一弾。
黒鷲獅子スカンドゥラノンは、ひとりで三頭もの敵を倒した小柄な雌鷲獅子ザニールの話を耳にする。彼女は小回りのきく身体と機敏な動きを生かして、普通では考えられないほど見事な戦法を編み出していたのだ。彼女は“沈黙の魔法使い”アーゾウが創り出した新種なのか?賢く柔軟なザニールに惹かれるスカンドゥラノンだったが、アーゾウの軍にはマ=アルの魔の手が迫っていた。