著者 : ユゴー
「死刑囚!いつもひとりでこの想念に耐え、それが消えないせいでいつも凍え、その重みにいつも打ちひしがれている!」刻々と迫るギロチン刑の時。独房での日々から断頭台に上がる直前まで、主人公は自らの胸の内を赤裸々に告白する。死刑制度廃止を訴えたユゴー27歳の小説。
第七編 1 ヤギに秘密を打ち明ける危険 2 聖職者と哲学者とは赤の他人 3 鐘 4 宿命 5 黒い服をまとった二人の男 6 家の外で呪いのことばを七つどなったら…… 7 修道服をまとった怪しい男 8 河に面した窓が役に立つ 第八編 1 金貨が枯れ葉に変わる 2 金貨が枯れ葉に変わる(つづき) 3 金貨が枯れ葉に変わる(結末) 4 「すべての望みをすてよ」 5 母親 6 三人三様の心 第九編 1 狂乱 2 不自由な身体 3 不自由な耳 4 素焼きと水晶 5 赤門の鍵 6 赤門の鍵(つづき) 第十編 1 グランゴワール、ベルナルダン通りでいろいろな謀りごとをめぐらす 2 宿なしになってしまえ 3 ばんざい、ばんざい! 4 まぬけな味方 5 ルイ・ド・フランス殿下がお祈りをされた奥の間 6 ポケットの短剣 7 シャトーペール、救援に現われる! 第十一編 1 小さな靴 2 「白い服をまとった美しい者」(ダンテ) 3 フェビュスの結婚 4 カジモドの結婚 解説 (辻 昶)
フランス・ロマン主義を代表する作家ユゴー(1802-1885)が、1482年のパリを舞台に中世の社会と民衆の風俗を生き生きと描く。醜い鐘番のカジモド、美しい踊り子エスメラルダ、陰鬱な司教補佐クロード・フロロ。“宿命”によって翻弄される登場人物たちが、愛や情熱や嫉妬といった感情のドラマを繰りひろげる。
19年間の投獄生活を経て出獄したジャン・バルジャンは、ミリエル司教の導きにより新しい人生を歩むことを決心する。だが数年後、名前を変えて市長となったバルジャンの元にかつて牢獄で看守をしていたジャベールが警察署長として赴任してくる…。フランス最大の詩人にしてロマン派を代表する作家・ユゴーのベストセラーを漫画化。