著者 : リュドミラ・ウリツカヤ
緑の天幕緑の天幕
陽気で如才なく、やがて地下出版に携わるイリヤ、繊細な詩人の感性を持つユダヤ人のミーハ、ピアニストを目指すサーニャ。三人の幼なじみを軸に、そこに三人の少女たち、正義感に溢れる優等生オーリャ、苦学の末に役人の妻となるガーリャ、ユダヤ人のタマーラが加わり、六人の人生が時に交錯して時にはなれる。1953年のスターリンの死から1991年のソ連崩壊へ。激動の時代を背景に、人を愛し、結婚し、子どもを産み、互いに影響し合いながら困難な時代を生き抜いた市井の人びとのドラマを、ノーベル文学賞候補にも目される女性作家が複雑な光沢と色合いで織りあげていく。人間への深い愛情に満ちた大河長篇。
陽気なお葬式陽気なお葬式
舞台は1991年夏、猛暑のニューヨーク。亡命ロシア人で画家のアーリクの重病の床に集まる五人の女たちと友人たち。妻として、元恋人として、愛人として、友だちとして、彼らはアーリクとともに歩んだ、喜びと悲しみに満ち、決して平坦ではなかった人生の道のりを追想する。ウォッカを飲み、テレビで報道される祖国のクーデターの様子を観ながら。そして、皆に渡されたアーリクの最期の贈り物が、生きることに疲れた皆の虚無感を埋めていく…。不思議な祝祭感と幸福感に包まれる中篇小説。
子供時代子供時代
中庭のあるアパートに住む子供たちが出会った奇跡。遠縁のおばあさんに引き取られたけなげな孤児の姉妹の話「キャベツの奇跡」、ほとんど目が見えなくなった時計職人の曾祖父が孫娘にしてやったこと「つぶやきおじいさん」、いじめられっこのゲーニャのために母が開いた誕生会で奇跡が起きた「折り紙の勝利」…。ウラジーミル・リュバロフの絵とともに贈る、6編からなる連作短編集。
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