著者 : リンゼイ・サンズ
国際秘密機関BLISSで武器製作を担当するジェーン。作り出す装置は変わったものータンポン型の追跡装置や収縮作用を持つコンドームーばかりだ。大学を卒業してから恋人のいないジェーンは、自分は欲求不満なのかと思い悩んでいた。ある日、隣人イーディの兄アベルがロンドンから訪ねてくるが、イーディの姿が見当たらない。その前日、イーディがタンポン型の追跡装置を持ち出したことに思い当たったジェーンは、早速追跡を開始するが…。素人スパイのジェーンが恋と仕事に奮闘するラブコメ!
ブキャナン兄弟の長男オーレイは、過去の戦で受けた傷痕の残る顔のせいで、婚約者に逃げられた過去を持っている。ある日、海で女性が縛り付けられたマストを発見し、救出するが、女性は記憶を失っていた。オーレイは黒髪の美しい女性をジェッタと呼ぶことにし、献身的に世話を焼くと、ジェッタは彼を本当の夫だと思い込みはじめる。オーレイの傷痕を怖がるどころか、愛おしそうに撫でるジェッタ。いつかオーレイはジェッタを愛するようになるが、彼女に似た黒髪の侍女が命を狙われ…。
ショーナが4歳のとき、父親たちの取り決めにより伯爵の息子ブレイクと許婚同士となるが、その後父親が仲違いし、ショーナは伯爵家の悪口を聞きながら育った。彼女が24歳になったとき、国王の命でようやくブレイクが花嫁を迎えに来るが、結婚に夢を持てなくなっていたショーナは逃げ出す決心をする。まずは修道院に逃げ込み、つかまりそうになると飛び出した。追いかけっこが楽しくなったふたりは徐々に惹かれあうが、彼女の身にはある危険が迫っていて…
イングランド王の愛人だった母を亡くし、修道院で育てられたロザムンド。外界と切り離された静かな日々は、修道女となる前夜、突然終わりを迎える。父王が修道院を訪れ、今夜おまえは勇猛な騎士の花嫁になると宣告したのだ。しかも、会ったばかりの彼とすぐさま結婚を“完全なもの”にしなければならないと。意味もわからぬまま、気づけばロザムンドは誓いの言葉を口にしていたー荒々しくも繊細な顔立ち、歴戦の覇者にふさわしい鋼の肉体をした花婿アリックの隣で。その夜、夫は震えるロザムンドにそっと触れようとしたが…。
カイラは心ない義姉の仕打ちにより、とある一族の当主との縁談を勝手に決められ、スコットランドへと荷馬車で送り出された。だがその道中、突然ハイランダーの一団に襲われてしまう。赤毛で屈強なリーダーは、カイラが嫁がされる男と深い因縁のある、マクドナルド一族の当主ゲイランー事情を知らぬ彼は、宿敵の花嫁カイラを復讐のために奪おうとしていた。そして抵抗むなしく意識を失ったカイラは、そのままゲイランが住む城へと運ばれる。目を覚ましたときにはすでに婚姻の式は終わり、カイラはゲイランの妻になっていて…。
シャーリーは男装し、双子の妹を連れて非情な後見人から逃げ出した。道中、二人は若き伯爵ラドクリフと出会う。彼はまだ幼さの残る“兄妹”に同情したらしく、ロンドンの屋敷に匿ってやると申し出てくれたが、彼との旅には予想もしない困難が待ち受けていた。そんなに軟弱では妹を守れない、と彼は手取り足取りシャーリーに射撃を教え、2部屋しかない宿では当然のように1部屋を妹に与えて「我々は相部屋だ」と言う。シャーリーはハンサムな伯爵を間近に感じるたびに心臓が飛び出しそうになり、彼の戸惑いには気づきもしなかった。
サイは親友の出産に立ち会った帰り、夫を失ったばかりのいとこフェネラをマクダネルの城に見舞う。驚いたことにフェネラが夫を失うのは四度目で、みな結婚後すぐに亡くなったという。サイはフェネラを慰めるためしばらく城に滞在することに決めるが、翌日、湖で出会ったマクダネルの領主グリアと情熱的に愛を交わしてしまう。思いがけずプロポーズを受け、マクダネル領主夫人となった翌朝、何者かに矢で射られた。もしや、今度も領主夫人の座を得たいフェネラの仕業なのか?それとも夫がー?
イリアナはスコットランドに稼ぐことを決意した。父亡き後、資産目当てに強引に母と結婚した男の監禁から逃れ、自分と母の安全を守るためにはそれしか方法がないー。だがたどり着いた城は荒れ放題で、夫となる領主の息子ダンカンも領民たちも“こぎれい”とは言いがたい状態。とはいえ、いまさら引き返せない彼女は夫が衛生的な生活に改めるまで一緒に寝ないと宣言し、“貞操帯”を身につける。怒りながらもイリアナの魅力に抗えない彼は、その鍵のありかを探りつつ、なんとか彼女を誘惑しようと知恵をしぼるが…?
スコットランド領主の長男キャム・シンクレアは、暴漢に襲われていた旅の少年ジョーンを助けたものの、負傷して意識を失ってしまった。少年の献身的な看病で無事回復したキャムは、彼を目的地まで送り届けると約束する。しかし道中、ふとしたきっかけでジョーンが実は男装した乙女であることに気付いてしまう。欲望を募らせていくキャム、たくましい彼の魅力に抗えないジョーンー。一方シンクレア城では、母親が集めた多くの令嬢たちが“花嫁候補”としてキャムの帰りを待ちわびていて…!?
夜間勤務のために恋人もできず、寂しい私生活を送る検視官レイチェル。彼女はある晩、安置所に運ばれてきた謎の男の“遺体”が蘇生するのを目撃するが、驚くのもつかの間、突然押し入ってきた暴漢から男をかばって致命傷を負ってしまうー。彼女が意識を取り戻すと、そこは見知らぬ部屋で傷はすっかり癒えていた。さらに、例の男が元気な姿で現われて戸惑うレイチェルだったが、エティエンと名乗る彼の美しさと不思議な魅力に惹かれてしまう。だがそこで、彼女の人生を揺るがす衝撃の事実を告げられて…。