小説むすび | 著者 : 上村悦子

著者 : 上村悦子

出会いは偶然に出会いは偶然に

出会いは偶然か、必然か。 でもこの恋心は、きっと必然。 父と母を相次いで亡くした看護師クレシダは、心機一転、 オランダで老医師の執筆作業を補佐することに。 老医師の家へ向かう途中でアムステルダムに立ち寄ったとき、 運河の入り組んだ中心街で道に迷ってしまった。 すると、青い瞳が美しい長身のオランダ人男性ヒレスに助けられるが、 とても無愛想で横柄な彼に、クレシダは苛立ちを隠せなかった。 その後、老医師のもとで働き始めた彼女は、思わぬ再会を果たす。 なんと、アムステルダムで会ったヒレスが老医師の家に現れたのだ! 彼が老医師の仕事仲間と知って呆然とするクレシダに、彼は告げた。 「驚いたようだね。だが、あの出会いは必然だったんだよ」 傲慢なドクター・ヒレス・ファン・デル・テイレとの再会に心乱れるクレシダ。ある日、インフルエンザに倒れた彼女を優しく看護してくれたのは、他でもないヒレスでした。けれども、目覚めた彼女が目撃したのは、親密そうに並ぶ彼と恋人らしき女性の姿で……。

家政婦の娘と呼ばれて家政婦の娘と呼ばれて

身分違いの恋は、 きっと一生変わらない。 18歳のミアは、両親が仕える屋敷の御曹司カルロスに恋をした。 初めてキスを交わした夜、彼の母親に見つかり、 “使用人の娘のくせに”と激怒され、親をくびにすると脅されて、 彼女は逃げるように屋敷を飛びだした。 あれから7年。こんな形で彼と再会することになるなんて。 ミアの会社が取りしきる結婚披露宴に、カルロスが出席したのだ。 「ミア! ミアなのか?」彼が驚きのまなざしで見つめている。 全身が炎のように熱くなり、ミアの封印した恋が息を吹き返した。 だがその直後、またしても彼の母親からひどい侮辱を受け、 カルロスに婚約者がいることを聞かされて……。 強く惹かれ合いながらも、身分差とすれ違いで、結ばれることなく遠ざかっていたヒーローとヒロイン。再会を果たしたあとも、運命は容赦なく二人を翻弄し続けて……。個性豊かな筆致で人気を博したL・アームストロングが描く格差愛をお楽しみください。

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