著者 : 下村敦史
十年前の転落事故でクレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口を迎えに、シウラ・グランデ峰を登る真山道弘。しかし、氷河の底の遺体を見て絶句する。氷漬けになっているはずの樋口は年老いていたのだ!親友に何があったのか。真山は樋口の過去を追う。秘められた友の思いが胸を打つ傑作山岳ミステリー。
1994年、現職の検察官が殺人犯として逮捕され、死刑判決を受けたー2015年、大学生の石黒洋平は、母が遺した写真から実の父がその死刑囚・赤嶺信勝であることを知ってしまう。苦悩する洋平は冤罪の可能性に賭け、雑誌記者の夏木涼子と私的な調査を開始する。人はいかにして罪に墜とされてゆくのか、司法とは本当に公正なものなのか、そして事件の真相は!?『闇に香る嘘』の新鋭がおくる、迫真のリーガルミステリ!!
移植手術、安楽死、動物愛護…「生命」の現場を舞台にしたミステリー。意識不明の患者が病室から消えた!?(『優先順位』)。なぜ父はパーキンソン病を演じているのか(『詐病』)。母豚の胎内から全ての子豚が消えた謎(『命の天秤』)。真面目な学術調査団が犯した罪(『不正疑惑』)。この手術は希望か、それとも絶望かー(『究極の選択』)
通訳捜査官の七崎隆一は、正義感から同職の義父の不正を告発、自殺に追い込んだことで、職場でも家庭でも居場所がない。歌舞伎町での殺人事件の捜査直後、息子の部屋で血まみれの衣服を発見した七崎は、息子が犯人である可能性に戦慄し、孤独な捜査を始めるが…。“正義”のあり方を問う警察ミステリー。
エジプト発掘調査のハイライト、王家の墓に埋葬されていた石棺の中にあったのは、死後数ヵ月のミイラ状死体だった!そして、考古学者の峰は何者かの襲撃を受ける。危うく難を逃れたが講演先のパリへ向かう飛行機が砂漠に墜落し、徒歩でオアシスを目指すことになった。同行者は美貌のベリーダンサー・シャリファ、粗暴で残酷なアフマド。何かを思い詰めている技術者の永井、飛行機オタクのエリック、不気味な呪術師。誰もが謎を抱え、次々と危険なカードを切ってくるーやがて一行は分裂し、巻き込まれた戦闘の中で峰は、永井の過去と真実の使命を知る。果たして「サハラの薔薇」とは何なのか。それが未来にもたらすものは!?
新設された「緑の窓口」への異動を言い渡された区役所職員の天野優樹が出会ったのは、風変わりな美人“樹木医”だった!樹木トラブルの裏に隠された、人の“想い”を見つけ出す6つの連作ミステリー!
雪崩で死亡した兄の遺品を整理するうち、増田直志はザイルに施された細工に気づく。死因は事故か、それともー。疑念を抱く中、兄の登山隊に関係する二人の男が生還を果たす。真相を確かめたい増田だったが、二人の証言は正反対のものだった!ヒマラヤを舞台にいくつもの謎が絡み合う傑作山岳ミステリー。
新宿の路地裏で殺されたシリア人の男性。彼の妻は事件以後、未だに行方不明のままだという。フリージャーナリストの山口秋生は彼と交流のあったアルバクル一家の取材中、隣に住むシリア人の親子が東日本入国管理センターに収容されていると知る。一方、東京入国管理局の難民調査官・如月玲奈は、シリアから逃れてきた父と娘に聞き取り調査を行う。難民認定を切実に訴える父に対して娘は、「お父さんは日本に住みたくて嘘の話をしています」と異なる証言をする。どちらかが嘘をついているのか?困惑する玲奈の元に来た山口の取材申し込みから、事態は誘拐・脅迫事件へと発展していくー。乱歩賞作家による、疾風怒涛の最新ポリティカル・ミステリー!!
シリーズ累計八百万部突破大人気コミックス『アイアムアヒーロー』(花沢健吾・著)の映画化を記念して執筆された小説集。豪華執筆陣によるゾンビ小説が待望の文庫化。背筋も凍る恐怖と戦慄の物語が全6編。
2016年、ペルー。山岳カメラマンの真山道弘は単身シウラ・グランデ峰を登っていた。10年前、クレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口友一を迎えに来たのだ。長い間待たせて悪かったなークレバスの底に降り立ち、樋口を発見した真山だったが、その遺体を前に驚愕する。極寒のクレバスに閉じ込められた遺体は、歳を取ることなく凍りついてしまうはず。しかし、樋口は明らかに10年前より年老いていたのだ!まさか、樋口はあの時生還していたのか?
孫への腎臓移植を望むも適さないと診断された村上和久は、兄の竜彦を頼る。しかし、移植どころか検査さえ拒絶する竜彦に疑念を抱く。目の前の男は実の兄なのか。27年前、中国残留孤児の兄が永住帰国した際、失明していた和久はその姿を視認できなかったのだ。驚愕の真相が待ち受ける江戸川乱歩賞受賞作。
29歳の如月玲奈は、東京入国管理局で働く“難民調査官”。補佐の高杉と共に、難民申請者が本当に母国で迫害される恐れがあるのか、調査するのが仕事だ。ある日、ムスタファというクルド人難民申請者が、合法的に来日しながらパスポートを処分し、なぜか密入国者を装っていたと発覚する。その頃、ネットカフェ難民の西嶋耕作は、自分の通報が原因で家族想いのムスタファとその妻子を引き裂いたことを悔いていた。善良そうに見える難民申請者は、一体何を隠しているのか?現在最も注目される乱歩賞作家が難民問題に鋭く切り込んだ、怒涛のポリティカル・サスペンス小説。
大学生の石黒洋平は亡くなった母の遺品を整理中、隠されていた手紙を見つける。そこから洋平は、自分の本当の父親が『赤嶺事件』と呼ばれる殺人事件を犯した死刑囚であることを知る。殺された被害者は、母の両親ーつまり洋平の祖父母だった。被害者の孫で、加害者の息子。事実を受け入れられない洋平は、父が無実である可能性に一縷の望みを託し『赤嶺事件』を調べ始めるー。最注目の乱歩賞作家が“司法の闇”を抉り出す!慟哭のリーガルサスペンス。
ヒマラヤ山脈東部のカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、4年前に登山をやめたはずの兄が34歳の若さで命を落とした。同じ山岳部出身の増田直志は、兄の遺品のザイルが何者かによって切断されていたことに気付く。兄は事故死ではなく何者かによって殺されたのかー?相次いで二人の男が奇跡の生還を果たすが、全く逆の証言をする。どちらの生還者が真実を語っているのか?兄の死の真相を突き止めるため、増田は高峰に隠された謎に挑む!新乱歩賞作家、3作目の山岳ミステリー!
新宿署の通訳捜査官・七崎隆一は、正義感から義父の罪を告発したが自殺に追い込んでしまい、職場でも家庭でも居場所がない。歌舞伎町で殺人事件が起きた直後、息子の部屋で血まみれのジャンパーを発見した七崎は、息子が犯人である可能性に戦慄し、孤独な捜査を始めるがー家族を巡る贖罪の警察小説は、衝撃の結末を迎える。新乱歩賞作家、2作目の警察小説。