著者 : 中山善之
シアトル市内で八件の連続殺人事件が発生した。独身の若い女性ばかりで、目はテープで見開かされたまま、腹部を十字架の形に切り刻まれて。その残忍な手口から異常者の仕様と思われたが、捜査を嘲笑うかのように、新たな犠牲者が出て、当初の犯人のほかに模倣犯が加わった線も強まる。幾重にも隠された謎を解く鍵は、果たして何処に?実力派作家が入念に描く大型警察ミステリー。
漂流している日本の自動車運搬船が発見された。船は完全に遺棄され、残されたままの死体は傷みが激しい。やがて、乗り込んだ男たちに変調が表われた。頭痛・目まい・吐き気…。死の船は謎の大爆発を起し、付近の船舶を道づれにして沈没した。近くの海底で秘かに海底資源の調査を行なっていたピットたちは、爆発で生じた海底地震のため、生命の危険にさらされることになったー。
日本経済を裏から操る実力者・隅坂秀太は、ある小島に秘密基地を設け、世界制覇を目論む拠点としていた。深海から奇跡の生還を果したばかりのピットは、息つく暇もなくドイツで起きた陥没事故現場へ向い、小島の位置を解く鍵を手に入れた。最新のハイテク技術を駆使して要塞化され、ロボットたちに護られたこの基地・ドラゴンセンターへ、いよいよピットは潜入したー。
ボリコウスキーはブルガリア情報機関DSの職員である。変装の名人で、演技力と語学力には自信がある。今回の任務は、米政府が開発した画期的なエネルギー源の研究成果を盗むことだったが、つい母国語で罵声をあげたのがもとで計画変更が重なり、無用の殺人を犯してしまった。彼を兄の仇とつけ狙う米情報部の男も、身近に迫っているようだ。追う者と追われる者が錯綜する緊迫の二週間。
ー米大統領アンダーウッドはTVの元ニュースアンカーマン。ファーストレディは元ミス・アメリカ。一見、夢のようなカップルだが、私生活は冷えきっていた。そこへアジアの島国ランパンから若く美しい未亡人大統領が経済援助を求めて訪米。初対面でアクダーウッドは彼女に一目ぼれした。だが、それをマスコミに嗅ぎつけられ…。-大統領同士のラブロマンスと国際的な謀略。小説の名手がホワイトハウスの内幕を描いた痛快ノベル。
女性国連事務総長を乗せた特別機が、ハイジャックされた。機はグリーンランドに向い、墜落するが、たまたま近くで沈没したソ連原潜の捜査を行なっていたダーク・ピットが、彼女を救助した。またピットは付近の海底から、四散したとされる古代アレキサンドリア図書館の収蔵物の隠し場所を示すらしい遺物を発見した。一方事務総長は、ピットの父の手で厳重に保護されていたのだが…。
第三世界会議に出席中のエジプト・メキシコ両国の大統領、国連事務総長、そしてピットの父を乗せたヨットが消えた。偵察衛星の目からも隠れてしまった船の行方を、ピットは冷静な推理で捜し当てたが…。一方測り知れぬ価値を持つ古代の宝物の在処は、最新のコンピューターを駆使しても確認できない。北極から南極へ、古代から未来へ、現代のヒーローの時間と空間を超えた活躍。
3人の腐乱死体を乗せた飛行船が、海辺に不時着した。飛行船の目的が、450年前の秘宝を探すことにあったことを知ったダーク・ピットは、キューバ海域に沈んだその宝を自ら探す決意を固め、行動を開始する。いっぽう、アメリカの月面植民地計画を察知したソ連は、これを阻止すべく、武装した精鋭戦闘隊を月面に送り込む方針を決定。世界はスターウォーズの危機にさらされる…。
月面植民地計画を進めるアメリカのスタッフを相手に、月を血に染める銃撃戦を展開したソ連は、アメリカ寄りの姿勢を鮮明にしたキューバのカストロ首相兄弟の暗殺を計画。キューバの島に設けられたソ連の秘密軍事施設に対する破壊工作を試み、ラドラダの秘宝を追い求めていたピットは、世界の揺るがすこの陰謀を阻止するという任務を、期せずして担うことになったのだが…。