著者 : 中野圭二
モスクワのゴーリキー公園で雪の下から男女三人の射殺体が発見された。いずれも顔面を刃物で削ぎ落とされ、指先も切断されていた。捜査を命じられた民警の主任捜査官レンコは、人類学研究所に被害者の顔の復元を依頼する一方、被害者の遺留品から運命の女性イリーナと出会う。反体制派の彼女に次第に魅かれていくレンコ。そして捜査線上に浮かぶアメリカ人の毛皮商…ソ連社会の暗部をかつてないリアリティで描いた問題作。英国推理作家協会賞受賞作。
ゴーリキー公園の顔と指のない三つの死体ーそれは誰も触れることの許されぬソビエト社会の根深い矛盾を象徴していた。ようやくレンコは殺人犯の正体をつかむが、検事局長から捜査の終了を命じられる。彼はけっして掘り起こしてはならない過去を発見してしまったのだ。主任捜査官の地位さえも奪われたレンコは、メーデーの夜、ついに犯人と対決する。そして彼が海の彼方で見た、驚愕の真実とは?英国推理作家協会賞受賞作。
5歳児ほどの小さな身体。異星人みたいなへんてこな声。ぼくの親友オウエンは、神が遣わされた天使だった!?宿命のファウルボールによる母の死。前足を欠いたアルマジロの剥製。赤いドレスを着せられた仕立用人台。名人の域に達した二人組スラムダンク。-あらゆるできごとは偶然なのか?それとも「予兆」なのか?映画「サイモン・バーチ」原作。
名門プレップ・スクールの学校新聞編集長として活躍するオウエンと、なにかと彼に頼りっきりのさえないぼく。ヴェトナム戦争が泥沼の様相を呈しはじめるころ、オウエンは小さな陸軍少尉として任務につく。そしてぼくは、またもや彼のはからいによって徴兵を免れることになる。椰子の木。修道女。アジア人の子供たち。-オウエンがみる謎の夢は、二人をどこへ導くのか?映画「サイモン・バーチ」原作。
航空機墜落調査班のメンバーである心理学者ノーマンは、召集を受け、南太平洋へ飛んだ。海底に沈んでから少なくとも三百年は経過している宇宙船が発見されたというのだ。ノーマンをはじめとする科学者チームは、海底居住施設を拠点にして、船内の調査をする。未知の生命体との遭遇に脅えながらも船内深く到達した彼らの前に、不思議な球体が出現した。『ジュラシック・パーク』の著者が放つ傑作エンターテイメント。
居住施設に戻った科学者チームの周囲では、奇妙な出来事が続発する。突如モニターテレビに謎の数字が並び、海底ではエビや発光するイカやクラゲが異常発生し、さらには狂暴なオオイカの触手が彼らを襲う。すべては謎の球体に関係があると考えたノーマンは、再び宇宙船へ乗り込み、球体とのコンタクトを試みるが…。ハイテク機器を用いた深海調査や、心理学、海洋学の豊富な知識を随所にちりばめた興奮の深海サスペンス。
モスクワでの行動でKGB上層部に睨まれた捜査官アルカージは、シベリアに流された後、今はソビエトの北洋漁船「ポーラー・スター」号の船員として働いている。ところが、ある時、引き揚げた底引き網に女船員の死体が発見され、船長から徹底捜査を命じられるや、事件は果たせるかな、国際的な疑惑にまで広がって、深刻な様相を帯び始めた。映画化話題作「ゴーリキー・パーク」続編。
イスラエルへの支援を完全に打ち切るまでは、石油の供給を50パーセント削減する。サウジアラビアの新石油・経済相タファクのこの通達は、欧米各国をパニックに陥れた。しかも追い打ちをかけるように、彼は恐るべき計画を押し進めていた。英国の巨大オイル・タンカーを核爆弾を盾に乗っ取ろうというのだ。マクリーンと並ぶ英国の雄が贈る迫真の冒険小説。
1977年4月、モスクワのゴーリキー公園で雪の下から男女3人の射殺体が発見された。いずれも顔面を鋭利な刃物で削ぎ落とされ、指先も切断されていた。捜査を命じられた民警の主任捜査官レンコは残虐な事件の背後に見えかくれするKGBの影に当惑する。彼は人類学研究所に被害者の顔の復元を依頼する一方、被害者のひとりがはいていたスケート靴から運命の女性イリーナと出会う。反体制派の彼女に次第に魅かれてゆくレンコ。そして捜査線上に浮かぶアメリカ人の毛皮商…。不可解な事件の真相を追ってレンコはソ連社会の暗部へと迷いこんでゆく。英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞。
ゴーリキー公園の顔と指のない3つの死体…。それは誰も触れることの許されぬソビエト社会の根深い矛盾を象徴していた。ようやくレンコは殺人犯の正体をつかむが、検事局長から捜査の終了を命じられる。彼は決して掘り起こしてはならない過去を発見してしまったのだ。主任捜査官の地位さえも奪われたレンコは、メーデーの夜、ついに犯人と対決する。そして彼が海の彼方で見た、驚愕の真実とは?英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞を受賞した本書は現代社会への深い洞察にあふれ、「現代ミステリの最高水準」と絶賛された稀代の傑作である。
父母を殺されたイギリスへの復讐を誓った孤独なアイルランド人テロリストがアメリカに潜入、ワシントンを血に染めて、ひとりまたひとりイギリス人が殺される。無差別な報復は、折から、ステルス爆撃機共同配備協議のため来米する英首相サッチャーに向けられた。姿なき暗殺者を阻止せよ!特別プロジェクト「レインダンサー」が発動されるが…。グリーン・ベレーとしてヴェトナムに参戦し、その後シークレット・サービスとしてニクソン大統領の護衛を務めた経験をもつ著者が、国際舞台を背景にリアルに描くミリテク・アクション。
1968年夏、僕は22歳でヴェトナムへ行った。炎暑と泥濘の中、僕らは狙撃兵の影に怯えながら行軍した。「死」は常に僕らの隣にあった…。鋭敏な感覚とハードな文体で描かれるヴェトナムの青春。
深海には恐怖が潜んでいる。暗闇、水圧、奇怪な生き物。だが、それらより遥かに恐ろしいものが、三百年のあいだ海底で眠り続けていた…航空機墜落現場調査班メンバーである心理学者ノーマンは、南太平洋上の米海軍海洋調査艦へ、急遽召集を受けた。三百メートルの海底で正体不明の宇宙船が発見され、しかもサンゴの付着状態から判断して、沈んでから少なくとも三百年の歳月が経過しているという。ノーマンたち科学者チームは、米海軍軍人チームのサポートを受けて、海底居住区で生活しながら宇宙船を調べることになった。この船はいったいどこから来たのか?誰が乗っていたのか?さまざまな謎と格闘するうちに、彼らは宇宙船内で不思議な球体を発見した。ストーリイ・テラー、マイクル・クライトンが放つ、『アンドロメダ病原体』をしのぐ最新サスペンス巨篇。
東欧と取引している米人貿易商プラマーは、ある日ソ連ミサイル基地の機密フィルムを手に入れた。失くしたはずのコートに隠されていたのだ。実はこれは、KGB老情報員ストレーコフの仕業だったー構築直後のベルリンの壁をはさみ、それぞれに苦悩する二人のスパイの奇妙な交流、そして東西両情報部の思惑や、有能な二重スパイの意外な正体などが複雑に絡みあう、“本物の”スパイ小説。