著者 : 井波陵一
ファッション界の巨人ヴィヴィアン・ウエストウッドが「私を変えた名作」に挙げたことでも知られる、18世紀口語小説の最高峰『紅楼夢』。『新訳 紅楼夢』(読売文学賞研究・翻訳賞)の訳者である著者が、作中の様々なエピソードを取り上げながら、人間の関係性を根底的に描いた作品の魅力を語りつくす。『紅楼夢』はなぜ書かれたのか、そしてその存在意義とは。
本冊の読みどころ 本冊のおもな登場人物 主要登場人物系図 第一百一回 大観園に 月夜 幽魂に感じ 散花寺に 神籤 異兆に驚く 第一百二回 寧国府 骨肉 災祲を病み 大観園 符水 妖孽を駆る 第一百三回 毒計を施して 金桂 自ら身を焚き 真禅に昧くして 雨村 空しく旧に遇う 第一百四回 酔金剛 小鰍は大浪を生じ 痴公子 余痛は前情に触る 第一百五回 錦衣軍 寧国府を査抄し 驄馬使 平安州を弾劾す 第一百六回 王熙鳳 禍を致して羞慚を抱き 賈太君 天に禱りて禍患を消す 第一百七回 余資を散じて 賈母 大義を明らかにし 世職を復して 政老 天恩に沐す 第一百八回 強いて歓笑して 蘅蕪 生辰を慶び 死して纏綿たり 瀟湘 鬼哭を聞く 第一百九回 芳魂を候ちて 五児 錯愛を承け 孽債を還して 迎女 真元に返る 第一百十回 史太君 寿終わりて 地府に帰り 王鳳姐 力詘きて 人心を失う 第一百十一回 鴛鴦の女 主に殉じて 太虚に登り 狗彘の奴 天を欺きて 伙盗を招く 第一百十二回 冤孽に活きて 妙尼 大劫に遭い 讐仇に死して 趙妾 冥曹に赴く 第一百十三回 宿冤を懺いて 鳳姐 村嫗に托し 旧憾を釈きて 情婢 痴郎に感ず 第一百十四回 王熙鳳 幻を歴て 金陵に返り 甄応嘉 恩を蒙りて 玉闕に還る 第一百十五回 偏私に惑いて 惜春 素志を矢い 同類を証して 宝玉 相知を失う 第一百十六回 通霊を得て 幻境に仙縁を悟り 慈柩を送りて 故郷に孝道を全うす 第一百十七回 超凡を阻んで 佳人 双り玉を護り 聚党を欣んで 悪子 独り家を承く 第一百十八回 微嫌を記して 舅兄 弱女を欺り 謎語に驚きて 妻妾 痴人を諫む 第一百十九回 郷魁に中りて 宝玉 塵縁を却け 皇恩に沐して 賈家 世沢を延ぶ 第一百二十回 甄士隠 太虚の情を詳説し 賈雨村 紅楼の夢を帰結す 訳者あとがき
本冊の読みどころ 本冊のおもな登場人物 主要登場人物系図 第八十一回 旺相を占いて 四美 游魚を釣り 厳詞を奉じて 両番 家塾に入る 第八十二回 老学究の講義 頑心を警め 病める瀟湘の痴魂 悪夢に驚く 第八十三回 宮闈に省して 賈元妃 恙に染まり 閨閫を鬧がせて 薛宝釵 声を呑む 第八十四回 文字を試して 宝玉 始めて親を提し 驚風を探ねて 賈環 重ねて怨を結ぶ 第八十五回 賈存周 報ぜられて郎中の任に昇り 薛文起 復た放流の刑を惹く 第八十六回 私賄を受けて 老官 案牘を翻し 閑情を寄せて 淑女 琴書を解く 第八十七回 秋の深きに感じ 琴を撫して往事を悲しみ 禅寂に坐し 火を走らせて邪魔入る 第八十八回 庭歓を博さんとして 宝玉 孤児を賛え 家法を正さんとして 賈珍 悍僕を鞭うつ 第八十九回 人亡く物在り 公子 詞を塡し 蛇影杯弓 顰卿 粒を絶つ 第九十回 綿衣を失いて 貧女 嗷嘈に耐え 果品を送りて 小郎 叵測に驚く 第九十一回 淫心を縦にして 宝蟾 工に計を設け 疑陣を布きて 宝玉 妄りに禅を談ず 第九十二回 女伝を評して 巧姐 賢良を慕い 母珠を玩びて 賈政 聚散を参る 第九十三回 甄家の僕 賈家の門に投靠り 水月庵に 風月の案を掀翻く 第九十四回 海棠に宴して 賈母 花妖を賞で 宝玉を失いて 通霊 奇禍を知る 第九十五回 訛に因りて実を成し 元妃 薨逝し 仮を以て真に混じ 宝玉 瘋癲となる 第九十六回 消息を瞞して 鳳姐 奇謀を設け 機関を泄らして 顰児 本性を迷わす 第九十七回 林黛玉 稿を焚きて痴情を断ち 薛宝釵 閨を出でて大礼を成す 第九十八回 苦しき絳珠 魂は離恨の天に帰り 病める神瑛 涙は相思の地に洒ぐ 第九十九回 官箴を守りて 悪奴 同に例を破り 邸報を閲して 老舅 自ら驚きを担う 第一百回 好事を破りて 香菱 深恨を結び 遠嫁を悲しみて 宝玉 離情に感ず
今や皇帝の貴妃となっ元春の里帰りのために、贅の限りを尽くして造営された「大観園」。豪奢の限りを尽くしたこの園に宝玉と少女たちはやがて移り住むが、華やかで幸福な日々の中、なぜか少女たちは悲惨な未来を暗示する謎々を作る──。繊細な美少女・林黛玉の魅力も遺憾なく発揮される、注目の第2冊! 本冊の読みどころ 本冊のおもな登場人物 主要登場人物系図 第十七・十八回 大観園に才を試みて対額を題し 栄国府に帰省して元宵を慶ぐ 第十九回 情は切切として 良ろしき宵に花は語を解し 意は綿綿として 静かなる日に玉は香を生ず 第二十回 王熙鳳 正言もて妬意を弾き 林黛玉 俏語もて嬌音を謔う 第二十一回 賢き襲人 嬌嗔もて宝玉を箴め 俏き平児 軟語もて賈レンを救う 第二十二回 曲文を聴きて宝玉 禅機を悟り 灯謎を製りて賈政 讖語を悲しむ 第二十三回 西廂記の妙詞 戯語に通じ 牡丹亭の艶曲 芳心を警む 第二十四回 酔金剛 財を軽んじて義俠を尚び 痴女児 帕を遺れて相思を惹く 第二十五回 魘魔の法 姉弟 五鬼に逢い 紅楼の夢 通霊 双真に遇う 第二十六回 蜂腰橋に 言を設けて 心事を伝え 瀟湘館に 春に困しみて 幽情を発す 第二十七回 滴翠亭に 楊妃 彩蝶に戯れ 埋香塚に 飛燕 残紅に泣く 第二十八回 蔣玉菡 情もて茜香の羅を贈り 薛宝釵 羞じて紅麝の串を籠む 第二十九回 享福の人 福深きに還た福を禱り 痴神の女 情重きに兪いよ情を斟む 第三十回 宝釵 扇を借りて 機は双敲を帯び 齢官 薔を劃して 痴は局外に及ぶ 第三十一回 扇子を撕きて 千金一笑を作し 麒麟に因りて 白首双星を伏す