著者 : 今村翔吾
戦だけが闘いの場じゃない。命と矜持を賭けた任務への挑戦が今、始まる。刀狩り、太閤検地、醍醐の花見など、豊臣秀吉が仕掛けた大事業を縁の下で支えたのは、尊敬と嫉妬のまなざしを浴びながら五奉行と呼ばれるようになった男たち。ぶつかることも多いが互いの才は認め、敵対勢力の横槍をはねのけ、力を合わせて難事に立ち向かう。『八本目の槍』に次ぐ、石田三成をめぐる歴史お仕事傑作巨篇!
これは、生命(いのち)の唄。 これは、家族の唄。 これは、愛の唄。 直木賞作家・今村翔吾が魂をこめて描く、熱き血潮の流れる真「平家物語」! 歴史とは、勝者が紡ぐものーー では、何故『平家物語』は「敗者」の名が題されているのか? 『平家物語』が如何にして生まれ、何を託されたか、 平清盛最愛の子・知盛の生涯を通じて、その謎を感動的に描き切る。 平家全盛から滅亡まで、その最前線で戦い続けた知将が望んだ未来とは。 平清盛、木曽義仲、源頼朝、源義経……時代を創った綺羅星の如き者たち、 善きも悪きもそのままにーーそのすべて。 生きるとは何か、今、平家物語に問うーー著者
歴史とは、勝者が紡ぐものーでは、何故『平家物語』は「敗者」の名が冠されているのか?『平家物語』が如何にして生まれ、何を託されたか、平清盛最愛の子・知盛の生涯を通じて、その謎を感動的に描き切る。平家全盛から滅亡まで、一門の頭脳として戦い続けた知将が望んだ未来とは。平清盛、木曾義仲、源頼朝、源義経…時代を創った綺羅星の如き者たち、善きも悪きもそのままにーそのすべて。これは、戦の唄。これは、涙の唄。これは、希望の唄。直木賞作家・今村翔吾が描く、夫婦の絆。新聞連載時より話題沸騰の歴史エンターテインメント!
駿河今川氏の家督を継いだものの、彦五郎氏真は隣国の圧迫に抗し切れず没落の一途を辿る。苦難の日々の中、氏真は近江の地で子どもたちの師となり、その未来に明るい光を見る。しかし、天下人・織田信長は、氏真が心通わせた子らを殺害。蹴鞠の名手である氏真が信長に見せた、最後の意地とは…(「蹴れ、彦五郎」)小田原征伐で奮戦した北条氏規を描いた「狐の城」、信玄が廃嫡した武田義信の苦悩の物語「晴れのち月」、江戸を築いた太田道潅を綴る「瞬きの城」など、珠玉の八編を収録。
亡き昌幸とその次男幸村ー何年にもわたる真田父子の企みを読めず、翻弄される諸将。徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永、ついには昌幸の長男信之までもが、口々に叫んだ。「幸村を討て!」と…。戦国最後の戦いを通じて描く、親子、兄弟、そして「家」をめぐる、切なくも手に汗握る物語。
幼い頃、落城によって家族を喪った石工の匡介。彼は「絶対に破られない石垣」を造れば、世から戦を無くせると考えていた。一方、戦で父を喪った鉄砲職人の彦九郎は「どんな城も落とす砲」で人を殺し、その恐怖を天下に知らしめれば、戦をする者はいなくなると考えていた。秀吉が死に、戦乱の気配が近づく中、琵琶湖畔にある大津城の城主・京極高次は、匡介に石垣造りを頼む。攻め手の石田三成は、彦九郎に鉄砲作りを依頼した。大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、信念をかけた職人の対決が幕を開ける。ぶつかり合う、矛楯した想い。答えは戦火の果てにー。「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、圧倒的戦国小説!
民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした青年武将は、なぜ稀代の悪人となったか?時は天正五年(一五七七年)。ある晩、天下統一に邁進する織田信長のもとへ急報が。信長に忠誠を尽くしていたはずの松永久秀が、二度目の謀叛を企てたという。前代未聞の事態を前に、主君の勘気に怯える伝聞役の小姓・狩野又九郎。だが、意外にも信長は、笑みを浮かべた。やがて信長は、かつて久秀と語り明かした時に直接聞いたという壮絶な半生を語り出す。大河ドラマのような重厚さと、胸アツな絆に合戦シーン。ここがエンターテインメントの最前線!
英雄の若かりし日々を描く、零の物語ー十六歳の新人火消松永源吾は、逸る心を抑えられずにいた。同世代には才気溢れる火消の雛たちが台頭していたのだ。そんな折、毒を吐く戦慄の炎が発生。熟練の火消すら生還叶わぬ毒煙に、若輩は出動を禁じられ…。反発する源吾は、加賀鳶の御曹司、最年少火消頭、町火消の新星等くせ者揃いの面々と共に命を救うため立ち上がる!
「一日だけ、儂を晦まして欲しい」-飴売りの仕事を終え、日本橋の波積屋で鮃の昆布締めと肝を肴に一杯やっていた平九郎の元に、口入れ屋の坊次郎が訪ねてきた。幕府御庭番の曽和一鉄という男が、くらまし屋に仕事を依頼したいと話を持ちこんできたという。なんと依頼主は、老中松平武元ー。虚、御庭番、道中奉行…次々とすご腕の遣い手が現れる中、くらまし屋は、殿さまの命をかけた想いをかなえることができるのか!?続々重版の大人気シリーズ第五弾、益々絶好調。
秀吉の配下となった八人の若者。武勲を上げた七人は「賎ケ岳の七本槍」とよばれるようになる。「出世」だけを願う者、「愛」だけを欲する者、「裏切り」だけを求められる者ー。己の望みに正直な男たちは、迷いながらも、別々の道を進んだ。残りのひとりは、時代に抗い、関ケ原で散る。この小説を読み終えたとき、その男、石田三成のことを、あなたは好きになるだろう。共に生き、戦った「賎ケ岳の七本槍」だけが知る石田三成の本当の姿。そこに「戦国」の答えがある!
京の淀藩常火消・野条弾馬は、己が目を疑った。大火の折に生まれ激甚な災禍をもたらす炎の旋風“緋鼬”が大坂の町を蹂躙していた。続発する緋鼬に、それを操る何者かの影を見た弾馬は、新庄藩火消頭取・松永源吾に協力を頼む。源吾は、天文学者でもある風読みの加持星十郎らを連れ大坂へ。しかし、ぼろ鳶組は、炎の怪物を眼前にすると大きな挫折を味わうことに…。長編時代小説、書下ろし。
八朔の日、亥の刻。芝湊町の土蔵に、見知らぬ者の文で呼び出された男たちが、密かに集まってきた。骨董商の仁吉、役者の銀蔵、寄木細工職人の和太郎、浪人の右近、板前の壱助。文の差出人は果たして誰なのか?五人が呼び出された真の理由とは?一方、虚の一味、初谷男吏と榊惣一郎は仕事をしくじり、高尾山から江戸市中に戻ってきた。めくるめく展開に一瞬も目が離せない。まさかのラストに、驚愕すること間違いなし。最強の決闘あり、ミステリーあり、人情あり…無敵のエンターテインメント時代小説、熱望の書き下ろし第四弾。
侍火消にして府下十傑に数えられる鳥越新之助。新庄の麒麟児と謳われた“ぼろ鳶組”頭取並は、闇に堕ちたのか?豪商一家惨殺及び火付けの下手人として手配された新之助は、一家の娘を人質に逃走を続け、火盗改、江戸の全火消の包囲を次々と打ち破っていく。一方、幕府の命で動きを封じられたぼろ鳶組頭取松永源吾は、仲間のため、己のため、決意を胸に立ち上がる。書下ろし長編時代小説。
明和七年、泰平の世となって久しい江戸日本橋で寺子屋の師匠を務める十蔵は、かつては凄腕と怖れられた公儀の隠密だった。今は、貧しい御家人の息子・鉄太郎、浪費癖で親を困らせる呉服問屋の息子・吉太郎などワケありの筆子に寄り添う日々。年が明け、筆子らと伊勢神宮へお蔭参りに向かう十蔵の元へ、将軍暗殺を企てる忍びの一団「宵闇」が動き出したとの報せが届く。危険が及ばぬよう離縁した妻・睦月の身を案じた十蔵は、妻の里へ。筆子たちは、十蔵の記した忍びの教本『隠密往来』をたよりに、師匠を救う冒険に旅立つー。
花魁・花菊は死を希った。吉原の大見世で最高位の花魁となるも、やはりここは苦界でしかない。父母と彼岸での再会を望み、燃え盛る妓楼に身を置いた。だが紅蓮の炎に飛び込んできた男がいた。花菊は業火の中、ぼろ鳶組纏番・彦弥と運命の出会いをするー。連続する火付け、下手人と思しき者の殺害、黒幕が?新庄藩火消頭・松永源吾が情念渦巻く吉原で謎に挑む。