著者 : 伊与原新
第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書 &NHKドラマ10「宙わたる教室」決定! 東京・新宿にある都立高校の定時制。 そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。 負のスパイラルから抜け出せない21歳の岳人。 子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。 起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。 中学を出てすぐ東京で集団就職した70代の長嶺。 「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、 理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、 学会で発表することを目標に、 「火星のクレーター」を再現する実験を始めるーー。 『月まで三キロ』『八月の銀の雪』著者がおくる、 今年一番熱い青春科学小説! 第一章 夜八時の青空教室 第二章 雲と火山のレシピ 第三章 オポチュニティの轍(わだち) 第四章 金の卵の衝突実験 第五章 コンピュータ室の火星 第六章 恐竜少年の仮説 第七章 教室は宇宙をわたる
著者全員東大卒。試験には出ない謎、あります。「泣きたくなるほどみじめな推理」1995年、憧れの従姉を失った私は、彼女の痕跡を探すため東大の文芸サークルに入った。「アスアサ五ジ ジシンアル」地震研に突然届いた1枚のはがき。虹で地震を予知したという「ムクヒラの電報」との関連は。「東大生のウンコを見たいか?」東大卒のミステリ作家・帆立は、親友リリーとともに農学部で起きたウンコ盗難事件の犯人を探す。「片面の恋」五月祭の準備中、クラスメートの熱烈な恋を一瞬にして冷めさせた「片面」の意味とは。「いちおう東大です」美しく完璧な妻がまっさきに提示した新居の条件は、「東大が見えるところ」だった。「テミスの逡巡」現役東大生デビュー作。卒業生の医師を取材した学生メディア「UTディスカバー」のもとに、彼は人殺しだという告発状が届く。恋愛ミステリから戦慄サスペンスまで。オール書き下ろし!
「スイ子」こと山際彗子が故郷へ帰ってきた。太陽系の果ての星を探すため、手作りで天文台を建てるというのだ。彗子に協力することとなった種村久志ら旧友たちは、28年前の青春の日々に思いを馳せる。だが、やがて高校最後の夏の真実が明らかになり…。迷える大人たちは、切ない過去と、行き詰まった日常を乗り越え、再び前進することができるのか?
不愛想で手際が悪いー。コンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた驚きの真の姿。(『八月の銀の雪』)。子育てに自信をもてないシングルマザーが、博物館勤めの女性に聞いた深海の話。深い海の底で泳ぐ鯨に想いを馳せて…。(『海へ還る日』)。原発の下請け会社を辞め、心赴くまま一人旅をしていた辰朗は、茨城の海岸で凧揚げをする初老の男に出会う。男の父親が太平洋戦争で果たした役目とは。(『十万年の西風』)。科学の揺るぎない真実が、人知れず傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇。
「月は一年に三・八センチずつ、地球から離れていってるんですよ」。死に場所を探してタクシーに乗った男を、運転手は山奥へと誘う。-月まで三キロ。「実はわたし、一三八億年前に生まれたんだ」。妻を亡くした男が営む食堂で毎夜定食を頼む女性が、小学生の娘に伝えたかったこと。-エイリアンの食堂。「僕ら火山学者は、できるだけ細かく、山を刻むんです」。姑の誕生日に家を出て、ひとりで山に登った主婦。出会った研究者に触発され、ある決意をするー。-山を刻む。折れそうな心に寄り添う六つの物語。
大学院生の圭は、指導教員の宇賀神と共に、ニセ科学批判の急先鋒である蓮見教授の元を訪れる。そこで告げられたのは、宇賀神のライバルであり、想い人でもあった女性研究者・美冬に関する信じ難い事実だった。神秘の深海パワーで飲むだけでがんが治る、「万能深海酵母群」。「VEDY」と名付けられたニセ科学商品の開発に手を貸し、行方をくらませたのだ。ニセ科学を扱うことは、研究者にとって「死」に等しい。なぜ彼女は悪魔の研究に手を染めたのか?圭は宇賀神に命じられ、美冬の消息を追うが…。すべての真相が明らかになるとき、「理性」と「感情」のジレンマが、哀しい現実を突きつけるー。善意に付け込む、汚染された科学を暴く、サイエンス・サスペンス!東京大学大学院出身の著者が放つ、衝撃作。
地球のN極とS極が反転し始めた。大規模地磁気嵐が発生し、東京上空にオーロラが出現。異様な寒冷化と降り注ぐ宇宙線に不安が広がる中、女性記者浅田柊の耳に奇妙な話が聞こえてくる。都内の病院から妊婦たちが次々と失踪しているというのだ…。謎の団体、脳科学の闇、不可解な妊婦の死。取材の果て、柊が突き止めた恐るべき真相とは。パニックSFの新たなる傑作。
呪いのルビー、ニセモノの化石、大型模型の中に隠された植物標本……博物館には謎がいっぱい! 変人博物学者・箕作と女性分類学者・環のコンビが活躍する「博物館ミステリー」誕生!(解説/吉田伸子)
東日本大震災をきっかけに地震研究所の広報職を辞した準平は、学界の“プリンス”武智要介に、ある計画に誘われる。“チーム武智”の個性豊かなメンバーたちは、次々と立ちはだかる困難を乗り越え、プロジェクトを成功させることができるのかー元研究者の著者による、「科学」への思いに溢れたエンタメ長篇。
火星隕石に生命の痕跡が見つかった。世紀の発見を取材する記者・小日向に“ルカの末裔”から隕石論文の偽装告発メールが届く。研究室には、教授の遺体と方舟形に加工された隕石が残されていた。小日向は“天才”百地教授と謎の解明に乗り出す。東大院卒作家が研究の栄光と暗部を描く、傑作理系ミステリー。
天気予報が大嫌いな気象予報士・菜村蝶子と幼なじみの探偵・右田夏生の元に舞い込んでくるささやかな、でも奇妙な依頼の数々。降らなかったはずの雨や半世紀以上前の雷探し、“誘拐”されたバイオリンや早咲きの桜に秘められた想いを解き明かす鍵は天気予報!明日の天気を願う時、それは誰かの事を想う時ー。あなたの心の雲もきっと晴れるハートウォーミングお天気ミステリー。
昼夜逆転の生活。昼間は眠そうで不機嫌、ときどきアルコールが入っている。嫌われてもひかれても気にしない。中世スペインを中心にした西洋建築史の専門家で、休暇はスペインで過ごすー。学長選挙の迫る地方国立大学に新たに赴任してきた袋井准教授。型破りな「フクロウ」は、閉塞感漂う学内のムードをものともしない。次々とトラブルに首を突っ込み、教授たちのスキャンダルを暴き立てていく。彼の目的は、いったい何なのか?
78万年ぶりに地磁気が急減衰、地球は強烈な宇宙放射線にさらされ始める。深刻な通信障害が発生、巨大ネズミの目撃が相次ぎ、異様な寒冷化が進行、6月の東京に雪が降る。激しい磁気嵐、太陽フレアの恐怖、街に鳴り響く緊急警報。そして奇妙な噂が囁かれる。都内各所の病院から、妊婦たちが忽然と姿を消しているというのだ…。理系ミステリーの新鋭が放つ前代未聞の巨編。未曾有の大変異と驚愕の犯罪が交錯するミステリー大作!
貧乏大学院生で人見知りの律は、不本意ながら成金令嬢・理緒の家庭教師をすることに。科学大好き小学生の理緒は彼女を「教授」と呼んで慕ってくる……無類に楽しい、理系乙女ミステリシリーズ誕生!!
自然史博物館に棲みついた変人博物学者と片付け魔の新人研究者、でこぼこコンビが事件解決のために動き出すー!どんなものも絶対に捨ててはならない。-これは博物館の第一原則だ!
日本を壊滅寸前にした大震災から4年後、刑事くずれのアウトロー巽丑寅は、不思議な魅力を持った少年・丈太と出会う。謎に包まれた彼の出自は、近年起こっている「震災ストリートチルドレン」たちの失踪と関連しているらしい。丑寅は元上司の鴻池みどりと協力し、子供たちの行方を追う。やがて、手がかりが震災で封鎖されたお台場にあることを知った丑寅は、丈太と潜入を試みるがー驚天動地の近未来「本格」アクション!!第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞。
名探偵だって人間だ。時には恋することもあるー小学生ながらもバリバリの“理系女子”理緒が遭遇した謎と、ちいさな恋(「浮遊惑星ホームバウンド」)骨董店を営む兄と検死官の弟が、ある“遺品”の謎を解く(「ローウェル骨董店の事件簿 秘密の小箱」)事故で演奏できなくなったチェリストは、時空を超えたある場所で、天上の音を演奏する少年と出会う(「空蜘蛛」)など、新鋭作家たちが描く謎とキャラクターの饗宴!!