著者 : 伊兼源太郎
志々目春香と藤堂遥。 ふたりのハルカが 日本の闇を撃つ TVドラマ化『密告はうたう』の気鋭が放つ 一気読み必至のシン・警察小説! 外国人殺しの裏に潜む悪の正体とは⁉ 警視庁捜査一課殺人犯捜査第二係に所属する女性刑事・志々目(ししめ)春香と後輩の男性刑事・藤堂遥の〈ハルカ〉コンビ。2023年冬、新宿・大久保のマンションで若いベトナム人女性「リンダ」の死体が発見された。彼女の足取りを追うため、二人のハルカは四国・松山へ向かうが、そこには外国人技能実習制度の深い闇が…。不法滞在者に労働をあっせんする謎の人物・Q、そして彼女を殺した真犯人は、一体誰なのか、たどり着いた驚きの真相とは⁉
警視庁生活安全部少年事件課の山内が暴力団員に捜査情報を流しているとの密告が人事一課監察係に届く。同僚の佐良、皆口とともに監察官の能馬から事前監察を命じられた若手の毛利。行確に向かった新宿歌舞伎町にはトー横キッズが集まり、中学二年の孤独な少年・三崎は偶然預かった薬“あれ”を闇で売ろうと謎の少女・美雪に持ち掛けられていた…。ジンイチ、新たな戦いへ!
商社に勤める結城隼は、ロンドンへの勤務を命じられる。東京での最後の出社日、送別会もなくまっすぐ家に帰るとドアの前でひとりの少女が待っていた。中学卒業以来一度も会っていない、幼馴染の娘だった。彼女の頼みは、行方不明になった母親を探すこと。タイムリミットは、ロンドンへ旅立つまでの五日間。結城は少女と共に、故郷である神戸に向かうがー。「ある罪」によって繋がった仲間たちを描いた、慟哭の長編ミステリー。
管内の犯罪認知件数が全国ワースト5に入るV県警捜査一課に配属された新人キャリア警察官の甲斐彰太郎。彼は、警官一万人以上が所属する大所帯で、実地経験のないまま管理官として放火事件捜査の陣頭指揮を執ることになる。ノンキャリアの警官たちから面従服背の扱いを受けつつも、捜査一課長の大東、一課四係班長の渡辺、所轄署刑事の阿南らの助力を得て、甲斐は県警内で捜査の主導権を確立していく。やがて管内で凄惨な殺人事件が次々と発生。見せしめのごとき死体遺棄と捜査関係者の不審死、その背後には警察関係者が?一連の事件の黒幕を突き止めるべく捜査を始めた甲斐を待ち受けていたのは、十二年前の警官焼死事件に端を発する、V県の警察・政財界を揺るがす一大疑獄だった…。次代を担う警察小説作家が満を持して放つ、渾身のハードボイルド長篇。
検察の機密情報が漏れている?地検職員ながら、警察、政財界にパイプを持ち量刑をも左右すると噂の“陰の実力者”伊勢雅行。次期与党総裁候補にかかるヤミ献金疑惑への糸口を追う最中、想像を絶する“罠”が迫る!
入社2年目の報日新聞記者・永尾哲平は、千葉県下で起きた猟奇的な連続絞殺事件の取材を始める。捜査情報をつかめずに苛立つ記者クラブは県警批判を開始。犯人逮捕の手がかりを得られない県警は、ある取引を報日新聞に持ち掛ける。記者の永尾と県警一課の刑事・津崎庸介。2人は交錯する2つの使命に揺れ動く。
大型特殊詐欺犯罪の捜査資料が流出し、資料に記された逃亡中の詐欺犯たちが次々と変死する事件が起きた。警察内部からの情報漏洩を疑う人事一課監察係の佐良は同僚の皆口菜子とともに、マルタイ(対象者)の刑事を行確するが、突如何者かに銃撃を受け…これは捜査妨害か脅迫か。組織内の熾烈な暗闘も見え隠れするが、本当の悪者はどこに潜んでいるのか!?
ベテラン衆議院議員・久富隆一の秘書を父に持つ藤木花織は、十年近く働いた一流商社を辞め、久富事務所に転職。慣れない業務に慌ただしい毎日を送る中、突然久富から呼び出され、父と一緒に財務秘書ー“金庫番”になるよう打診される。実は政治が好きでもなければ、興味もなかった花織は、誰にも明かせぬ理由を胸に、この世界に飛び込んでいたのだが…。
警察職員の不正を取り締まる部署、警視庁人事一課監察係に所属する佐良は、元同僚で、現在は運転免許試験場に勤務する皆口菜子の監察を命じられた。彼女が免許証データを売っていると、内部からの密告があったのだ。佐良は、上司とともに皆口の尾行を始めるが、やがて自らも関わった未解決事件との接点が…実力派の俊英が放つ警察ミステリー!
東京地検特捜部の検事・中澤源吾と特捜部機動捜査班の事務官・城島毅。高校時代野球部のダブルエースだった二人は、ある事件をきっかけに「検察」の道を選ぶ。二人の前に立ちはだかる、政治家、企業、秘密機関ー「消えた二兆円」。真相に辿り着く過程で明らかになる現代の「巨悪」の正体とは。元新聞記者の著者渾身の検察ミステリー巨編。
湊川地検の総務課長、伊勢雅行。地検の事実上トップである歴代次席検事の懐刀。地検内の事務全般だけではなく、地元政財界との太いつながり、時には量刑の判断にまで関わっていると言われ、湊川地検で起きることの裏には、必ずこの男の存在があった。真っ白な髪から「白い主=シロヌシ」転じて「S」、あるいはスパイめいた暗躍から「エス」と呼ばれている。検事でもない総務のトップがなぜ…。
「あなたはSNSについてどう思いますか?」街頭インタビューで否定的に答えた、平凡なサラリーマンの今光。その姿が朝のニュースで放送されてから、彼の身に偶然とは言いがたい危険が次々に襲いかかる。混み合う駅のホームで押され落ちかけたり、頭上に鉢植えが落とされたり。今光は、中学時代の同級生の女性刑事と真相を追うが、背後には得体の知れない巨大な黒幕が迫ってきてー。第33回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
大学に入学してすぐに知り合った南部と門脇は、互いの一風変わった正義感に意気投合した。だが、行きつけの居酒屋で巻き込まれたトラブルが原因で、南部の彼女がいたぶられ死ぬ。しかも二人に突きつけられたのは、その様子を収めた映像をばらまくという脅しだった。一度は屈服せざるを得なかった彼らは、いつか復讐をと願いながら、悪事に手を染めていく。だが、門脇には不治の病による死期が迫っていた…。横溝賞作家、渾身の社会派エンタメ!!