著者 : 伴野朗
巨星・〓@68B0@小平が遺書を残した!天安門事件を謝罪し、華南の経済的独立を認めると!江沢民体制を揺るがしかねないこの遺書の真偽は?追放された人民解放軍一級狙撃手、天安門事件の美しき民主派リーダー、香港の大富豪、台湾の凄腕工作員、アメリカの天才情報分析官をまきこんで、香港返還記念式典で何が起きるのか!?中国小説の雄が初めて同時代の中国に材をとった謀略冒険ミステリー!「文芸ポスト」連載、待望の単行本化。
「朕に北顧の憂いなし」-太祖洪武帝にそう言わしめた朱棣(永楽帝)は父の武勇、才気を最も色濃く受け継ぎながら、四男ゆえに燕王として北平(北京)の地にあった。しかし溢れる野心は、彼をその地位に甘んじさせてはおかなかった。朝廷は建国の元勲が次々と粛清され弱体化していた。朱棣は遂に叛旗を翻す。靖難の変の始まりである…。
東アジアの利権をめぐり列強の思惑が錯綜する1901年ロンドン。日英同盟を阻止すべく、日本側全権公使を狙う刺客が放たれた。一瞬にして刃で喉を掻き切る凄腕。もと京劇の女形、コード名「朱雀」とスコットランド・ヤードの死闘が始まる。時代の転換期に蠢く郡像を活写した巨編。
漢の英傑・武帝、七十年の生涯。『太陽王』と称えられる漢の武帝。西域経営を始めとする対外膨張、対匈奴討伐、儒教の国学化などで、漢の威令は東アジアを圧した。しかし、年老いた武帝は、皇太子と皇后を自殺に追いやってしまう。光と影に彩られた武帝の波乱に満ちた生涯を描く、スペクタクル大歴史ロマン。
元末、王朝は内訌に明け暮れ、各地で、白蓮教の反乱が起こった。淮西出身の流浪僧・朱元璋は反乱軍に身を投じ、めきめき頭角を現す。こうして長江流域に三つの反元勢力が鼎立することになった。集慶(南京)の朱元璋を挾み、西の陳友諒、東の張士誠である。天才軍師・劉基を三顧の礼を尽くして帷幕に迎え入れた朱元璋は彼の言に従い、陳友諒を討つべく、史上名高い〓陽湖の戦いに臨む。本格中国歴史長篇。
1901年10月、霧の都ロンドンである事件が発生した。日英同盟締結の外交交渉にあたっていた日本の全権公使・林董が、何者かに狙撃されたのだ。現場に居合わせたスコットランド・ヤードのフラナガン刑事は、早速捜査に乗り出す。遺留品からポーランドの秘密結社が、さらにその後ろで糸を引くロシアの影が浮かび上がる。そのころ、ロシアの秘密警察オフラーナは、清の実力者・袁世凱に新たな刺客の派遣を要請していた。袁がロンドンに送り込んできた凄腕の刺客は、暗号名『朱雀』。京劇の女形役者出身の、美貌の青年だった…。
首都圏のベッドタウンとして都市化が進む滝川市。人口の増加とともに犯罪も増えた。この街の治安を守るのが滝川署である。「輪さん」こと輪王寺巡査部長は、署内、管内に知らぬものはない生き字引的存在だ。近隣では自動販売機荒しが多発している。手掛かりのない中、今度は身元不明の女性の他殺死体が発見された。自分の足で回るーこれが刑事の仕事よ。輪王寺の聞き込みが始まった。捜査ミステリー傑作。
明朝未期の海商を父に、日本人を母に持った鄭成功は、海上貿易の巨利を背景に、父を屈伏させた清朝と対決する。〓門を奪って拠点にし、また台湾を占拠していたオランダを追放して台湾解放もなし遂げた。だが彼の願った明朝の復活は夢に終る。日中混血の海将の波瀾に満ちた生涯を日中双方の視点で描く傑作。
19世紀末、フランス統治下のベトナム。政府は民族独立を掲げる神出鬼没のゲリラ〈九頭の龍〉に手を焼いていた。彼ら一味を殲滅せんとする仏大佐メニュリーは作戦「オペラシオンU」を計画、伝説的な工作員モンギランを起用する。“U”とは一体何を意味するのか?一方、日本帝国海軍は新鋭巡洋艦「畝傍」を仏造船所に発注、軍備増強を目論む。それを阻止せんとする清国工作員…。長篇海洋冒険小説。
陳友諒、そして私塩密売人出身で平江(蘇州)の富を手中におさめた張士誠-である。元朝がすでに形骸化し、その権威が地に堕ちたいま、長江を制した者が中華の覇者となることは、誰の目にも明らかであった。朱軍幕下には同郷・淮西出身の猛者がひしめいていたが、智謀の将と呼べるのは、わずかに李善長と憑国用のみであった。その憑国用の強い懲慂により、朱元璋は三顧の礼を尽して劉基を帷幕に迎えいれる。漢の張良、蜀の諸葛孔明にも比される天才軍師・劉基を得た朱元璋は、彼の言に従い、西の宿敵・陳友諒を討つべく、戦いに臨む。