著者 : 佐々木裕一
江戸史上で、最も悲しい姫ー時は江戸元禄。赤穂藩主・浅野内匠頭が江戸城中松の廊下で、勅使饗応役の高家筆頭・吉良上野介へ刃傷に及び、切腹。国を失った浪士の中には、主君の無念を晴らさんと、堀部安兵衛を旗頭に仇討ちを志す者たちが現れた。一方、夫の遺言もあって、忠死を望まない阿久利(瑤泉院)は、浪士らを思い止まらせるべく、将軍・徳川綱吉の生母・桂昌院へ御家再興の嘆願をはじめる。だが、阿久利の努力も虚しく、御家再興は成らず、元国家老の大石内蔵助は安兵衛ら浪士とともに、吉良邸に討ち入る。広島三次ゆかりの姫を、同郷出身の作家が描く、書き下ろし時代小説。
広島三次藩に生まれた阿久利は、播磨赤穂藩の浅野内匠頭に輿入れし、大名火消しや勅使饗応、藩の政治に励む良人を支えてきた。が、内匠頭が高家筆頭・吉良上野介の「ある依頼」を断り、さらに五代将軍徳川綱吉の側近・柳沢出羽守から「ある事件」で不興を買ったことで、平穏な暮らしに目に見えない罅が入りはじめるー。政務多忙に加え、執拗な吉良の嫌がらせに、やがて身心を病んでゆき、つかえを発症した内匠頭は、ついに江戸城中で刃傷に及んでしまう。良人の即日切腹を聞かされながらも、家臣へ気丈に差配する阿久利に、堀部弥兵衛・安兵衛親子、片岡源五右衛門、磯貝十郎左衛門らは血涙を流す。吉良邸討ち入りまで、赤穂浪士の希望となった阿久利の半生を描く。
闇将軍との死闘で岩倉が深手を負った。闇将軍の底知れぬ力に危機感を抱いた左近は、配下の小五郎たちに探索を命じるものの、なかなか尻尾をつかめず焦りを募らせる。一方、四谷忍町での闇商いの企てが頓挫した闇将軍は、七軒町を新たな舞台にした壮大な計画を進めていたー。次期将軍と闇将軍、ついに決戦の時来たる!葵一刀流が悪を斬る!大人気時代小説シリーズ、驚天動地の第四弾!!
急逝した旗本の若殿・葉月定光と瓜二つだったため、身代わりとなった村上虎丸。だがある日、虎丸が広島藩士だった頃に殴り合いをした男・高里歳正が定光に拝謁したいと現れた!ばれたら一大事と寝所に押し込められた虎丸。一方、公儀からは、石見から大量の銀が輸送される三月後までに、賊・鬼雅を捕らえよとの難題が。鬼雅はかつて瀬戸内海を荒らしていた海賊で、歳正とも深い因縁があったのだったー。シリーズ第4弾!
信平を美しい公家の姫が訪ねる。客間に籠もり夜更けまで話し込む二人の関係を心配する妻の松姫。幼馴染の信平を頼り、ひとり京から江戸に来た女・西園寺薫に何があったのか?愛息・福千代の元服と将軍・家綱への拝謁を控え、緊迫した空気が漂う松平家。どこからでも読めるエンタメ度満点の大人気時代小説。
表の顔は大店の若旦那。裏の顔は公儀隠密。許嫁のため隠密を辞めたいと願う藤次郎は、塩の買付のため四国高松に向け出帆した。だが真の目的は蟄居先から失踪した元丹波領主・湯木の探索。海上で襲い来る刺客、湯木抹殺を目論む黒幕の存在、更に発覚した身内の裏切りー。持ち前の才気と伝来の必殺剣で窮地を脱せるか!?大人気シリーズ、堂々完結。
米問屋のあるじばかりを狙った辻斬りが現れた。同じ下手人に斬られたと思しき旅の侍の骸も見つかり、市中を不安が覆う中、半月前に越後から来たという中年の夫婦が小五郎の煮売り屋に通いつめるようになる。人のよさそうな二人であったが、人知れず闇将軍のことを口にしていたのを知った左近は、小五郎に夫婦を調べるよう命じるー。葵一刀流が悪を斬る!大人気時代小説シリーズ、瞠目の第三弾!!
急逝した旗本の若殿・葉月定光の替え玉となった広島藩士・村上虎丸。凶悪な川賊一味を捕らえたことで川賊改役控えを拝命、千石を加増された。早速、早船造りと家来探しを始めるものの難航し、なぜか葉月家の悪い噂まで流れる始末。そんな折、虎丸は悪徳商人の積荷を奪う義賊の川賊が現れたと耳にする。なんとかせねばと屋敷を抜け出し奔走する虎丸。だがある日、虎丸の眠る寝所に何者かが忍び込みー。緊迫のシリーズ第3弾!
信平の後ろ盾として心強かった義父・徳川頼宣は、春の訪れを前に静かに世を去った。祖父を慕っていた福千代の悲しみは深く、信平は気分一新のため福千代に馬を与え領地の視察に赴かせる。逗留先に落ち着いた矢先、道に倒れていた女を匿う福千代。業物の剣を持つ美しい女は何者なのか。面白さ迫真の時代活劇!
貴船屋の企てを退け、無事お琴たちとの再会を果たした左近。浜屋敷のそばでお琴が三島屋を再開するなど、新たな日々がはじまるなか、権八夫婦の暮らす長屋に仇討ちの若い兄妹が転がり込んでくる。仇捜しに江戸中を奔走し疲弊している様子の兄、戸川亀彦を案じた左近は助力を申し出るが、亀彦が捜す仇とは、左近もよく知る人物だったー。葵一刀流が悪を斬る!大人気時代小説シリーズ、絶好調第二弾!!
浪人姿に身をやつし、市中に繰りだし、悪を討つ。秘剣、葵一刀流を遣うその男の正体は、のちの名将軍、徳川家宣ー!五代将軍綱吉のたっての願いで、世継ぎとして江戸城西ノ丸に入って三年。徳川綱豊としての平穏な日々を過ごしていた左近だが、密かにこころを交わすお琴の身に危難が訪れていることを知り、ふたたび浪人新見左近として市中に出ることを決意する。大人気時代小説シリーズ、新章開幕!
信平の領地、岩神村に非常事態が連続する。青々とした稲が枯れ、代官は毒を盛られ、米盗みの疑いで村民が捕らえられる。隣村を預かる旗本が詫びの印として求めたのは、信平の隠居か鷹司家秘蔵の陶器だった。やむを得ず公儀に内密で領地へ赴く信平を更なる試練が襲う。「公家武者シリーズ」面白さ倍増の第四弾。
御家断絶の危機を救うため、旗本・葉月家の身代わり若殿となった虎丸。ようやく家来一同への顔見せを果たすと、次は将軍謁見に備えて稽古に励む。虎丸にとって、御目付役の目が光る殿中での非礼は命取りだ。だが、困難は次々と降りかかる。公儀が芸州虎丸を捜し始めると川賊が再び動き出し、葉月家も飯米五百石を奪われてしまう。さらに、大老格の柳沢吉保と先代・葉月定義の確執も判明し…風雲急を告げる、シリーズ第2弾!
若殿の定光が急逝し、御家断絶の危機に瀕した旗本・葉月家が考案した奇策。それは、若殿の身代わりを立てることだった!定光と瓜二つの広島藩士・村上虎丸は懇願され、葉月家の江戸屋敷に赴く。だが海賊の末裔の家で逞しく育った虎丸は、日焼けが治り痩せるまでは外出禁止、芸州弁も厳禁だ。さらに若殿には、娶ったばかりの妻がいたのだ!公儀にも妻にもばれたら一大事の中、江戸の悪に立ち向かう。新シリーズ、堂々開幕!
将軍の命により信平は久しぶりに上洛、帝から将軍家との縁を一層深めよとの激励を受ける。しかし、師匠の道謙は剣鬼に斬られ床に臥せていた。信平は若き女陰陽師・光音の導きにより、剣鬼・左門が潜むという比叡山に入る。立て続けに現れる刺客、寵愛著しい信平への嫉妬…時代小説の醍醐味溢れる第三弾!
将軍家の密偵としての顔を持つ大店の若旦那藤次郎が抜け荷の疑いをかけられ、小伝馬町の牢屋敷に送られた。噂は瞬く間に町を駆け巡り、商売は上がったりに。さらに許嫁の父の哀しい過去に端を発した事件も勃発し…。その資金力、秘伝の剣術で数々の危機を潜り抜けてきた若旦那、終に万事休すか!?江戸の風情と人の情愛が胸に迫るシリーズ第三弾。
信平の下城中、とんでもない暴れ馬が現れ町は騒然、逃げる馬を怪力の家来・佐吉がやっとの事でつかまえる。馬の持ち主は弟の借金を返すため馬を売りに来たという無役の貧乏旗本。借金取りに脅され身体は痣だらけなのに仔細を話さず信平は訝しむ。馬が暴れた真相は如何に?絶好調「公家武者シリーズ」第二弾!
公家から武家となった信平が、幕府転覆を目論む強敵を秘剣・狐丸で倒してから三年、命を狙われた愛妻・松姫の心の傷は未で癒えない。しかし、剣客を狙う辻切りが出没していると聞いた信平の心に正義感が蘇る。封印した愛刀がついに鞘から抜かれるのか?大人気・公家武者新シリーズ、講談社文庫より見参!
老中だった父の横死に絡む御家騒動のため、公儀に病死と届けられ、居場所を失った大垣沖信。彼は月島真十郎と名を改め、用心棒稼業に身をやつすが、やがて幕府内に蠢く悪事に単身斬り込んでいく!父の復讐に燃える真十郎の剣が私腹を肥やす悪を薙ぐ、書き下ろし新シリーズ。