著者 : 佐々木裕一
若返りの秘薬を盗んだ者への懸賞金をかけた貼り札が江戸市中に貼り出され、将軍の耳にも入る。そんなこととは露知らず、隠した秘薬で若さを愉しむ隠居老人・小六を突然に襲ったぎっくり腰。罹った町医者から連続不審死の話を聞きつけ、不甲斐ない新米同心の孫の手柄を作ってやろうと発奮する小六だったが…。
江戸・京・大坂に店を構え、大名貸もする塩問屋の若旦那・藤次郎はある日突然父から驚愕の事実を知らされる。商人は仮の姿、真の姿は代々将軍家に仕える隠密だというのだ。商人として生きたいと願い出るが、徳川家治から条件を出される。後継争い、御家再興、辻切り…藤次郎は、持ち前の上品さと資金力、家伝の必殺剣で難題を解決していくがー。
齢六十五、元定廻り同心の小六は足腰も弱り、剣術が苦手な見習い同心の孫・晋之介にさえ呆れられている。小六は偶然手に入れた若返りの秘薬を使って、晋之介の捕物の手助けを思いつく。青年に若返り晋之介の面前で悪党を退治した後、孫にとっさに告げた名前は「源十郎」。痛快度満点の超娯楽時代小説ここに開幕。
紀伊勝浦藩の御家騒動に仕掛けられた、老中の罠を切り抜けたジョゼフ按針。共に戦った松平慶次郎に従って長崎に赴き、キリシタンたちの動静を探っていた。一方、黒幕の老中は、ガレオン船団を率いるポルトガルの代表と密会していた。島原で高まるキリシタンたちの緊張の裏には、老中とポルトガル人のさらなる陰謀が!破天荒な旗本の活躍を描く時代活劇、完結編!
化け物退治を仕方なく請け負っている広島藩士・京嵐寺平太郎。ある日、平太郎の夢に“山の神”と名乗る美しい女が現れた。女から箱根山を襲う大百足退治を頼まれた平太郎は、山の方角の空が奇怪に赤く染まるのを見て、日本征服を目論む真之悪太郎の仕業だと直感する。平太郎は、白狐のおきん、三つ目入道の樋熊長政と箱根に向かうが…。日本を守るため、妖怪仲間の総力を結集した最後の戦いが幕を開ける。シリーズ、堂々完結!
「死にたくなければ、大人しく龍眼を渡せ」幻の秘宝龍眼はどんな病も治す薬の原料である。だが実は、豊臣秀吉の莫大な財宝の鍵でもあった!大御所吉宗からそれを盗み出していた元御庭番里見伝兵衛。しかし彼は一切の記憶を失っていた。一方で豊臣の末裔、吉宗、将軍御用取次、尾張徳川家まで加わった争奪戦が勃発、その最中、記憶が甦るが…。老忍者の矜持を見よ!
見事な花を咲かせる桜の古木と、その木を見守り続ける老齢の植木職人の姿を描いた表題作「さくら」。女房に間男がいることを知った朝顔売りの懊悩と、男女の心の機微を取り扱った「いい女」など、心に沁みる四つの物語を収録した書き下ろし時代短編シリーズ、待望の第二弾。
紀伊勝浦藩主・安田義治に対して養子の慶次郎が謀反を企てている疑いがあり、ジョゼフ按針に慶次郎を捕らえるよう命が下る。しかしこれは、ジョゼフを再び陥れようとする老中の陰謀で、さらに慶次郎には出生の秘密が…。はたしてジョゼフはこの黒い罠を破ることができるのか!?イギリス人三浦按針を父にもつ、破天荒な旗本の活躍を描く時代活劇、待望の第二弾!
大名の側室となり、国許から江戸へ出た、庄屋の娘・もみじ。藩主の寵愛を受け幸せに暮らしていたが、男児を産んで以来、正室の態度が一変する。その後、国許の村は怪しい気配に包まれた。化け物退治を得意とする京嵐寺平太郎は、藩主からの懇願を受け、妖刀茶丸を携えて、三つ目入道、白狐のおきんら妖怪仲間と村に向かう。そこで平太郎は哀しい事実を知ることとなるー。切なさが胸に迫る、書き下ろしシリーズ待望の第5弾。
徳川家康が重用したイギリス人三浦按針を父に、日本人を母にもつ三浦ジョゼフ按針。父亡き後、旗本の地位と領地、朱印状を継いだ。ある日、嵐により持ち船が難破、三浦半島に漂着したジョゼフは、その地を治める衣笠藩のお家騒動に巻き込まれる。背後にはジョゼフを追い落とそうとする老中の陰謀が…。破天荒な旗本の活躍を圧倒的スケールで描く、新たなる時代活劇!
腕のいい蝋燭職人の父との確執から家を飛び出した照介は、十年に亘る放蕩無頼の生活の末、実家である蝋燭問屋に舞い戻る。すでに父は亡くなっており、家業は弟の次郎が継いでいたのだが、往時の繁盛ぶりは見る影もなく…。(「あかり」)-家族の愛憎を扱った表題作をはじめ、米つき屋、廻り髪結いなど、江戸の市井で懸命に生きる人々の、日々の暮らしぶりや人間模様を描いた、傑作人情絵巻シリーズ第一弾。書き下ろし時代小説。
将軍徳川家重の隠れ御庭番、里見伝兵衛。彼は秘宝「龍眼」を求めて江戸城に忍び込むが、罠にかかり、逃亡。その最中に記憶を失い、好々爺となってしまった。しかし、御庭番としての技だけは体に染みこんでおり、山賊に襲われる猟師の村を護り、破落戸に狙われた商家を救う。だが、その活躍で伝兵衛の生存を確認した幕閣が、最強の刺客を放った…!痛快時代小説。
広島藩士の京嵐寺平太郎は、故郷の“たたり岩”の封印から解き放たれた魔王・真之悪太郎の行方を追っていた。ある日、長屋で大天狗と将棋をさしていると、上役の佐伯が飛び込んできた。将軍家重へ、宝刀を献上に上がった腰物奉行の家来が、宝刀を抜いて暴れ、斬られても死なぬというのだ。三つ目入道ら妖怪仲間と城へ急ぐが、この事件により、怪刀に秘められた悲しい過去と悪太郎の意外な正体を知るー。人気シリーズ第4弾!
九代将軍徳川家重。彼は言葉が不明瞭なため、実権は父吉宗が握っていた。しかし、家重は苦しむ民を無視する父に反発し、自らの手で政をと願っていた。引退した御庭番・里見影周こと伝兵衛は、その思いを知る数少ない家臣であった。彼は家重の病を治す秘薬の存在を知り、旅に出ることに。吉宗、そして権力の座を狙う者の妨害を潜り抜け、無事に薬を届けられるのか!?
「貴様の里を焼き払うてくれる」不気味な笑い声を残し姿を消した巌道。妹の真娯萌らの住む故郷を思い不安な日々を過ごす平太郎に、またもや化け物退治の命が下る。旗本の跡取り息子にできた瘤を、なんとかしてほしいというのだ。驚くべきことに、瘤から鬼が生まれるという。妖刀茶丸を携え、妖怪仲間と解決に乗り出すが、それは、恐ろしい災厄の前触れだったー。平太郎は故郷と仲間を救えるか?大好評シリーズ第3弾。
病に伏せっていた将軍家重の側近、大岡出雲守忠光が、闇夜に化け物に襲われた。辛くも撃退するが、その正体を探るべく、またもや京嵐寺平太郎に白羽の矢が立てられてしまう。平太郎はいやいやながらも、幼馴染の妖怪大将・樋熊長政の力を借り、小さな雷の妖怪“らいき”を肩に乗せた大田道寛とともに化け物を追うが…。江戸を賑わす怪事件の元凶が、ついにその正体を現す!妖怪痛快時代小説、緊迫のシリーズ第2弾。
宝暦2年。江戸では怪事件が相次いでいた。つむじ風とともに大名家の姫を攫いに現れたのはー鬼だった。広島藩の下屋敷でのんびり暮らしていた京嵐寺平太郎は、突然幕府の命を受け怪事件解決に乗り出す羽目に。だが事件の裏には、徳川家に怨念を抱く僧侶の影が…。幼馴染の三つ目入道や妖艶な白狐のおきん、気まぐれな“妖刀茶丸”など、仲間の妖怪たちと力を合わせて立ち向かう、妖怪痛快時代小説、シリーズ第1弾。
亡き友の遺志を継ぎ、東海道を江戸へと向かう佐之介は人助けや悪人退治をしながら、そして女たちからの甘い誘惑とも戦いながら、ようやく箱根にたどり着く。しかし、峠への急峻な坂道で、謎の刺客たちに襲われ、打ち負かすも深手を負い、意識を失う。気がつくと、腹に包帯が巻かれ、どこかで見たような若い女がいて…。甘い顔立ちの優男ながら、天下無双の遣い手、春山佐之介の大活躍を描く、ますます快調のシリーズ第二弾。
三国同盟破棄をドイツとイタリアに通達した日本政府は、ドイツに対して正式に宣戦布告。連合国に加えて、ドイツとも戦争をすることになった日本の喫緊の課題は、中国との同盟成立だった。海軍が中国を援助するアメリカのビルマ・ルートの破壊に動く一方で、石原莞爾が中国との交渉の切り札となる満州に飛ぶ…。その頃ホワイトハウスでは、中国情勢の急変を受けて開かれた緊急会議でルーズベルト大統領の怒りが爆発。遂にアジアへの進撃命令を発した。新鋭が壮大なスケールで描く人気シリーズ第2巻。
西暦2111年、第三次大戦下の地球。アメリカの挑発に乗ったロシアは、戦乱を終わらせるため戦略核兵器軍による大陸弾道ミサイル発射に踏み切る。それは、アメリカの描いた地球破壊のシナリオ通りだった…。宇宙ステーション「きぼう」に所属するシャトルから、日本列島が消滅する様子を五人のクルーが見つめていた。彼らにはもはや帰るべき場所は存在しなかった。彼らにできることは、核兵器のない世界を実現するため、後戻り不可能な時空移動の旅を実行することだった。石原莞爾、米内光政、山本五十六、東条英機らを巻き込んだ新たなる楽園を築くための戦いの先に待ち受ける未来は。