著者 : 佐和誠
夜間は外出禁止となる内戦下のサラエボ。ある夜、殺人課のブラド警部は帰宅途中に特殊警察本部長の射殺死体を発見した。事件の担当を命じられたブラドは、本部長が闇マーケットに関係していたという証言を得る。やがて、彼の扱っていたものが莫大な金を生みだすことを突きとめたとき、ブラドを裏切りの罠が!瓦礫の街サラエボの暗部をリアルに描いた、話題沸騰の警察小説。英国推理作家協会賞最優秀処女長篇賞受賞作。
ドイツの誇る無敵戦艦が二隻の巡洋艦を従えて出撃したーこの情報は英国海軍を震撼させた。折りしもカナダからは、大船団が英国を目指している。また、米兵二個師団を乗せた二隻の豪華客船も洋上にあった。出撃がこのいずれかを狙ったものであることは明白。強敵を捕捉すべく、英国海軍は全艦船に出動を命令。やがてキャメロン指揮する駆逐艦のレーダーに三つの影が浮かび上がった。巨艦との死闘を描くシリーズの白眉。
精強な独Uボート群が跳梁する大西洋を進む英国輸送船団。その司令官を務めるケンプ准将は極秘電を受領した。折しもチャーチル首相がローズベルト大統領との会談のため近くを航行中。それを察知した独海軍が強力な水上部隊を投入したというのだ。英国海軍は敵を阻止すべく船団の護衛艦隊を急派、ケンプらは無防備なままUボート群のただ中に。英国を救った「大西洋の戦い」における語られざる英雄たちの姿を描く海洋小説。
老朽駆逐艦パラタインを指揮するキャメロンに与えられた任務は、無謀とも思えるものだった。同型艦二隻とともにドイツ占領下のブレスト港に突入し、建設中のUボート基地を破壊せよというのだ。基地が完成の暁には、連合軍の海上補給路は常時その脅威にさらされる。海兵隊の奇襲部隊を分乗させた三隻は、夜陰に乗じて港内に突入を敢行。だが敵の反撃は熾烈をきわめ、先任指揮官は戦死、作戦の成否はキャメロンの双肩に。
中立国スペインのカディス港に停泊するドイツ商船カイザーホフ。その正体は、50隻の小型潜水艇を収容する潜水母艦だった。もしこれが出撃すれば連合軍にとって大きな脅威。キャメロン少佐は海軍情報部より同船奪取の命を受けてスペインに潜入する。だがそこで待ち受けているのは、敵味方さえ定かならぬ諜報戦。しかも折悪しくカディス沖には米海軍機動部隊が接近中だった。はたしてキャメロンの奪取作戦は間に合うか?
上陸部隊を従えた日本の巡洋艦戦隊が、南大西洋の英領フォークランド諸島に向かった。同島を占領し、英国の補給線を脅かすのが目的だ。英国海軍は南米南端のビーグル海峡で日本艦隊を迎え撃つべく、キャメロン少佐指揮するコルベット艦ブライアを派遣する。初の指揮艦を得たキャメロンだが、たかだか千トンの小艦に対して日本艦隊はあまりに強大。海峡の狭隘部を爆破して敵を阻止せんとする捨て身の攻撃は成功するのか?
砂漠の戦争に終止符を打つべく、連合軍は北アフリカで上陸作戦を開始した。激戦が続くなか、キャメロン大尉の乗るコルベット艦オレアンダーは、密命を帯びてアルジェリア北部のさびれた港町へ向かう。そこではドイツ軍が細菌兵器を用いた反撃の準備を進めていた。連合軍将兵を大量殺戮から救うには、これを破壊しなければならない。キャメロンはわずかな部下を率いて、敵基地への夜襲を決行するが…。シリーズ第7巻。
地中海最大の激戦地マルタ島。独伊軍の猛爆撃の前に全滅寸前となった英国海軍の同島守備隊を救うべく、英国政府は輸送船団を派遣した。その護送部隊の一翼を担って、キャメロンの乗る駆逐艦も出撃する。だが、行く手には独空軍の誇る急降下爆撃機隊の執拗な攻撃と、狂暴なEボート戦隊、さらには恐怖の機雷原が待ち受けていた。絶望的な状況下で、キャメロンは被雷した油槽船の指揮を命じられるが…。シリーズ第6弾。
軍需物資を満載してソ連に向かう輸送船団の護衛作戦ーそれは北極圏の想像を絶する寒さと暴風雨にさらされる、英国海軍最悪の任務だった。しかもキャメロン大尉の乗るフリゲート艦スプリンターには、さらに困難な任務が課せられていた。独ソ戦の勝敗を左右する重要人物2名を、ムルマンスクへ極秘裡に護送せよというのだ。だがバレンツ海では、強力なドイツ艦隊が満身創痍の輸送船団を待ち受けていた。シリーズ第5巻。
開戦から二年、ドイツの通商破壊作戦はイギリスに深刻な物資の欠乏をもたらしていた。ここ南大西洋でも二隻の武装商船が猛威をふるい、貴重な積荷を載せて英国本国へ向かう輸送船がつぎつぎと海の藻屑にされていた。この兇暴な敵を捕捉・撃沈すべく、全速で南下する巡洋艦船ノヘサンバーランド。その艦上には大尉に昇進したキャメロンの姿もあった。だが同艦の行動を探知したドイツ海軍は、はるかに強力な新鋭重巡洋艦を投入して追跡作戦を開始する……。祖国の命運と自己の誇りを賭けて、いま海の男たちが激突する。海洋冒険シリーズ第4巻。
パキスタンの核科学者ナジムがひそかに西側へ接触してきた。英国情報部の長官ネアンは彼を操ってパキスタンの核兵器計画を探るべく、かつて部下だった美貌の女性サラを彼に接近させる。ナジムは徐々にサラに魅了されていき、一方サラも彼に心惹かれていった。が、ゴルバチョフ放逐を図るソ連軍幹部の密謀が渦く中、やがてサラたちは死の縁に追いやられた。『第3の裏切り』の俊英が現実の国際情勢をもとに描く会心のスパイ小説。
訓練中の米空母を鳥の大群が襲った。乗組員は全滅、最新鋭の見えざる戦闘爆撃機が行方不明に。シリーズの棹尾を飾るにふさわしくレモとチウンが凄絶な戦いをくりひろげる。
白波を蹴立て、キャメロン中尉の乗る外洋臨検船キャッスル・ベイ号は、ノルウェーの北部に向かっていた。フィヨルドの奥深くに造られたドイツ軍の秘密基地ーそれを破壊する奇襲部隊を運び、秘かに上陸させることが与えられた任務だった。それは困難な命がけの任務といえた。フィヨルドは狭く曲がりくねり、断崖に囲まれて密易には進入できない。基地には厳重な警戒網が張りめぐらされている。しかも、キャメロンらを狙って、ドイツの巨艦が迫ってきたのだ!苛酷な戦場で、海の男の意地が、闘志が燃え上がる!迫力溢れるシリーズ第3巻。
1941年、ドイツ軍の猛攻に抗しきれず、連合軍はギリシアから撤退し、クレタ島へ渡った。だが、ドイツ軍の攻撃は執拗に続き、同島は戦乱の炎に包まれる。折りしも、中尉に昇進したキャメロンは、英国駆逐艦フォーフデール号に乗り、クレタ島へ向かっていた。やがて彼は、パルチザンの大物を島から救い出す任務を受ける。その男は、戦争の行方を左右する情報を持っているという。重大な使命を達成すべく、キャメロンは数名の部下を引き連れ、決死の覚悟で島へ潜入するが…。第二次大戦を舞台に、海の男の勇壮な戦いを描く好調シリーズ第2巻。
合衆国の陸軍基地で奇妙な事件が続発した。何人かの従軍僧が姿を消し、ついで兵士たちがゾンビーと化した。宗教の力でアメリカ軍をわがものにせんとする伝道者とレモの対局。