著者 : 佐藤哲也
「これは宇宙戦争なんだ」謎の生命体が地球に侵略してきた。緊迫した状況の中、“ぼく”が気になるのは久保田葉子のことばかり。精神的な“ぼく”が恋などという“迷妄”に踊らされることはない、はずだった。ライバル的存在の平岩、B級映画に詳しい倉石、四人は危機的状況を無事に脱することはできるのか?そして“ぼく”の“迷妄”の行方は?青春SF小説の金字塔的作品。
読みまどい、辿りつけ。きっとあるはずだ。竹林(と美女)の理想郷が。十人の人気作家による「美女と竹林」モチーフの新作短編集。
地球発の船は、その惑星に到着した。その星では船がゆるやかに川を下り、すべての岸には悲劇と喜劇が溢れていた。消毒液の臭いのせいでとまらない涙、ため息を吐くのはモラモラの群れ、一つの部屋に四つの家族、即決裁判と労働監獄、舌を青くした市長、石炭屑の少女、強制労働の少年。男がいた。女がいた。子供がいた。老人がいた。船は今日も黒い川を下り、明日も下り続ける。その先にあるのは…。
「これは奇跡に関する物語だ。」-洪水に苦しむ人々を救うため、愛する妻が“亡者”と交わした取引とは?鮮烈な余韻を残す表題作ほか、謎の圧死をとげた伯父の家での不思議な邂逅を描く「やもりのかば」、裏の空き地で少年が体験する不条理「夏の軍隊」など、美しく奇想天外な13の物語。
サラミスの海戦。それは、かの歴史家ヘロドトスが『歴史』に記した、ペルシア戦争のなかでもっとも歴史的な戦いである。この海戦を、細大もらさず写し取ろうと試み、映画を凌駕する3Dの迫力を実現した、ディープな視覚小説とでも呼ぶべき、奇想天外な戦記。
小説だからってフザケるのもいい加減にしろ!日本人に欠けているものは何だ?それは言うまでもない。堅牢強固な意志の力だ。日本ファンタジーノベル大賞受賞後初の書下ろし長編小説。今、とぼけた調子で、世に問う。世界一弱いヒーロー活躍、天才・サトウのナンセンス・ワールド!カニジンジャー沢蟹まけるは改造人間である。彼を改造したマングローブは世界征服を狙う秘密結社である。沢蟹まけるは人間の自由のためにマングローブと戦うのだ。