著者 : 八木敏雄
胸に赤いAの文字を付け、罪の子を抱いて処刑のさらし台に立つ女。告白と悔悛を説く青年牧師の苦悩…。厳格な規律に縛られた一七世紀ボストンの清教徒社会に起こった姦通事件を題材として人間心理の陰翳に鋭いメスを入れながら、自由とは、罪とは何かを追求した傑作。有名な序文「税関」を加え、待望の新訳で送る完全版。
均整と統一という明確な方法意識を持っていたポオ(1809-1849)は、短篇小説に絶妙な手腕を発揮した“スタイリスト”であった。胸躍る痛快な暗号解読の物語『黄金虫』、夢幻的雰囲気と緊迫感にひたされた『アッシャー家の崩壊』-。『ボン=ボン』『息の紛失』等、ノンセンス物も収録した、ヴァラエティゆたかなアンソロジー。
第九〇章 頭か尾か 第九一章 ピークオッド号、バラのつぼみ号にあう 第九二章 竜涎香 第九三章 見捨てられし者 第九四章 手をにぎろう 第九五章 法 衣 第九六章 製油かまど 第九七章 ランプ 第九八章 収納と清掃 第九九章 ダブロン金貨 第一〇〇章 脚と腕──ナンターケットのピークオッド号、ロンドンのサミュエル・エンダビー号にあう 第一〇一章 デカンター 第一〇二章 アルサシードのあずまや 第一〇三章 鯨の骸骨の計測 第一〇四章 化石鯨 第一〇五章 鯨の大きさは縮小するか?──鯨は絶滅するか? 第一〇六章 エイハブの脚 第一〇七章 大 工 第一〇八章 エイハブと大工 第一〇九章 船長室のエイハブとスターバック 第一一〇章 棺桶のなかのクイークェグ 第一一一章 太平洋 第一一二章 鍛冶屋 第一一三章 ふいご 第一一四章 めっき師 第一一五章 ピークオッド号、バチェラー号にあう 第一一六章 死にゆく鯨 第一一七章 鯨 番 第一一八章 四分儀 第一一九章 ロウソク 第一二〇章 甲板、第一夜直もおわるころ 第一二一章 深 夜──船首の舷 牆 第一二二章 深夜の檣頭──雷鳴と稲妻 第一二三章 マスケット銃 第一二四章 羅 針 第一二五章 紐つき測程器 第一二六章 救命ブイ 第一二七章 甲 板 第一二八章 ピークオッド号、レイチェル号にあう 第一二九章 船長室 第一三〇章 帽 子 第一三一章 ピークオッド号、デライト号にあう 第一三二章 交響楽 第一三三章 追跡──第一日 第一三四章 追跡──第二日 第一三五章 追跡──第三日 解 説 メルヴィル略年譜 訳 注
〈モービィ・ディック〉との遭遇をまえにして、さまざまな国籍の多岐にわたる人種をのせた、アメリカを象徴するような捕鯨船〈ピークオッド号〉の航海はつづく。ほかの船との〈出あい〉を織りまぜながら、鯨と捕鯨に関する〈百科全書的〉な博識が、倦むことなく、衒学的なまでに次から次へと開陳されていく。新訳。(全3冊) 第四二章 鯨の白さ 第四三章 聞 け! 第四四章 海 図 第四五章 宣誓供述書 第四六章 憶 測 第四七章 マットづくり 第四八章 最初のボートおろし 第四九章 ハイエナ 第五〇章 エイハブのボートとその乗組み──フェダラー 第五一章 潮吹きの霊 第五二章 アルバトロス号 第五三章 出あい 第五四章 タウン・ホー号の物語 第五五章 怪異なる鯨の絵について 第五六章 より誤謬すくなき鯨の絵、および真正なる捕鯨図について 第五七章 油絵に、歯に、木板に、鉄板に、石に、山に、星座にえがかれた鯨について 第五八章 オキアミ 第五九章 ダイオウイカ 第六〇章 綱 第六一章 スタッブ、鯨をあげる 第六二章 銛を打つ 第六三章 クロッチ 第六四章 スタッブの夜食 第六五章 美食としての鯨肉 第六六章 サメの虐殺 第六七章 脂身切り 第六八章 毛 布 第六九章 葬 式 第七〇章 スフィンクス 第七一章 ジェロボーム号の物語 第七二章 モンキー・ロープ 第七三章 スタッブとフラスクがセミ鯨をしとめ、つづいて、それについて語る 第七四章 マッコウ鯨の頭──比較対照的考察 第七五章 セミ鯨の頭──比較対照的考察 第七六章 破城槌 第七七章 ハイデルベルクの大酒樽 第七八章 水槽とバケツ 第七九章 大草原 第八〇章 あたま 第八一章 ピークオッド号、処女号にあう 第八二章 捕鯨の名誉と栄光 第八三章 ヨナにまつわる歴史的考察 第八四章 槍の遠投げ 第八五章 泉 第八六章 尾 第八七章 無敵艦隊 第八八章 学校と学校の教師たち 第八九章 「しとめ鯨」と「はなれ鯨」 訳 注
語 源 抜 粋 第一章 まぼろし 第二章 カーペット・バッグ 第三章 潮吹き亭 第四章 掛けぶとん 第五章 朝 食 第六章 通 り 第七章 教会堂 第八章 説教壇 第九章 説 教 第一〇章 こころの友 第一一章 ナイトガウン 第一二章 おいたち 第一三章 手押し車 第一四章 ナンターケット 第一五章 チャウダー 第一六章 船 第一七章 ラマダーン 第一八章 クイークェグのしるし 第一九章 預言者 第二〇章 出港準備 第二一章 上 船 第二二章 メリー・クリスマス 第二三章 風下の岸 第二四章 弁 護 第二五章 追 記 第二六章 騎士と従者(その一) 第二七章 騎士と従者(その二) 第二八章 エイハブ 第二九章 エイハブ登場、つづいてスタッブ 第三〇章 パイプ 第三一章 夢 魔(クイーン・マブ) 第三二章 鯨 学 第三三章 銛打ち頭(スペックシンダー) 第三四章 船長室の食卓 第三五章 檣頭(マスト・ヘッド) 第三六章 後甲板 第三七章 落 日 第三八章 たそがれ 第三九章 夜直はじめ 第四〇章 深夜の前甲板 第四一章 モービィ・ディック 訳 注
胸に赤いAの文字を付け、罪の子を抱いて処刑のさらし台に立つ女。告白と悔悛を説く青年牧師の苦悩…。厳格な規律に縛られた17世紀ボストンの清教徒社会に起こった姦通事件を題材として人間心理の陰翳に鋭いメスを入れながら、自由とは、罪とは何かを追求した傑作。有名な序文「税関」を加え、待望の新訳で送る完全版。