著者 : 兼武進
百年前、まだ純情だった頃のアメリカ。野球選手の夢破れたベン・フェルプスは、帰郷する夜汽車の中で、ひとりの美しい娘と出会った。その名はロッティー。一年後、再会した彼女は、なんと移動遊園地の一座にいた。そこで起こった不可解な死。ベンが抱えた秘密。三度目の出会いは、彼らの運命を揺り動かした。ケンタッキーからジョージアへ、ベンはロッティーの魂の故郷を探す旅に出た。ロッティー、あなたは哀しいほど、綺麗だった。その美しき魂が、人々の運命を変えてゆく。『白い犬とワルツを』を超えた深き愛の物語。
57年間連れ添った妻を失っても生き抜こうとするサム。そんな彼を心配する子供たち。サムにしか見えなかった白い犬はやがて…。あなたも大切なひとといっしょに白い犬をさがしてみませんか?130万部ベストセラーの愛蔵版。
長年連れ添った妻に先立たれ、自らも病に侵された老人サムは、暖かい子供たちの思いやりに感謝しながらも一人で余生を生き抜こうとする。妻の死後、どこからともなく現れた白い犬と寄り添うようにして。犬は、サム以外の人間の前にはなかなか姿を見せず、声も立てないー真実の愛の姿を美しく爽やかに描いて、痛いほどの感動を与える大人の童話。
切り離しては考えられない&で堅く結ばれた夫婦ロビンとジリアン。可愛い息子たちにも恵まれ、充ちたりた生活のはずだったが。人生は時として過酷な運命を課す。ジリアンが乳癌に…。息をひそめて温かく病状を見守る家族。だが、出張先のパリで出会ったクララにロビンの心は大きく揺れる。
父は映画の脚本家、母は高校教師、優秀な三姉妹-モゼル家は、ロサンゼルスの高級住宅街に住むインテリ家族だったが…。ある日、母が家族を捨てて同僚の教師と駆け落ち。残された父はアルコール依存症と躁鬱病にかかり、耄碌していく。やがて独立した三姉妹は、次女のイヴを中心に、次々と騒動を起こす父の面倒をみることに…。
1955年、17歳のわたしはその後の人生を変える人たちと出会った。憧れの女性に一生を捧げた不思議な老人と親友になり、あるユダヤ人の少女と激しい恋に落ちた。ひと夏の恋は結局実らなかったが、今、38年ぶりに、老人の死がわたしと彼女を再びキャッツキルに引き戻した。二人に与えられた時間はたったの3日ー美しい自然と情熱的なアリアを背景に語られる、大人の恋の物語。
ここに描かれた老夫婦のあいだにも生涯をかけたロマンスがあった。その片方が欠けたとき、残された者は、どのような死を迎えればいいのか-。孤独な人生の同伴者として老人の生をじっと見守る白い犬とは。幻想的なこの小説には、真実を越えた真実がある。痛いほどにやさしい詩的小説世界。