著者 : 内田昌之
物語は2002年のアメリカ。天才的遺伝子学者トム・カーターは、人間の設計図ともいえる遺伝子の内容をすべて解読する画期的装置を発明する。彼は、一人娘ホリーの遺伝子を自らの装置で調べ、まもなく彼女が脳腫瘍を発病して1年の命となることを知る。それが遺伝子情報から得たホリーの運命だった。しかし、カーターは諦められない。あらゆる可能性にしがみつき、娘の命を救おうとする。そして、最後に残された道は、奇蹟の治癒能力を持つイエス・キリストの遺伝子、すなわち「神の遺伝子」の謎を解くことだった-。神の遺伝子の謎が明らかにされるとき、ひとつの真理があらわれる-。最先端科学がもたらす恐怖を描いた傑作冒険ミステリー。
ベーカーズフィールド出身のセス・キャメロンは、恋人も痴呆症の父も、週末の睡眠も犠牲にして、ひたすらサンフランシスコでトップクラスの法律事務所「ミラー&マグラス」で法廷弁護士としての栄誉ある地位を獲得すべく努力を重ねていた。が、事務所のボスは、セスが革新の空気をもたらしたことが気に入らず、上院議員の娘が持ち込んだ勝ち目のない訴訟を押しつけるー。大型新鋭の傑作法廷ミステリー。
欠陥のある秘密兵器X-215Aステルス爆撃機によって4人のトップガンが墜落死したことをひた隠す空軍と連邦政府。彼らはセスの行く手に立ちはだかり、やっとの思いで探しあてた証人たちは次々と口封じのために殺されてしまう。マスコミの報道によって全国的な関心が集まる中で、いよいよセスの運命をかけた公判が開かれるー。現役の全米No.1弁護士の一人が書き上げた迫真の話題作。
強力な磁場を持つ中性子星「スター」の内部では、体長約10ミクロンの微小な人類が驚くべき都市を形成していた。だが近年、グリッチと呼ばれる星震現象が頻発し、人類の居住域は徐々に崩壊しつつあった。想像もつかないほど強大な何かが「スター」を騒がせているのか。その陰には宇宙の支配的種属ジーリーに関わる重大な秘密が…エキゾチックな中性子星を舞台に驚異のスケールで展開する、ハードSFファン待望の書。
ホテルのエレベータホールで、マリアンはわが目を疑った。壁一面に飛び散った血痕。まわりに巡らされた警察の立入禁止テープ-。しかしマリアンが驚いたのは、そこが殺人現場だったからではない。その状況が、昨夜パソコンの画面上で見た「殺人現場」と寸分たがわず同じだったからだ。壁の形から、血痕の大きさや位置までもが…。マリアンが加入しているパソコン通信ネットワーク「インサムニメイニア」では、仮想現実の街でありとあらゆる娯楽を享受できる。そのひとつが「殺人現場」だ。ここでは毎週、アニメーションで殺人が「上演」されている。しかし、それとまったく同じ殺人が、現実の世界で起こることなど、ありえるのだろうか。仮想現実世界の殺人者が、現実の世界に侵入してきたとでもいうのか。最新のハイテク情報を駆使して、コンピュータ・ネットワーク時代の恐怖を描きだす、驚愕のサイコ・サスペンス。
「本当の楽園だったときのペポニにいたかった」ペポニにまつわる話を集めるブリーンに思い出を語る者は、一様にそういう。惑星ペポニースワヒリ語で楽園を意味する名前のこの星に、人々はなにを求めたのか?宝石の眼を持つ大型獣の狩猟に命を賭けた凄腕ハンターのハードウィク、独立を望む原住異星人と人類の闘争の時代を生きた女性作家アマンダ…。さまざまな時代の生き証人たちが語る、楽園という名の惑星の年代記。
宇宙軍のベッカーは、軍法会議の弁護人に任ぜられた。被告は、突如ふたりの部下を射殺した軍艦の艦長。目撃者がいたにもかかわず、艦長は“自分はふたりを殺していない”と主張しているー。彼らは異星人だったから、殺人ではないという理由で。宇宙軍に異星人が潜入している。半信半疑で調査をはじめたベッカーは、いつしか危険きわまる罠に足を踏みこんでいた。人気絶頂レズニックのエンターテインメントSF快作。
かつてベトナム戦で腕利きの暗殺者だったリック。その彼もいまは医師として、一人娘のメイとアラスカで静かに暮らしている。だがある日、メイがベトナムの工作員に誘拐されてしまった。なんのために?裏ではソ連が糸を引いているらしい。許せん、奴らを八つ裂にきしてやる。闘いに目覚めた父親は、娘を追って吹雪のアラスカ大雪原へ。そして極寒の地の果てでは、ソ連軍スペツナズ部隊が彼を待ち受けていた…。迫真の冒険小説。
銀河暦6303年、〈調査局〉に勤めるロハスのもとに最後のマサイ族マンダカが訪れた。三千年以上、所在不明になっているキリマンジャロ・エレファントの象牙を見つけてほしいという依頼だった。調査を始めたロハスは、悠久の歴史の中でこの史上最大の象牙がたどった数奇な運命と、象牙にかかわった人々の織りなす多様なドラマを垣間見ることになる…。アメリカSF界で人気絶頂のレズニックが満を持してはなつ銀河叙事詩。
アメリカ軍のスティンガー・ミサイル二十四機が、極秘輸送中に強奪された。犯人は国際的テロリストのヴェガ。彼はこのミサイルで、まずアイルランド航空の旅客機を撃ち落とした。次々に旅客機を狙うつもりなのだ。もしそうならば、国じゅうがパニックに陥る。合衆国大統領は緊急閣僚会議を招集した。犯人を突きとめ、ミサイルを奪還せよ!席上、ひとつの電話がかかった。その電話の主が、ミサイルと交換に要求してきたのは…。
カークは自暴自棄な生活を送っていた。テロで妻子を殺され、それを機にCIAを辞めてしまったのだ。そんな彼のもとにかつての上司が訪れた。ミサイル奪還作戦に加われ、相手のテロリストは妻子を殺した連中と関係があるらしい。その言葉に突き動かされたカークは、ヴェガを追いはじめた。だが、ヴェガを操る謎の人物、さらに事件全体の裏で糸を引く黒幕の存在が浮かびあがったとき…。錯綜する展開、そして衝撃の結末を呼ぶ大作。
銀河系を股にかけた賞金稼ぎたちの間で、30年来囁き交わされている幻の名があった。“サンティアゴ”。悪業の限りを尽くし巨額の懸賞金をかけられたこの男は、数多の追撃をかわし、今も正体を謎に包んだままだった。今日もまた一人の男がサンティアゴを追って〈辺境〉へ流れてくる。彼の名はカイン。元革命家の、名うての賞金稼きだ。ヒューゴー賞作家が贈る、遥かなる未来叙事詩。
幻の男サンティアゴを追ういくつもの人間の足跡が、いまひとつに交わろうとしていた。そこには様々な思惑が入り乱れていた。ある者は自らの名声のために、ある者は彼にかけられた巨額の懸賞金のために、そしてある者は…。最後にサンティアゴと雌雄を決するのははたして誰か?悪にまみれた彼の経歴に隠された真実とは?遥かなる大銀河の追跡行は、いかなる結末を迎えるのか。