著者 : 冬臣
両親と死別した高校生の村瀬孝志は、生前に父が遺していた言葉に従って、小野進次郎という顔も知らない異母兄に会いに行くことに。鄙びた町で喫茶店を営む彼を訪ねた孝志を出迎えてくれたのは、一匹の白い猫だったー。その後、なんとか進次郎と顔を合わせた孝志は、にわかには信じられない話を聞く。なんと進次郎は“呪い”にかけられたせいで、満月の日以外、昼間は猫になってしまうのだという。日中の進次郎のサポートと、夜だけ営業する猫と触れ合える茶房・みかげ庵の手伝いを条件に、孝志は進次郎との同居生活を始めるが…。人の想いが交錯する、猫と癒やしのあやかし物語。
バイト先の占い師・佐田の差し入れのケーキをスイーツ大好きなしろが食べないという珍事が起こる。曰く「よくないお菓子」らしいのだが…。少しだけ神様の力を取り戻したしろの作為的な縁結びにより関わらざるを得なくなった忍ーだが現場の洋菓子店に潜入するのは当然のごとく啓介で…。今度は佐田の本気も加わって跋扈する邪気に立ち向かう、自称神様の毛玉とソシャゲ廃人と実は死んでる元営業マンの祓魔録!
若主人・烏島廉士が営む『質屋からす』に、ある男が美しい紅い皿を持ち込んできた。その皿には、対となる白い皿が存在したはずだった。物語は、紅と白、二つの皿を巡る謎を軸に、その皿に関わった人々の運命を翻弄しつつ複雑に絡んでいく…。従業員の千里が持つ特別な能力で謎を解く、大人気ダークミステリー、シリーズ最新作登場!
顔良し、性格良し、おまけに仕事もデキるー中折れ帽がトレードマークの河野は、ニワトコ薬局で働くやり手販売員。しかし、本当の姿は「河童」。街に棲む神様や妖怪にも薬を売り、健康相談に乗る。一緒に販売ルートを回る麻里は、会社で唯一正体を知る理解者だ。河野の様子に違和感を覚え、穏やかな彼が珍しく喧嘩したことを知った麻里は、原因を知るため事情通の百々目鬼を訪ねるが…。
ワケアリ品ばかりを好んで買い取る『質屋からす』。店主の烏島廉士はいわくつきの物ばかり好んで買い取り、コレクションをする傍ら、情報の売買もしている。従業員の千里は、ある能力を買われて働いている。ある日、千里の元同級生・舞が訪店。壺の焼印の入った“球体関節人形”を買い取ってほしいと依頼するがー人気シリーズ最新作!書き下ろし。
あやかし達だって悩みながらも一生懸命生きています。初夏だと言うのにやたらと寒く、麻理の住む東京の田舎では雪が降るという異常気象にテレビは賑わっていた。そんな中、麻理と河野は置き薬のチェックで雪乃を訪問する。寒さに喜ぶ雪乃と、彼女の家に遊びに来ていた椿。山の麓では雪が積もっており、巨大な足跡のようなものがあった。もののけたちが、その原因を探っていくと…現代の都会で逞しく暮らす妖怪たちの物語、第二弾。
配置薬販売のニワトコ薬局No.1販売員の河野遥河は、容姿端麗、物腰柔らかで女性社員から大人気。だが大きな秘密がある。それは真の姿が「河童」だということ。河野の顧客はクーラーで冷え症になった雪女や、ゲームにハマりドライアイになった山神など、現代病に悩む「物の怪」。河野は彼らに薬を届ける傍ら、悩みを聞いているのだが、口々に語られるのは人間との切ない過去でー。現代日本、あやかし事情。
1階で客から物を買い取り、2階では客に情報を売る『質屋からす』。店主・烏島廉士は、高価な物より人の不幸や欲望にまみれたワケアリの品ばかりを集め、店員の目黒千里も彼がある能力ごと“買い取り”大切なコレクションにしている。あるとき、質草に、哀しみを秘めた赤いかたわれ靴が加わるがー。物に宿った記憶を読み解く大人気ダークミステリー『質屋からすのワケアリ帳簿』シリーズ、待望の新作書き下ろし!