著者 : 前田司郎
私たちは塩を減らそう(キノブックス文庫)私たちは塩を減らそう(キノブックス文庫)
結婚に踏み切れない二人が、美味しい匂いのする草を探し歩く「私たちは塩を減らそう」。テーブルである私と共に暮らす裸の男女が、げっぷをめぐる哲学談義を交わす「部屋の中で」。性愛に焦がれるようにして、少年と少女が幻想的な夜の東京をさまよう「悪い双子」-異才が描く、日常と異世界の狭間に生きる私たちのための奇妙な恋愛短篇集。
愛が挟み撃ち愛が挟み撃ち
36歳の京子ともうすぐ40歳の俊介。結婚して6年目の夫婦の悩みは、子どもができないことだ。愛なんてこの世にないかもしれない。でも、京子に子どもが生まれたならば。諦めきれない俊介が提案したのは、驚くべき解決策だった。男二人と女一人。過去が思いがけない形で未来へと接続される、危うい心理劇。
夏の水の半魚人夏の水の半魚人
魚彦。僕の変な名前は、お母さんの初恋にちなんでつけられた。写生大会で行った臨死の森で、転校生・海子の秘密を見てしまう。二人だけの秘密。夏の海の水の音。色ガラスの破片。車椅子の今田は魔法使いに会ったという。そんなの嘘だ、嘘であって欲しいと思う。出処の知れない怒り、苛立ち、素晴らしい遊び、僕はこの楽園を飛び出したいのかもわからない。あの神話のような時代を。
グレート生活アドベンチャーグレート生活アドベンチャー
「ひたむきに、勤勉に、自らの時間を捧げて僕は、超レベル上げた。でもなあ、流れのままに魔王を倒していいのだろうか?」それが悩み。30歳。ヒモ生活。爆発すれすれの感情を封じ込めた無職の男が、生活という冒険を華麗に生き抜く表題作。そして、死に行く女の意識を彩るエンドレス走馬燈「ゆっくり消える。記憶の幽霊」併録。日本演劇界の寵児が描く青春大冒険小説集。
愛でもない青春でもない旅立たない愛でもない青春でもない旅立たない
この小説は、恋愛小説かもしれないし、純文学かもしれない。そうでないかもしれない。ここにあるのはいわゆる青春ではない、しかし、まぎれもない青春小説だ。
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