著者 : 加来耕三
中国怪異譚平妖伝中国怪異譚平妖伝
物語の舞台は、中国は宋の時代。妖術を操る老孤精の聖姑姑とその息子、娘の3匹の狐が則天武后の生まれ変わりという軍人とともに反乱を起こす。そこに妖術や法術を駆使する仏家や道士たち妖人が跳梁跋扈するというのが全体の流れである。この物語のキーワードは秘書『如意冊』である。これは道家百八様の変化の法書で、この秘書をめぐる戦いが縦糸となって展開される。さて、くだんの主人公である3匹の狐たちは、ある山麓に棲んでいた。息子狐は山里の人間界で猟師の妻に横恋慕し、左足を射られてしまう。母狐は人間に化けて評判の名医に薬はもらいに行くが、そこで妖狐であることを見破られ道教を修めることを諭される。まずはこんなはじまりから、波瀾万丈、驚天動地のストーリーは展開する-。
天の子天草四郎天の子天草四郎
鎖国政策によって「交易収入」を断たれた唐津島原両藩は凶作に苦しむ民百姓から「妊婦を水牢に投げ込むほどの地獄の取立て」を断行する。幕閣の要人はそれを知って糾明するが、高額のワイロがばらまかれると口を噤む。長崎から帰った15歳の学究天草四郎は非道の政治に命を捧げて抵抗する決意を固めた。島原の孤城に押し寄せる25倍の大軍迫りくる智謀松平伊豆の牙-。
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