著者 : 加納朋子
謎に彩られた日々の中で、 あなたは私の一番になった 『ななつのこ』から始まる〈駒子〉シリーズ、 20年ぶりの最新作! 大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を飼い始めたことで憂鬱な日常が一変する。ゼロと名付けた仔犬を溺愛するあまり、ゼロを主人公にした短編を小説投稿サイトにアップしたところ、読者から感想コメントが届く。玲奈はその読者とDMでやり取りするようになるが、同じ頃、玲奈の周りに不審人物が現れるようになり……。短大生の駒子が童話集『ななつのこ』と出会い、その作家との手紙のやり取りから始まった、謎に彩られた日々。作家と読者の繋がりから生まれた物語は、愛らしくも頼もしい犬が加わることで新たなステージを迎える。 ■目次 「初めに読んでいただきたい前書き」 「プロローグ」 「ゼロ」 「1(ONE)前編」 「1(ONE)中編」 「1(ONE)後編」 「エピローグ」 「読み終えてから読んでいただきたい後書き(もしくは蛇足)」
【受賞作決定!】 第32回鮎川哲也賞 選評 辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩 第19回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信 【第19回ミステリーズ!新人賞受賞作】 ルナティック・レトリーバー 真門浩平 ●名門大学学生寮で、日食の最中に巻き起こった事件を描く。第19回ミステリーズ!新人賞受賞作 【新連載】 明治殺人法廷 第1回 芦辺 拓 1(ONE) 前編 加納朋子 【小説】 ねじれ位置の殺人 犯罪相談員〈3〉 石持浅海 きみのかたち 第4回 坂木 司 特撮なんて見ない 第4回 澤村伊智 記憶の対位法 第2回 高田大介 ファインダー越しの、 秋永真琴 『昭和ふしぎ探訪』 愛蔵版に寄せて 榊林 銘 黒いレプリカ 櫻田智也 二十七番目の男 ネイサン・イングランダー 小竹由美子 訳 【特別企画】 新訳版『長い別れ』刊行記念対談! 田口俊樹×杉江松恋 鮎川哲也賞受賞者特別対談 青崎有吾×今村昌弘 【ESSAY】 装幀の森 第3回 アルビレオ ぼくたちが選んだ 第5回 有栖川有栖・宮部みゆき・北村 薫 翻訳のはなし 第5回 短歌と小説、どちらがこわい 金原瑞人 乱視読者の読んだり見たり 第4回 死人に口あり 若島 正 ホームズ書録 これはホームズ翻案なのか?「探偵小説 二重棺の秘密」 北原尚彦 【COLUMN】 ひみつのおやつ*季節限定パフェ 敷島シキ 私の必需品*パーソナル密室 北山猛邦 【INTERVIEW 期待の新人】 荒木あかね 【INTERVIEW 注目の新刊】 『仕掛島』 東川篤哉 『録音された誘拐』 阿津川辰海 【訃報】 追悼 松田道弘氏、三田皓司氏、島崎 博氏、光原百合氏 戸川安宣 追悼 Noribou(唐仁原教久)氏 編集部 【BOOKREVIEW】 [文芸全般] 瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF] 渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣
大丈夫。昼間だって、見えないけれど星はそこにちゃんとあるから。 南の島で、山奥のホテルで、田舎町の高校で。 星を愛し星に導かれた人々が紡ぐ七つのミステリー。 「南の島へ行くぞ」突然のパパの言葉で石垣島へ旅することに。正直言って、あんまり気は進まない。家族旅行といえばママも一緒だったのだ、去年まではーー(「南の十字に会いに行く」) 小学四年生の九月のこと、同級生の過失で私の右目は取り返しのつかない怪我を負った。世界はぼやけて頼りない姿に変わり果ててしまった。星降る夜に大事な友達と交わした約束もーー(「星は、すばる」) 廃部寸前のオカルト研究会、天文部、文芸部。生徒会に必死で部の存続を訴えると、「じゃあ、スぺミス部ってことで」と、とんでもない提案がーー(「箱庭に降る星は」) 読み終えたら世界が変わる! 〈日常の謎〉の名手が贈る、驚きと爽快な余韻に満ちた全七話。 【著者プロフィール】 加納朋子(かのう・ともこ) 1966年福岡県生まれ。92年「ななつのこ」で第3回鮎川哲也賞を受賞し作家デビュー。95年「ガラスの麒麟」で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。温かくも鋭い洞察を備えた〈日常の謎〉の名手として、多くの読者の支持を集める。著書に『ささら さや』『七人の敵がいる』『我ら荒野の七重奏(セプテット)』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』などのほか、自らの闘病体験を綴った『無菌病棟より愛をこめて』がある。
■「ミステリーズ!」の後継誌ついに創刊。コンセプトは、国内外のミステリ、SF、ファンタジイ、ホラーを刊行してきた東京創元社による「総合文芸誌」。■『蝉かえる』で第74回日本推理作家協会賞、第21回本格ミステリ大賞W受賞の櫻田智也が贈る、〈エリ沢泉〉シリーズ最新作。■第21回本格ミステリ大賞全選評、一挙掲載。■第31回鮎川哲也賞&第18回ミステリーズ!新人賞選評、ならびに第18回ミステリーズ!新人賞受賞作「三人書房」掲載ほか。 ■目次■ 『紙魚の手帖』創刊にあたって 【創刊記念特別エッセイ】 投げ込みマガジン〈紙魚の手帖〉 戸川安宣 【受賞作決定!】 第31回鮎川哲也賞 選評 辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩 第18回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信 【第18回ミステリーズ!新人賞受賞作】 三人書房 柳川 一 ●第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。若き日の江戸川乱歩を描く、流麗な謎解き譚 【第21回本格ミステリ大賞全選評】 第21回本格ミステリ大賞受賞作決定! 第21回本格ミステリ大賞選考経過 受賞の言葉 [小説部門] 櫻田智也 [評論・研究部門] 飯城勇三 選評 小説部門 選評 評論・研究部門 【日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞第一作】 白が揺れた 櫻田智也 ●ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、悲劇の真相は?〈エリ沢泉〉シリーズ最新作! (※「エリ」は「魚」偏に「入」) 【読切】 ゼロ 加納朋子 ●私の元にやってきたのは、カフェオレ色の天使だった。少女と犬の絆を描く最新ミステリ! スフレとタジン 近藤史恵 ●コロナ禍の影響で志村さんが講師で始めた〈パ・マル〉の料理教室。タジン鍋を使うモロッコ料理を……。 フォトジェニック 秋永真琴 ●カメラを構える彼女の目に、この世界は、僕は、どんなふうにうつっているんだろう? 気鋭が贈る傑作掌編。 108の妻 石川宗生 ●点描の妻、夢見る妻、革命家の妻、お品書きの妻……様々な「妻」をお楽しみください。 セリアス 乾石智子 ●ひっそりと暮らす魔道師夫婦、彼らの秘密とは…… 魚泥棒は誰だ? ピーター・トレメイン 田村美佐子 訳 ●修道院の厨房で起きた二件の事件をフィデルマが解き明かす 【INTERVIEW 期待の新人】 千田理緒 『五色の殺人者』 大島清昭 『影踏亭の怪談』 【BOOKREVIEW】 [文芸全般] 瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF] 渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣 『紙魚の手帖』創刊記念読者プレゼントキャンペーン 執筆者紹介 編集後記・次号予告
ネトゲ廃人で自宅警備員の俺は、親に追放されるように離島での暮らしを始める。金銭面の不安解消のためにニート仲間を集めてシェアハウスを営むうちに、ゲームの中だけにあった俺の人生は、少しずつ広がってゆき…。青い海と空のもと始まる、人生の夏休み!
大崎梢 加納朋子 近藤史恵 篠田真由美 柴田よしき 永嶋恵美 新津きよみ 福田和代 松尾由美 松村比呂美 光原百合 冒険、ミステリー、人間ドラマ、恋愛…… 11人の人気女性作家が同じテーマに挑む短編小説集! 誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているものーー。 実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちがSNS上で語り合い、「隠す」を テーマに挑んだエンターテインメントの傑作! 多彩な物語すべてに、共通の「なにか」が隠されています。 (答えが掲載されている「あとがき」は、最後にお読みください) これが、本物の短編小説集。
山田陽子は一人息子の陽介を愛するワーキングマザー。トランペットに憧れ、中学では吹奏楽部に入部した陽介は、部活に勉強にと、青春の日々を送る。一方、中学生なんだし、そうそう親の出番もないだろうーそう思っていた陽子を待ち受けていたのは「吹奏楽部親の会」での戦いの日々だった…。部活を頑張る少年少女の陰で奮闘する親たちの姿を描く、笑いと涙の傑作エンターテインメント!
ほっこりする、でもなぜか心を揺さぶられるミステリーとは!? 本書は、いま人気の女性ミステリー作家による、殺人事件が起きない、「ハートウォーミング・ミステリー」を集めたアンソロジー短篇集。 「ビストロ・パマル」のシェフ・三舟の推理が、思わぬ温かな真相を導く「割り切れないチョコレート」、息子から恋人がストーカー被害に遭っていると相談された探偵が、事件に立ち向かう「鏡の家のアリス」。 そして、駅に伝言を残すことで気晴らしをしていた主人公が、奇妙な騒動に巻き込まれていく「ドルシネアにようこそ」など、読んで癒される、だけど心に深く響く、極上な作品だけを集めたアンソロジー。 すっきりした読後感に、ミステリーの概念が変わること、請け合います。
引っ越しのために部屋を片付けていた千波は、読んだ覚えのない一冊の本を見つける。ページをめくると、未開封の手紙が挟まっていた。差出人はYUKI。そこには、「わたしも人を殺したことがある」と書かれていた。YUKIって誰?私は人を殺したの?千波の過去の記憶を巡る旅が始まった。切なくも温かな真実が明らかになる感動のミステリー。
幕が下りた。もう詰んだ。と思ったその先に、本当の人生が待っていた。経営難で閉校する萌木女学園。私達はその最後の卒業生、のはずだったーー。とにかく全員卒業させようと、限界まで下げられたハードルさえクリアできなかった「ワケあり」の私達。温情で半年の猶予を与えられ、敷地の片隅で補習を受けることに。ただし、外出、ネット、面会、全部禁止! これじゃあ、軟禁生活じゃない!
猫好きで鳴る人気作家7人が集結。 猫の小説7編を収録する文庫オリジナルのアンソロジー登場! 巻末には「猫小説オールタイム・ベスト」紹介も。 【収録作品】 「マロンの話」湊かなえ 「エア・キャット」有栖川有栖 「泣く猫」柚月裕子 「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」北村薫 「凶暴な気分」井上荒野 「黒い白猫」東山彰良 「三べんまわってニャンと鳴く」加納朋子 「猫と本を巡る旅 オールタイム猫小説傑作選」澤田瞳子
「トオリヌケ キンシ」の札をきっかけに小学生のおれとクラスメイトの女子に生まれた交流を描く表題作。ひきこもった部屋で俺が聞いた彼女の告白は「夢」なのだろうか?(「この出口の無い、閉ざされた部屋で」)。たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても、出口はある。かならず、どこかに。6つの奇跡の物語。
流行作家のマンションに集まった、同級生男女たちの思惑は?閉店してしまった地方書店。出版社の若手営業マンは割り切れなかった…。大学の同好会で熱心に絵画制作に打ち込む彼女。同学年の僕は彼女の情熱に…。学園祭で催された降霊会。何か企みがあるのではないか…。路線バスの降車ボタンをめぐる乗客同士の謎の競争。勝者は誰だ?逆行性健忘症で警察に保護された男には、二人の妻がいた!?六編のどんでん返しが、あなたを離さない。
子供の部活なのに…頑張るのは、親!?ハッピーな妄想から、ブルドーザー陽子の猛進が始まった!息子の中学吹奏楽部の活動に巻き込まれたワーキングマザー。子育てに卒業はない!?笑って泣ける部活エンターテインメント!
大企業のサラリーマンから、憧れの私立探偵に転身を果たした仁木順平。事務所で暇をもてあましていた彼の前に、真っ白な猫を抱いた桜色のワンピースの可愛らしい少女が迷いこんでくる。探偵助手志願の美少女・安梨沙とコンビを組んだ仁木のもとに様々な事件の調査が舞い込む。心あたたまる七つの物語。
大きくなったユウスケの前に、「はるひ」という名の女の子が現れる。初対面のはずなのに、なぜか妙に親しげだ。その後も「肝試しがしたい」「殺人の相談にのって」と無理難題を押し付ける。だが、ただの気まぐれに思えた彼女の頼み事は、全て「ある人」を守る為のものだった。時を超えて明らかになる温かな真実。ベストセラー「ささら」シリーズ最終巻。
人生の途中、はからずも厄介ごとを抱えることになった人々。でも、「たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても。根気よく探せば、どこかへ抜け道があったりする。」(「トオリヌケ キンシ」より)他人にはなかなかわかってもらえない困難に直面した人々にも、思いもよらぬ奇跡が起きる時があるーー。短編の名手・加納朋子が贈る六つの物語。 (収録作品) 高校に入ってから不登校・引きこもりになってしまったある少年。ある日彼の家に、一人の少女がやってきた。少女はかつて少年に助けてもらってもらったことがあるというーー。『トオリヌケ キンシ』 「ある形」を見つけてしまう能力以外はごくごく平凡な女子高生。そのふしぎな力を生物の先生は「共感覚」と分析した……。『平穏で平凡で、幸運な人生』 やさしかった母がある日豹変、家の中でいじめられるようになってしまったタクミ。つらい日々の救いは、イマジナリーフレンド(想像のお友達)の存在だった。『空蝉』 人の顔が識別できないーー「相貌失認」の「僕」は、高校入学を機にそのことをカミングアウトする。あろうことかその後「僕」はある女の子から「好きです」と告白される。不思議な始まりの恋の行方は? 『フー・アー・ユー』 長く連れ添った夫人を突然に亡くし、気落ちする亀井のおじいちゃん。家の中でひとりのはずが、ある日「座敷童がいる」と言い出した!『座敷童と兎と亀と』 前日に高熱を出して受験に失敗した「俺」は、ある場所に引きこもり、自分でコントロール可能な「明晰夢」を見る日々を過ごしている。そんな中で出会った女の子「ミナノ」、彼女は夢だったのか、それとも?『この出口の無い、閉ざされた部屋で』。