著者 : 加藤千恵
自身の経験を元にした、著者の新たな代表作。思いもよらなかった“新生児仮死”。自分がもっと気を付けていれば…(『騒がしい場所』)。看護師として頼られる日々。でも我が子にとっては、どんな母親なのか(『働く場所』)。18トリソミーとして生まれた心。今はただ、ずっとずっと生きていてほしい(『願う場所』)。ほか、全7編。
決別した母と10数年ぶりに顔をあわせた娘、友情は永遠に続くと思ってたあたしたち、見えない鎖に縛られた姉妹ー。自分ではコントロールできない感情のゆらぎを描いた、傑作短編集。
専業主婦の日奈子のもとへ、ある日、夫の愛人と名乗る、太った中年女性がやってくる。夫のユキは長らく性的不能だったはずで、日奈子とはセックスレスの日々が続いていた。いったいいつから、私たちの関係は、こんなにも不安定なものになってしまっていたのかー。日奈子は、衝撃のなかで、ある行動に出る。
地元のラジオ局で番組をもつ、高校3年生の華菜と智香。智香の声が好きでラジオに誘った華菜は、東京に行く日をひたすら夢見て、退屈な学校生活をやり過ごしている。リスナーを増やしたいとがんばる華菜だったが、ある日、収録中に突然、智香から番組を休みたいと告げられて…未来への夢がすれ違い始めた二人の友情を描く、せつなさ120%の青春小説。
鉢かづき姫、踊る12人のお姫様、ラプンツェル、エンドウ豆の上に寝たお姫様、乙姫、眠り姫ー古今東西の様々なプリンセス・ストーリーを、現代に置き換えたら?人気の女性作家6名が、それぞれ選んだ物語を題材に、時に切なく、時に温かく、時に残酷に紡ぎだした名短編集。
あげる人もあげない人も、もらう人ももらわない人も、チョコが好きな人もそうじゃない人も、なぜか気になる日。心がザワザワする日ー。本命チョコ、友チョコ、義務チョコなど、様々な関係性でやりとりされる“それ”は、ただ甘いのか、ほろ苦いのか…。2月14日をめぐるドラマを8粒詰め合わせた限定アソート、文庫オリジナルで。
恋に恋する女の子のささやかな成長。家出した少女の冒険と、目の当たりにした社会の現実。早熟な少年が抱く不安と、それをほぐす少女のやさしさ。-人気作家が「少女」をキーワードに綴った傑作短編9編を収録。多感な時期の憂しやときめき、ときに切ない気持ち。そしてそれらの先にある成長を、思い出のアルバムをめくるように楽しんでください。それぞれの作家の魅力も体感できる贅沢な一冊。
愛は大学サークルの先輩と男と女の関係となった後も、彼の提案で友人のように装っていた。しかし、彼と同級生の那美香だけはそれを見抜いている。那美香もかつてその彼に迫られ、密かに想いを寄せていたのだったー。巡り合っては移ろう季節のように、男女の機微を歌人カトチエが鮮やかに描く恋愛小説集!
どこかなつかしく、不思議な雰囲気が漂う「明日町こんぺいとう商店街」。架空の町の商店街を舞台に、7人の人気作家が7軒のお店の物語を紡ぐ、ちょっと変わったアンソロジー。ほっこりおいしい物語が揃った人気シリーズの第3弾がついに登場!
走り出した恋心を加速させたあの旋律、会えなくなった友だちが大好きだったバンド、どうしようもなく淋しい夜に味方をしてくれた歌声、誰にも言えなかった気持ちを重ねて口ずさんだフレーズ…。音楽と共に刻まれた記憶は決して色褪せない。一瞬であの頃の君と私が蘇る、忘れられないメロディーと物語がここに。15作の名曲から広がる、切なさ響くショートストーリー集。
日奈子に突然つきつけられた夫の不倫写真。しかし、夫は性的不能のはずだった。夫の衝撃的な告白で崩れていく幸せな生活。そして、日奈子が気付いた自分の本当の気持ちとは…やるせない心情を繊細に、生々しく描き出す長編小説。
「空想の中でしか、私は生きられないから」-中学時代の八雲にまつわるエピソード「真夜中の図書館」(『心霊探偵八雲』のスピンオフ)、物語が禁止された国に生まれた子どもたちの冒険「青と赤の物語」、ノベロイド研究にのめり込み、「物語AI」におもしろい小説を書かせようと奮闘する高校生の青春模様「ワールズエンド×ブックエンド」など、「小説」が愛おしくなる8編を収録。旬の作家によるバラエティ豊かなアンソロジー。
まだ恋を知らない少女、昔の彼と偶然再会した人妻、彼氏に浮気されたOL、婚約破棄された女…。彼女たちが下した決断と新たな一歩とは?実らなかった恋、伝えられなかった言葉、人には言えない秘密。誰もが持っている、決して忘れられない“あのとき”が、ここにある。ラブソングより心に沁みる、人気女性作家8名が奏でる珠玉の恋愛小説集。
みんながやっているような恋愛が、わたしにはできない。別に構わない。わたしなりに幸せだし、毎日は楽しいー様々な葛藤と不安の中、様々な恋に身を委ねる女の子たちの、様々な恋愛の景色。苺、さくらんぼ、玉ねぎ、マスカット。そこには、彼女たちを静かに見守る食べ物たちがいて。複雑な想いを綴る短歌と、何かを言いたげな食べ物たちに彩られた恋愛短編集にして、普通ではない恋愛に向き合う女の子たちのための免罪符。
大学のサークルで同じ人を好きになった愛と那美香。後輩を想う長谷岡と彼に片思いをする小埜。ろくでもない男との運命を占うあさひと妹のゆき。魔法はいつか解ける。大人になってゆくわたしたち、それぞれの恋模様。