著者 : 北原双治
先輩の代理で前衛華道のパーティに出席した村尾栄進は、岡庭理恵子と名乗る女と知り合う。会場を出て二人きりになった時、村尾は理恵子から、自分は不感症で、感じさせてくれる男を探している、と打ち明けられる。不安と期待が交錯するなか、村尾は理恵子をラブホテルにいざない、理恵子の願いを叶えようと白い女体に挑むが…『薔薇の滴り』。ほか六篇を収録。
神道夢想流杖術をよくする若き武術家霧波秋彦と片倉麻里は、パリ帰りの令嬢新納深雪を護衛して北海道に住む祖母の家に向った。着いた途端、正体不明の暴漢に襲われ危うく撃退する。そこへまた護衛を連れた少女が現われ、自分が深雪だと名のる。どちらが本物か探ってゆくと莫大な遺産問題が浮かびあがってきた。強奪を図る黒幕に怒りの杖術が唸る。
北海道に生息するカワヤツメを自在に操って女体をよがり狂わせ、人心撹乱を謀る術-。動煽術の使い手大彫幻像が東京に突如現われた。呪詛師青柳蔵市の弟子のとき、術を悪用したために破門された男だ。一方、動煽術を封ずる術・心力波及術を青柳蔵市から学んだ茅部流星は上京してテレビの制作プロダクションのディレクターになった。強力な八つ目族を組織した大彫幻像は動煽術を駆使して衛星放送地球局を意のままに操り、東京湾臨海部に海洋帝国を建設する野望の実現に乗り出す。その企みを粉砕するために茅部流星はライバル大彫幻像に決闘を挑む。-新鋭が精魂込めて描く書き下ろし長編伝奇アクション。
美貌の婚約者が部長の愛人!ふたりが抱き合ってラブホテルから出てきた、と知らされた男は復讐のため、部長自慢の若妻をレイプすることに決めた。ホテルに呼び出すと、一気に自由を奪い、全裸に縛る。バイブで嬲り、遂にはアヌスまで-しかし、経験豊かな人妻は、犯られてばかりはいなかった。
フィリッピンの古老がいい伝える。男を狂わせ女体を悦楽に落とす幻の魔草があるという。この妖草を求めて、現代になお残る石器時代人が守るテリトリーへ、1人の日本人が潜入した。カカリ族の目を盗んで採取された妖草は、密かに日本へ運ばれ、東京湾沖の埋め立て地へ移植された。妖草は男たちの欲望をかきたて、彼らの血と命を求めた。海と空を舞台に繰りひろげられるネオサスペンスの書き下ろし長編。
スチュワーデス養成講座“青空姫”は、若さと美貌、知性と熟れた肉体をもつギャルで大盛況。その事務長を勤める好色男は職権を利用して、次々に秘密の肉体関係を結んでいく。翔んでる女たちのハードな欲求を舌舐めずりする思いで叶えながら、男は世界を股にかけ、性の快楽空間を淫らに高く飛翔する。
霧波は杖を逆手打ちで、加部重義の脳天に振り下ろした。躱される。と、筋肉質の男が、拳銃を構えていた。「杖を捨てな。これはイミテーションじゃないぜ、試してみるか」銃口が霧波の胸に向けられる。「卑怯だぞ」杖を逆手打ちで、男に手首に叩きつけた。男の手から拳銃が落ちる。「くそ、この野郎」手を伸ばして、拾おうとした男の水月に体をひねりざま、返し突きを入れた。「うぐーっ」男が前屈みに崩れおちる。仲間の野木がナイフを手にした男たちとやり合っていた。「ホーッ」霧波は怒りを込めて、杖を薙ぐ。-1千億の遺産強奪を謀る黒幕に神道夢想流杖術が怒りの挑戦!必殺の格闘技で敵の牙城に追る三闘士。