著者 : 北村太郎
中東平和会議に出席するイスラエル代表団を乗せ、エル・アル航空のコンコルドはニューヨークへ向かっていた。だが、その機内にはアラブ人テロリスト、アメド・リシュによって爆弾が仕掛けられていた。小型ジェット機コンコルドに接近したリシュは、狡猾な手段で同機をハイジャックし、砂漠の古都バビロンへの強制着陸を命じた。これに対し、エル・アル航空の保安部長ハウズナー以下の全乗客は地上での戦闘を決意した。
バビロンに不時着したコンコルドの乗客たちは防衛陣地を築き、リシュに率いられたアラブ人ゲリラへの必死の抵抗を開始した。だがイスラエル側の武器弾薬はあまりにも少なく、飲料水も尽きようとしていた。アラブ側の包囲網は徐徐に狭まり、壮絶な銃撃戦のなかでイスラエル人は次々に倒れてゆくが…。廃墟と化した砂漠の都バビロンを舞台に、極限状態で展開する人間ドラマを重厚かつ精緻に描破した大型冒険サスペンス。
エルサレムの丘でアラブ人らしい少女の全裸死体が見つかった。切り刻まれ、入念に洗い浄められて。一週間後、同じように、もうひとりの少女が殺された。辣腕警部シャラヴィと4人の部下は、全く手掛りを残さないこの犯人を、執拗果敢に追いかける。だが第三の犠牲者がー。想像を絶する異様な変質者の心理と、個性豊かな5人の刑事の艱難辛苦を、重厚な筆致で描いたサスペンス大作。
数々の難事件を解決した聖戦の英雄シャラヴィ警部と、記録あさりの名人シュメルツェル、巨大の中国人リー、アラブ系のダウド、新米のコーヘンーマスコミの妨害や政治的圧力にもめげず、捜査班は辛抱強く働くが、犯人はその輪郭さえ掴ませない。そして、ある日、シャラヴィの最愛の娘がいなくなった!半ば狂ったようにシャラヴィは、目星をつけた場所に突進する…。
KGBスリーパー養成所元教官は、不遇だった。西側に潜入した教え子たちが次々に発見されたのだ。技倆を疑われ、特権を剥奪され、収容所送りにもなりそうだ。ついに亡命を決意した彼は、その見返りに息子のように愛した最後の弟子を裏切る。一方華やかな過去を持つCIAの2人組は、史上最大の完全犯罪を目論んでいた。ついにスリーパーは目覚め、目標めざして行動を開始した。
「ラ・カーサ」の事件から15カ月ー精神コンサルタント、アレックスの前に再び事件が起こった。ウェスタン小児病院の無菌室から5歳のがん患者ウディ・スウォーブが誘拐されたのだ。そればかりか、翳あるウディの美貌の姉ノーナも、彼らの両親も消え失せたのである。スウォープ家の捜索を開始したアレックスが緑溢れる楽園ラ・ヴィスタで見たものは…?『大きな枝が折れる時』で衝撃的デビューをとげたケラーマンが現代を鋭くえぐる待望の第2弾!