著者 : 博多かおる
ジャスト・ライク・ヘヴンジャスト・ライク・ヘヴン
輝かしき90年代にパリでレコード店を営み「伝説」と呼ばれていたヴェルノン・シュビュテックスはいまや、家賃滞納でアパルトマンを追い出され、旧友の家を転々としたあげく、ホームレスに成り果てた。しかし、ヴェルノンの知らぬところで、多くの人が彼の行方を追っていた。映画プロデューサー、ドパレ。ドパレに雇われた女探偵ハイエナ。ジャーナリストのリディア。イスラム教徒の若き娘アイシャ。彼らの目当ては、ヴェルノンが所有する、亡きロックスターが遺したビデオ。その映像には何か大きな秘密が隠されているらしい。衝撃の真実がわかるとき、物語は予想もしない方向へー。
ウィズ・ザ・ライツ・アウトウィズ・ザ・ライツ・アウト
元・伝説のレコード店主、いまは哀愁のカウチサーファー。家賃滞納でアパルトマンを追い出された五十路の男、ヴェルノン・シュビュテックスは、輝かしき90年代に彼の店に集っていた旧友たちの家を渡り歩く。かつてはバンドマンやその取り巻きとして青春を謳歌していたが、いまは家族の問題や病、老いに直面している仲間たち。それぞれの心に、まだ音楽は響いているのか。そして、人々のあいだを転がっていくヴェルノンの行きつく先はー。ルノードー賞受賞のフランス人作家が現代フランスの市井で生きる人々をおかしみをもって描く文芸三部作、開幕。
涙涙
「ストラスブールの誓い」に立ち会った年代記作者ニタール、見知らぬ女の顔を探し求め彷徨するアルトニッド。反復する誕生、鏡像のような双子。カロリング朝を舞台に、史実と虚構を断章形式で織り交ぜ、フランス語の起源に肉薄する謎めいた小説。ヨーロッパの揺籃期を見据え、土地に宿る言葉と記憶を行き交い、ありのままの涙を湛えた、アンドレ・ジッド文学賞受賞作。
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