著者 : 吉川英治
鶴屋南北、喜多川歌麿、葛飾北斎、曲亭馬琴、山東京伝、十返舎一九……。名手四人の小説と関連作品の図版で、2025年NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の時代をより深く知る! 版元蔦屋重三郎がある日銀座の京伝の住居(すまい)をさも忙(せわ)しそうに訪れた。 「おおこれは耕書堂(こうしょどう)さん」 「お互いひどい目に逢いましたなア」 蔦屋は哄然(こうぜん)と笑ったものである。(…) 「身上半減でこの蔦屋もこれ迄(まで)のようにはゆきませんが、しかしこのまま廃(すた)れてしまっては商売冥利(みょうり)死んでも死なれません。そこでご相談に上りましたが、今年もいよいよ歳暮(くれ)に逼(せま)り新年(はる)の仕度(したく)を致さねばならず、ついては洵(まこと)に申し兼(か)ねますが、お上のお達しに逆らわない範囲で草双紙をお書き下さるまいか」 余儀ない様子に頼んだものである。--国枝史郎「戯作者」より 吉川英治「大岡越前」(抄録) 邦枝完二『江戸名人伝』より「鶴屋南北」「喜多川歌麿」「葛飾北斎」「曲亭馬琴」 国枝史郎「戯作者」「北斎と幽霊」 永井荷風「散柳窓夕栄(ちるやなぎまどのゆうばえ)」(抄録)
吉川英治の超大作!「三国志」の第8巻「図南の巻」を収載。 大筋は中国明代の羅貫中『三国志演義』に沿いつつ、人物描写は日本人向けに大胆にアレンジし、今日までの日本における三国志関連作品へ多大な影響を及ぼしている。 第8巻は曹操が魏公に昇ってから、関羽が樊城で于禁らを捕らえるまでを描いている。 日輪 上・中・下 酒中別人 魏延と黄忠 短髪壮士 落鳳坡 破軍星 草を刈る 金雁橋 西涼ふたたび燃ゆ 馬超と張飛 成都陥落 臨江亭会談 冬葉啾々 漢中併呑 剣と戟と楯 遼来々 鵞毛の兵 休戦 柑子と牡丹 藤花の冠 神卜 正月十五夜 御林の火 陣前公用の美酒 敗将 老将の功 絶妙好辞 一股傷折 趙子龍 次男曹彰 鶏肋 漢中王に昇る 烽火台 生きて出る柩 関平 七軍魚鼈となる
吉川英治の超大作!「三国志」の第7巻「望蜀の巻」を収載。 大筋は中国明代の羅貫中『三国志演義』に沿いつつ、人物描写は日本人向けに大胆にアレンジし、今日までの日本における三国志関連作品へ多大な影響を及ぼしている。 第7巻は赤壁の戦いから、孫夫人が呉に戻るまでを描いている。 降参船 赤壁の大襲撃 山谷笑う 功なき関羽 一掴三城 白羽扇 黄忠の矢 針鼠 柳眉剣簪 鴛鴦陣 朝の月 凛々細腰の剣 周瑜・気死す 文武競春 荊州往来 鳳雛去る 酔県令 馬騰と一族 不倶戴天 渭水を挟んで 火水木金土 敵中作敵 兵学談義 蜀人・張松 孟徳新書 西蜀四十一州図 進軍 鴻門の会に非ず 珠
吉川英治の超大作!「三国志」の第6巻「赤壁の巻」を収載。 大筋は中国明代の羅貫中『三国志演義』に沿いつつ、人物描写は日本人向けに大胆にアレンジし、今日までの日本における三国志関連作品へ多大な影響を及ぼしている。 第6巻は孔明の出蘆から、東南の風を祈るまでを描いている。 出廬 呉の情熱 鈴音 蜂と世子 臨戦第一課 許都と荊州 新野を捨てて 亡流 母子草 宝剣 長坂橋 一帆呉へ下る 舌戦 火中の栗 酔計二花 大号令 殺地の客 狂瀾 群英の会 陣中戯言なし 覆面の船団 風を呼ぶ杖 一竿翁 裏の裏 鳳雛・巣を出ず 竹冠の友 月烏賦 鉄鎖の陣 孔明・風を祈る 南風北春
吉川英治の超大作!「三国志」の第5巻「孔明の巻」を収載。 大筋は中国明代の羅貫中『三国志演義』に沿いつつ、人物描写は日本人向けに大胆にアレンジし、今日までの日本における三国志関連作品へ多大な影響を及ぼしている。 第5巻は関羽千里行から、三顧の礼・隆中対までを描いている。 関羽千里行 五関突破 のら息子 古城窟 兄弟再会 于吉仙人 孫権立つ 霹靂車 溯巻く黄河 十面埋伏 泥魚 自壊闘争 邯鄲 野に真人あり 遼西・遼東 食客 檀渓を跳ぶ 琴を弾く高士 吟嘯浪士 軍師の鞭 徐庶とその母 立つ鳥の声 諸葛氏一家 臥龍の岡 孔明を訪う 雪千丈 立春大吉
吉川英治の超大作!「三国志」の第4巻「臣道の巻」を収載。 大筋は中国明代の羅貫中『三国志演義』に沿いつつ、人物描写は日本人向けに大胆にアレンジし、今日までの日本における三国志関連作品へ多大な影響を及ぼしている。 第4巻は呂布の滅亡から、関羽が曹操の下を辞するまでを描いている。 煩悩攻防戦 破瓶 白門楼始末 許田の猟 秘勅を縫う 油情燈心 鶏鳴 青梅、酒ヲ煮テ、英雄ヲ論ズ 雷怯子 兇門脱出 偽帝の末路 霧風 一書十万兵 丞相旗 鬮 不戦不和 奇舌学人 雷鼓 鸚鵡州 太医吉平 美童 火か人か 小児病患者 玄徳冀州へ奔る 恋の曹操 大歩す臣道 破衣錦心 白馬の野 報恩一隻手 黄河を渡る 燈花占 風の便り 避客牌
吉川英治の超大作!「三国志」の第3巻「草莽の巻」を収載。 大筋は中国明代の羅貫中『三国志演義』に沿いつつ、人物描写は日本人向けに大胆にアレンジし、今日までの日本における三国志関連作品へ多大な影響を及ぼしている。 第3巻は献帝の長安脱出から、下邳の戦いまでを描いている。 巫女 緑林の宮 改元 火星と金星 両虎競食の計 禁酒砕杯の約 母と妻と友 大江の魚 神亭廟 好敵手 小覇王 日時計 名医 平和主義者 花嫁 馬盗人 胡弓夫人 淯水は紅し 陳大夫 増長冠 仲秋荒天 空腹・満腹 梅酸・夏の陣 北客 健啖天下一 黒風白雨 奇計
鳥羽の山田奉行を務める大岡忠相は密貿易に頭を悩ませていた。伝説の海賊・先生金右衛門が多くの手下を従え、親船・巽丸を操り傍若無人に海を駆けていたのだ。忠相は信頼厚い部下を使い、密貿易の実態を探らせる。一方、金右衛門の手下である鯨太郎は、幼馴染みで庄屋の娘・八重と駆け落ちを約束していたが、忠相の罠により、逃亡を余儀なくされてしまった…。やがて徳川吉宗の将軍就任と共に江戸へ導かれた彼らの運命は?
幕末、開国を迫る列強の圧力が高まる中、一人の男が長崎にやってきた。豪商・銭屋五兵衛の遺児である檜山三四郎は50万両という大金を積んだ星雲丸の行方を求めて出島の異人屋敷に蟄伏したのだ。鍵は船長が残した懐中時計。だが三四郎は天誅組崩れの志士に感化され勤王の志を抱くようになる。一方、遠島破りを犯して長崎に流れ着いた梅吉と安は放蕩を続けていたが、三四郎を襲ったことで運命の歯車が回り始めた…。
故郷に戻ったのも束の間、兄・健助とともに越後を追われ、江戸にやって来た檜山三四郎。薩長連合によって日本の新しい時代を開こうとする英公使パークスの元に身を寄せた彼は、密書を携え両藩の巨頭に会うべく動き出す。だが、それを阻止しようとする幕府の刺客たちも三四郎を追尾、開国の鍵を握る暗闘が開始された…。壮大な奇想と圧倒的なリーダビリティ。80年の時を超えた幻の初期時代伝奇作品!
頼朝の追捕の手を逃れ、姿を隠していた義経は、若き頃、その身を寄せた奥州の藤原秀衡を頼り、平泉に向かうことを決意する。大仏殿勧進のための山伏に姿を変えた義経主従は、最大の難所である安宅の関を弁慶の雄弁と機智で通過し、無事平泉にたどり着く。衣川に館を構え、つつましい生活をおくる義経だったが…。義経の最期、盛者必衰の理を描く第二十巻。大河歴史小説完結。
平家を滅ぼした後、義経と兄頼朝との亀裂は、深まる一方だった。平宗盛父子を護送して鎌倉に向かった義経は、鎌倉入りを許されず、腰越に留め置かれる。心血を注いだ愁訴の状を幕府の大江広元を通じて差し出すが、その真情は頼朝には届かなかった。失意のうちに京に戻ると、刺客が館を襲撃。義経は戦を避けて、弁慶、静らとともに西国へ下ることを決意する…。切々たる「腰越状」、堀川夜討、義経の都落ちを描く第十八巻。
寿永四年三月二十四日、平家七百艘、源氏六百艘ー両軍の船々は、愈々壇ノ浦で相まみえる。知盛と義経の攻防の中、阿波勢の動向や潮流の変化を機に戦況は源氏側へ有利に傾く。決定的となった敗北に、二位ノ尼に抱かれた安徳天皇をはじめ、経盛、建礼門院は次々と入水していく…。清盛の歿後わずか四年、平家は滅亡の時を迎えた。ついに命運尽き、波間に消えた平家一門の無常を描く第十七巻。
時は永禄4年正月。上州廏橋の城内で、謙信は賑やかな群臣のなかに、一人にこやかに座していた。北条の勢威が近境の小国を脅かしているのを見るに見かねて、小田原攻略の大策の途中である。そこへ、甲州の軍が北へ移動しているとの情報が入る。積年の宿敵、武田信玄とは、3年前に親睦の約定を取り交していたはず。思わぬ裏切りに憤った謙信は、川中島へと足を向けた。因縁の対決の決着はいかに…。戦国の世を雄大に描いた傑作。
諸葛亮と司馬懿、二人の天才による対決がいよいよ始まった。勇将・姜維を得るも、趙雲や関羽の遺児らを亡くし、期待されていた馬謖は街亭で痛恨の敗北を喫するなど、蜀漢は人材不足に悩んでいた。だが諸葛亮は、三年の内政で国を建て直し、忠純と神算鬼謀の限りを尽くして、秋風の五丈原における最期の決戦に挑むー。宿命と永訣の最終巻。